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【F1技術解説】マクラーレンが編み出したリヤウイングのトリック。DRSなしにドラッグを減らし、直線スピードを稼ぐ
2024年9月19日
2024年F1第17戦アゼルバイジャンGPで優勝したマクラーレンは、優れたストレートラインスピードを発揮していた。それをもたらしたのではないかとみられるリヤウイングのトリックに、今、大きな注目が集まっている。F1i.comの技術分野担当ニコラス・カルペンティエルが、マクラーレンのウイングの仕組みについて、解説した。
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最近、一部チームのフロントウイングのたわみが注目されていたが、バクーのパドックで話題になっていたのは、マクラーレンのリヤウイングだった。写真を見ながら解説していこう。
アゼルバイジャンGPの週末を通して、シャルル・ルクレールはオスカー・ピアストリの直線スピードに驚かされていた。マクラーレンとフェラーリはどちらもベルギーGP仕様のウイングを装備、いずれもレッドブルよりもかなり薄いものだった。
フェラーリSF-24とマクラーレンMCL38のダウンフォースは、ほぼ同じレベルだったと言える。ところがDRSが作動しない直線区間では、マクラーレンの最高速がはるかに優っていた。そしてその間、リヤウイングのフラップは、非常に奇妙な動きをしていた。
■高速走行中にたわむリヤウイング
下の2枚の写真で明らかなように、高速走行中はリヤウイングの上部フラップとメインプレーンの間にスペースができる。さらにフラップの下端が変形し、2枚のウイングのスペースが増加する。このスペースは空気の流れを意図的に分離するため、ウイングはさほどダウンフォースを発生させず、ドラッグを減らし、直進速度を向上させる。
2枚の写真の上部フラップを比較すると、高速走行時の下の写真ではフラップが後ろに倒れ込むように低くなっているのがわかる。その結果、ダウンフォースの発生が少なくなる。これはDRSが作動しない直線セクションで特に有益だ。フェラーリとレッドブル、マクラーレンのリヤウイングの違いは以下で見ることができる。
■フロントウイングにたわみも、FIAは合法と判断
マクラーレンはすでにこういったウイングの変形を完璧にマスターしているようだ。大きく変形するフロントウイングで成果を上げ、それに対しレッドブルは抗議の意向を示したものの、FIAはマクラーレンのフロントウイングを合法と認定した。
直線でのこのアドバンテージと、ランド・ノリスの献身的なサポート、そして何より自身の大胆なオーバーテイクによって、ピアストリはルクレールから勝利をもぎ取ることができた。しかしルクレールとの差は、あくまでわずかだった。両者は約30周にわたって対峙し続け、今年のアゼルバイジャンGPを非常に見応えのあるレースにしてくれたのだった。
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 99 |
2位 | ランド・ノリス | 89 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 87 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 73 |
5位 | シャルル・ルクレール | 47 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 38 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 31 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 20 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 10 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 188 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 111 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 89 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 78 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 25 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 10 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 8 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 6 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

