オリビエ・パニスが先日のアメリカGPで150回目のGP出場を果たした。デビューの頃は、あまり重きを置いていなかった記録であったものの、パニスは記録達成に喜びを率直に語った。
リジェ時代のモナコでの優勝を頂点に、浮き沈みのF1人生を過ごしてきたパニス。カナダでは足の骨を折るアクシデントに見舞われたり、レースに出場できない日々が続いたり、どん底も経験した。いまや現役最年長となったパニスだが、パドックでチームから150回目のGP出場を祝う“ささやかな”祝賀会を受け、びっくりした様子だった。
「インディアナポリスで150回目のGPをお祝いできたのは本当によかった」とパニス。「土曜日の午後、予選終了後にささやかなお祝い会を開いてくれた。集まった人の数にはびっくりしたよ。友人のヤルノ・トゥルーリまで来てくれたんだ。お祝い会ではケーキとプレゼントをもらったよ。ついでに、サインしなくてはならない品物もたんまりとね。とても楽しい午後だった」
「チームは週末に向けて、僕のGP150回出場記念の特別商品企画を打ち出した。とても感謝している。150回というのは単なる通過点。あと150回の出場に向けて、モチベーションと力がみなぎっているよ! とはいえ、いまはフランスでの151回目のGPを楽しみにしている。マニ−クールは僕のホームGPだからね」
パニスは、記念すべき150回目のGPをインディアナポリスという特別な場所で迎えられたことを喜んだが、レース界に足を踏み入れたときは、インディカーやF1をあまり見たことがなかったと言う。
「インディアナポリスでレースをすると歴史を感じさせてくれる。みんなインディ500については知っている。ル・マン24時間のように盛大だよね。僕はインディでレースができることを嬉しく思っている。F1サーキットとしてはシーズン中1番のコースではないけどね。でも、アメリカの人々は、F1をエンジョイしようと多大な努力を払ってくれた。いまはみんな満足した顔をしている」
「若い頃は、インディ500を見たことがなかった。正直言って、エルフ・ウィンフィールド・スクールでの奨学金を手にするまでは、F1をときどき見るくらいで、フォーミュラ・ルノーやF3が何なのかもよく知らなかった。ましてやインディカー・レースなんて、まったく知らなかったね! インディ500を初めて観たのは、僕がフォーミュラ・ルノーに参戦しているころ。たしか、1989年かそこらだったと記憶している」
パニスはレース終了後、5度目のアメリカGPで5位に入り、ポイントが獲得できたことについて、一層喜びを語った。
「インディアナポリスでは、他のサーキット以上にTF104が力を発揮してくれるものとレース前から期待していた。ただし、トップから37秒遅れでの入賞だと誰かから予言されても信じなかっただろうけどね」とパニスは笑みをこぼした。「今回のような結果を出したいとチームのみんなが考えていた。しかも、マシンの力がフルに発揮できたのは素晴らしいことだ。150回目のGPを祝うにふさわしい結果となったよ!」