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【F1第15戦無線レビュー(2)】ルクレール、腕に問題を抱えつつも3カ月ぶりの表彰台「最高の仕事だった。戦略も完璧」

2024年8月29日

 2024年F1第15戦オランダGP。一度は失った首位の座を取り戻したランド・ノリスは、マックス・フェルスタッペンを引き離した。一方後方では中団勢による入賞争いが展開され、ピットレーンスタートのケビン・マグヌッセンはチームメイトを助けるべく後続を抑えていた。オランダGP後半を無線とともに振り返る。


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 レースも折り返し点を過ぎ、首位のランド・ノリス(マクラーレン)が2番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を大きく引き離す展開。一方、中団グループでは、9、10番手で周回するニコ・ヒュルケンベルグ、ケビン・マグヌッセンのハース勢を、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)らが激しく追っていた。


40周目
マーク・スレード(→マグヌッセン):ケブ、アルボン以下はニコのポジションを狙っている。


 ピットスタートだったマグヌッセンは、この時点でまだ0ストップ。前を行くヒュルケンベルグのために、アルボンたちの壁になっていた。そしてこの無線後、マグヌッセンは予定より早くピットに向かい、ミディアムタイヤに履き替えた。

ケビン・マグヌッセン(ハース)
2024年F1第15戦オランダGP ケビン・マグヌッセン(ハース)


ジェームズ・アーウィン:マグヌッセンはハードスタートだった。
アルボン:そうなんだよね。僕をわざとピットインさせようとした。どういうことなんだろう。
アーウィン:ヒュルケンベルグを助けようとしたんだろう。

アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)
2024年F1第15戦オランダGP アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)


 43周目、ノリスとフェルスタッペンの差は、10秒まで開いた。


ウィル・ジョゼフ:フェルスタッペンとのギャップは10秒になった。セーフティカーが出たら、ミディアムを履く。いったん後ろになるが、抜けるはずだ。それでいいか?
ノリス:なんか、自信満々じゃないか。うん、大丈夫だよ。うまくやれると思う。


 もしセーフティカーが出て、フェルスタッペンに先行されたとしても、コース上で抜ける。最速マシンで戦えているという確信が、ノリス陣営に漲っている感じだ。


 47周目、カルロス・サインツ(フェラーリ)がセルジオ・ペレス(レッドブル)を抜いて6番手に上がった。


サインツ:レッツゴー!
リカルド・アダミ:いいぞ。バモス!(行け)

カルロス・サインツ(フェラーリ)&セルジオ・ペレス(レッドブル)
2024年F1第15戦オランダGP カルロス・サインツ(フェラーリ)がセルジオ・ペレス(レッドブル)をオーバーテイク


63周目
トム・スタラード:タイヤはどう?
ピアストリ:驚くほどいいってわけじゃないけど、最後までは行けるよ。


70周目
ルイス・ハミルトン:ファステストラップ、大丈夫か?
ピーター・ボニントン:依然として君がファステストだ。
ハミルトン:もう1回、やった方がいい?
ボニントン:いや、その必要はない。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2024年F1第15戦オランダGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)


 48周目に新品ソフトに履き替えたハミルトンは、62周目に最速タイムをマーク。このタイムは、もはや誰もひっくり返せないとボニントンは判断した。


 しかし最終周72周目、ノリスは44周も走ったハードタイヤで、ハミルトンのタイムを0.061秒しのいでファステストも獲得。圧勝の展開だった。


チェッカー後
ジョゼフ:凄いドライブだった。
ノリス:シンプルに最高だったね。
ジョゼフ:おまけにファステトまで、やってのけやがって。
ノリス:みんな、ありがとう。素晴らしいクルマだった。この調子で行こう。タフなレースだった。みんな、愛してるよ。
ジョゼフ:本当に力強い走りだった。


 最終周でファステストを狙うことは事前にジョゼフにも相談せず、ノリスの独断だったようだ。


ボニントン:よくやった、ルイス。P8だ。ただファステストは、ノリスに持っていかれた。最終周にやってのけた。
ハミルトン:言ったよね、もう1回トライしなくていいかって。まあ、このタイヤでファステストは無理だったかもしれないけど。とにかく予選がひどかった。うまくやってたら、普通にレースで上位が狙えていた。申し訳ない。
ボニントン:そうだね。そこは改善点だね。


ジャンピエロ・ランビアーゼ:できるだけのことはやった。グッジョブだ。誇りを持ってくれ。
フェルスタッペン:難しいレースだった。でも……2位だからね。まだ大丈夫だ。
クリスチャン・ホーナー代表:いい運転だった。今日は速さが足りなかったなかで、ベストを尽くしてくれた。ダメージを最小限に抑えてくれたよ。


 そしてルクレールは、5月のモナコGP以来となるシャンパンシャワー。レースでの速さに、誰よりもルクレール自身が驚いていた。


ブライアン・ボッツィ:なんてレースだったんだ!
ルクレール:ああ(笑)。最高の仕事だったね。戦略も完璧だった。こうしてほしいと思ったことを、やってくれた。
ボッツィ:腕の調子は?
ルクレール:え?
ボッツィ:腕は大丈夫?
ルクレール:ああ。金曜日よりよくなっている。夏休み明け、最初の週末だからね。でもレース自体は、そんなにキツくなかったし。


 ひょっとしてルクレールは、夏休み中に腕を痛めたりしていたのか。


 そしてガスリーは、9番グリッドからスタートでふたつ順位を上げたものの、最終的に9位チェッカー。とはいえアルピーヌの戦闘力からすれば、大健闘だった。


カレル・ルース:1周目は、凄かった。その後のバトルもよかったぞ。
ガスリー:レースを堪能できたよ。フェルナンド(・アロンソ)やルイス、それからカルロスとバトルしたりね。

ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
2024年F1第15戦オランダGP ピエール・ガスリー(アルピーヌ)


 18番グリッドからスタートしたローガン・サージェントは、16位完走だった。


ガエタン・イエゴ(サージェントに):P16だ。よく守り切った。ノーミスの走りだった。よくやった。後ろの2台ははるかにフレッシュなタイヤだったが、よく守った。
サージェント:そうだね……。ペースがちょっとなかった。2ストップは、どうだったんだろう……。
イエゴ:いいレースだった。難しい週末だったけど、よくリカバリーした。
ジェームズ・ボウルズ代表:よくやった、ローガン。見事な走りだった。チームプレイに徹してくれた。


 チーム代表まで出てきて労をねぎらったのは、これがサージェントにとって最後のF1でのレースだったからかもしれない。



(取材・まとめ 柴田久仁夫)


レース

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ドライバーズランキング

※アブダビGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン437
2位ランド・ノリス374
3位シャルル・ルクレール356
4位オスカー・ピアストリ292
5位カルロス・サインツ290
6位ジョージ・ラッセル245
7位ルイス・ハミルトン223
8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ70
10位ピエール・ガスリー42

チームランキング

※アブダビGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム666
2位スクーデリア・フェラーリ652
3位オラクル・レッドブル・レーシング589
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム94
6位BWTアルピーヌF1チーム65
7位マネーグラム・ハースF1チーム58
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム46
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー4

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