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【F1第24戦無線レビュー(2)】チームに26年ぶりのタイトルをもたらしたノリス「来年は僕の年だ」とリベンジを宣言

2024年12月17日

 2024年F1第24戦アブダビGP。コンストラクターズタイトル争いは、依然としてランド・ノリスが首位を走り有利な状況を維持していた。一方でフェラーリもカルロス・サインツがノリスを追い続け、19番手スタートのシャルル・ルクレールも上位まで追い上げ逆転を狙った。アブダビGP後半を無線とともに振り返る。


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 F1第24戦アブダビGPのレース後半に入った29周目、依然として首位ランド・ノリス(マクラーレン)をカルロス・サインツ(フェラーリ)が追う展開。このままいけば、マクラーレンのコンストラクターズ選手権制覇が確定する。


 一方中団では、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が7番手のピエール・ガスリー(アルピーヌ)を追っていた。こちらも少なくともガスリーを抜かない限り、ハースはアルピーヌに6位を奪われてしまう。


ニコ・ヒュルケンベルグ:1ストップじゃないよね?
ギャリー・ギャノン:違うよ。

ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)
2024年F1第24戦アブダビGP ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)


 ミディアムタイヤで13周しか走らずにハードタイヤに交換したヒュルケンベルグにしてみれば、当然2ストップのつもりだっただろう。「違うよ」と返した担当エンジニアも、この時点では1ストップはないと思っていたのか。しかしヒュルケンベルグは結局残り45周をハードタイヤで走り切って8位でチェッカー。しかしガスリーを抜くことはできず、アルピーヌの選手権6位が確定した。


 29周目にピットインし、スタート直後のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)との接触事故の10秒ペナルティを消化したマックス・フェルスタッペン。あまりに厳しい裁定に、皮肉な一言を漏らした。


フェルスタッペン:ついでに20秒ペナルティももらおうか? ほんとにバカやろうだよ。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2024年F1第24戦アブダビGP ピットストップ時にペナルティを消化するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 31周目、ターン6の攻防でバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)がブレーキロック。止まりきれず、ケビン・マグヌッセン(ハース)にぶつかってしまう。


マグヌッセン:ああ〜なんて素晴らしいXXXなんだ!


 緊急ピットインしたボッタスは、そのままリタイアとなった。


ボッタス:これでオシマイだ。
スティーブン・ペトリック:ああ。こんな形で終えたくはなかった。

バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)
2024年F1第24戦アブダビGP ケビン・マグヌッセン(ハース)との接触でダメージを負ったバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)


39周目
ウィル・ジョゼフ:ニュータイヤに替えたら、サインツをコース上で抜けるか?
ノリス:抜けると思うよ。


 この時点で首位ノリスと2位サインツの差は4秒弱。もしここで2回目のピットインを行えば、もちろん首位の座はサインツに明け渡すことになる。それでもノリスは、「コース上で抜けると思う」と速さに自信を見せた。


 しかしノリスは、このままチェッカーまで走り切った。


43周目
ルイス・ハミルトン:前とのギャップはどれくらい?
ピーター・ボニントン:14秒だ。
ハミルトン:14秒?
トト・ウォルフ代表:君ならできる。


 5番手を走るハミルトンが知りたかったのは、前を行くジョージ・ラッセル(メルセデス)とのギャップだった。「14秒?」と聞き直したのは、自分が思った以上に差が開いていたのだろう。しかしウォルフ代表の励ましにも奮起したか、ミディアムのハミルトンはハードのラッセルを1周1秒以上速いペースで追い詰め、最終周に逆転に成功した。


 一方3番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)は、首位ノリスに25秒以上の大差をつけられていた。


44周目
ルクレール:これだとコンストラクターズは負けなのか?
ブライアン・ボッツィ:そうだ。でも、まだ終わっていない。プッシュし続けるんだ。


 しかしルクレールのペースは、コンスタントにノリスより遅い。


ジョゼフ(→ノリス):ルクレールが24周走ったタイヤで、グレイニングで苦しんでる。次の3周が重要だ。


45周目
ボッツィ:よし、リズムに戻ろう。
ルクレール:そのリズムって、どういう意味だよ? リズムに乗って走ってるんだけど。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2024年F1第24戦アブダビGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)


 ボッツィ独特の言い回しに、苛立ちを隠さないルクレール。最終周までに、ノリスとの差は30秒まで広がった。


55周目
ルクレール:ランドとカルロスの差は?
ボッツィ:7秒5だ。
ルクレール:XXX


 ノリスは一度も首位を譲らず、ポール・トゥ・ウインを達成。コンストラクターズタイトルを確定した。そして2025年のドライバーズタイトル奪取を、堂々と宣言した。


ジョゼフ:やったぞ。ワールドチャンピオンだ。
ノリス:ホホー!! パパイヤが頂点に立った!! みんな、本当によくやってくれた。誇りに思うよ。特別な1年だった。そして来年は僕の年だ!!


リカルド・アダミ:P2、P2だ。手堅いレースだった。
サインツ:みんな、よくやってくれた。ベストを尽くしたんだけどね。彼らは週末ずっと、僕らよりコンマ1秒速かった。ありがとう、リッキー。ありがとう、フェラーリ。フォルツァ・フェラーリ!


ルクレール:カルロスの最後のシーズンに、タイトルを獲りたかった。一緒にやれて、本当に楽しかった。


 ハースは選手権6位こそわずかに届かなかったものの、中団グループでの強さを印象付けた1年だった。


ギャノン:この2年間は最高だった。君のやり遂げてくれたことには、賞賛しかない。
ヒュルケンベルグ:僕こそ感謝だよ。僕をカムバックさせてくれただけじゃなく、これだけの成功を遂げさせてくれた。本当にありがとう。今のまま行くのが大正解だ。このまま突き進んでくれ。
ギャノン:君のことはずっと信じていたし、その思いは今も変わらないよ。


小松礼雄代表:ありがとう、ケヴ。君との7年間は、本当に素晴らしかった。
マグヌッセン:ありがとう!


 マグヌッセンの奥さんも、デンマーク語で祝福した。


マグヌッセン夫人:最後のレース、おめでとう。愛してる。あなたの帰還を、娘たちと待っています。
マグヌッセン:ありがとう、ハニー。さあ、これからホリデーだ。



(取材・まとめ 柴田久仁夫)


レース

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フリー走行2回目 結果 / レポート
12/7(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
12/8(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※アブダビGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン437
2位ランド・ノリス374
3位シャルル・ルクレール356
4位オスカー・ピアストリ292
5位カルロス・サインツ290
6位ジョージ・ラッセル245
7位ルイス・ハミルトン223
8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ70
10位ピエール・ガスリー42

チームランキング

※アブダビGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム666
2位スクーデリア・フェラーリ652
3位オラクル・レッドブル・レーシング589
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム94
6位BWTアルピーヌF1チーム65
7位マネーグラム・ハースF1チーム58
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム46
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー4

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