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【F1第17戦決勝の要点】モンツァのリベンジを果たしたピアストリの2年目とは思えない果敢さ

2024年9月15日

 2024年F1第17戦アゼルバイジャンGPで4回目のポールポジションを獲得したシャルル・ルクレール(フェラーリ)は予選直後のインタビューで「今回はロングランのペースもある」と、決勝レースに向けて自信満々だった。しかし、ルクレールに“四度目の正直”はなかった。


 それでもレース序盤は、ルクレールが優勢だった。6周目あたりまでは1秒前後で食い下がっていたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を、ジリジリと引き離す展開。15周目には最大6秒まで、その差を広げていた。


 しかし、ピアストリの1周後の17周目にルクレールはピットインに向かい、コース復帰した時には、両者の差は一気に1.1秒まで縮まっていた。これがルクレールにとってひとつめの誤算だった。


 そしてふたつめの誤算は、履き替えたハードタイヤがすぐにグリップを失ったことだ。フェラーリ陣営が自信を持っていた優れたロングランペースは、あくまでミディアムでのものだった。20周目にあっさり抜かれてからは、先行するマクラーレンの乱流をまともに受け、タイヤのダメージはさらにひどくなった。


 一方、ピアストリ側の視点からレースを振り返れば、フェラーリとは対照的にミディアムでもハードでも速かったのが勝因のひとつだった。しかしそれ以上に、ピアストリのオーバーテイクが素晴らしかった。

2024年F1第17戦アゼルバイジャンGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
2024年F1第17戦アゼルバイジャンGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)


 最大のオーバーテイクポイントであるターン1で、まさかルクレールが油断していたはずはない。しかしインを突いてきたピアストリに対し、ほとんど無抵抗状態で抜かれていった。F1キャリアわずか2年目とは思えないあの果敢さがあってこその、勝利だった。


 そして今回はチームの戦略、ランド・ノリス(マクラーレン)との連携も完璧に機能した。16周目のピットイン後、5番手セルジオ・ペレス(レッドブル)の前でかろうじてコース復帰できたのは、DRSで迫るペレスをノリスが抑え続けていたからだった。


 ノリスはレース後半、今度はフェルスタッペンを抑え続けた。その結果、4番手カルロス・サインツ(フェラーリ)までの上位勢とフェルスタッペンの差はどんどん開いていき、上位入賞でポイントを稼ぐ可能性はほぼ消えた。


 さらにノリスはミディアムに履き替えると、13秒前方のフェルスタッペンを猛追し、ついに抜き去った。最後はペレスとサインツのクラッシュで、望外の4位入賞。まさかのQ1落ちで15番手スタートだったノリスにしてみれば、せめて1ポイントでも取って差を大きく広げられるのを防ぎたい思いだっただろう。それがフェルスタッペンより上でチェッカーを受けただけでなく、ファステストも獲得し、両者の差は逆に59ポイントまで縮まった。


 ただし今回ピアストリが勝ったことで、「ノリスのタイトル獲得を優先する」というマクラーレンのチーム方針は、ひょっとしたら見直されるかもしれない。とはいえ『ノリス対フェルスタッペン』という図式だけを見れば、勢いは明らかにノリスにあることには変わりはない。

2024年F1第17戦アゼルバイジャンGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
2024年F1第17戦アゼルバイジャンGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)



(柴田久仁夫)




レース

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フリー走行2回目 結果 / レポート
9/14(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
9/15(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※アゼルバイジャンGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン313
2位ランド・ノリス254
3位シャルル・ルクレール235
4位オスカー・ピアストリ222
5位カルロス・サインツ184
6位ルイス・ハミルトン166
7位ジョージ・ラッセル143
8位セルジオ・ペレス143
9位フェルナンド・アロンソ58
10位ランス・ストロール24

チームランキング

※アゼルバイジャンGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム476
2位オラクル・レッドブル・レーシング456
3位スクーデリア・フェラーリ425
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム309
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム82
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム34
7位マネーグラム・ハースF1チーム29
8位ウイリアムズ・レーシング16
9位BWTアルピーヌF1チーム13
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第17戦アゼルバイジャンGP 9/15
第18戦シンガポールGP 9/22
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第20戦メキシコシティGP 10/27
第21戦サンパウロGP 11/3
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