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【F1チームを支える人々/ハース】創設からの広報責任者モリソン。元F1ドライバーに認められてレース界入り

2024年8月20日

 F1チームには多数の人々が関わり、さまざまな職種が存在する。この連載では、普段は注目を浴びる機会が少ないチームメンバーに焦点を当て、その人物の果たす役割と人となりを紹介していく。今回は、ハースの広報責任者スチュアート・モリソンに焦点を当てた。


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 F1チームの一員になるための道はさまざまあるが、F1以外で得た経験が、上級職に就く鍵になる場合もある。ハースの広報責任者スチュアート・モリソンのキャリアがまさにそうだ。


 モリソンは、ハースがF1参戦の権利を得た時から、チームのメンバーとして働いている。彼は元々は外部の広報会社に所属して広報担当者として働いていた。しかしすぐにギュンター・シュタイナーにより、広報部の責任者に昇格され、シュタイナーが去った後も、小松代表の下で同じ役職にとどまっている。


 ケビン・マグヌッセンや小松代表がメディア対応をしている時に、すぐそばに、大柄な、一見して警備員のような風貌の男性がいることに気付いたファンもいるかもしれない。それがモリソンだ。彼は長年にわたりハースに貢献し、ロマン・グロージャンの大クラッシュや、マゼピン家から多額の投資を受けていた際に起きたロシアのウクライナ侵攻といった、大きな事件に対応してきた。

スチュアート・モリソンと小松礼雄チーム代表
スチュアート・モリソンと小松礼雄チーム代表(ハース)


 モリソンのF1への旅は、独特の形で始まった。彼は高校卒業後、グラスゴー大学で1年学んだ後に退学。1年間オフィスで働いた後、スターリング大学に入学して、映画とメディア研究の学位を取得した。


 卒業後、モータースポーツでの機会を探していた彼は、英『Autosport』誌を通して、新しいシリーズが設立されることを知った。そのフォーミュラ・パーマー・アウディが採用活動を行っており、広報関連の仕事は募集されていなかったものの、広報担当者が必要に違いないと考えたモリソンは、問い合わせを行った。


 シリーズ設立者で元F1ドライバーのジョナサン・パーマーがモリソンの面接を行い、翌日に採用。モリソンはレース界での多彩なキャリアのスタートを切った。


 ジャスティン・ウイルソンがタイトルを獲得したこの年のフォーミュラ・パーマー・アウディで1年間、広報担当者を務め、その後、国際F3000チームのエデンブリッジ・レーシングに参加。しかしチームはポール・ストッダートに買収され、後に全従業員が解雇された。


 モリソンは、アイルトン・セナやアラン・プロストなどをマネジメントしたジュリアン・ジャコビが率いるエージェンシーに就職し、複数の顧客を担当しつつ、ドライバーのマネジメントに重点を置くようになった。それがきっかけで、エージェンシーのサンフランシスコ・オフィスに移り、インディカーでダリオ・フランキッティ、インディ・ライトでダン・ウェルドンと働くことになった。しかし、ビザが取れなかったためロンドンに戻り、自分のビジネスを立ち上げることにした。


 2003年にはさまざまな仕事をするなかで、ウイルソンがミナルディやジャガーでレースをしていた時期のF1にもかかわった。1年後、モリソンは、妻の母国であるカナダに移住し、A1GPとTWスチールのパートナーシップに関わることになった。


 カナダにいる間、彼はロバート・ウィケンズやジェームズ・ヒンチクリフを含む多くの若いドライバーと仕事をし、ヒンチクリフのインディカーでのPRを担当。その後、TWスチールが2010年代初頭にロータスやフォース・インディアと提携したことで、F1での活動時間が増えてきた。


 2014年の後半に、モリソンはジーン・ハースがF1チームを設立することを知り、北米のレーシング業界での人脈を使ってギュンター・シュタイナーと会う機会を得た。その結果、モリソンは、スチュワート・ハース・レーシングNASCARチームの広報部門から、新しいF1チームの広報担当の1人として雇われた。

スチュアート・モリソンとケビン・マグヌッセン
スチュアート・モリソンとケビン・マグヌッセン(ハース)


 ハースはすぐにF1チーム内に専任の広報責任者が必要であることに気づき、モリソンはその役職に昇進し、それ以来その役割を任っている。完璧なプロフェッショナルであるモリソンは、幅広い経験を積むことが、F1内で上級職に就くためのルートにつながり得ることを証明した形になる。



(Chris Medland)


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