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レッドブル&HRC密着:“攻めた冷却システム”を実現の一方、ライバルの復調で苦戦も。PUトラブルは「大きな反省点」に

2024年8月12日

 レッドブル・ホンダRBPTが22戦21勝、勝率9割5分4厘というF1の歴史に新しい金字塔を打ち立てた2023年シーズンから1年、2024年もレッドブル・ホンダRBPTは開幕戦を制し、順調なスタートを切った。


 レッドブルが今シーズンのために開発したRB20は、独創的なアイデアでプレシーズンテストで話題をさらった。空力効率を優先した車体デザインは、冷却用に設けられる開口部がほとんど見当たらず、ライバル勢から大きな注目を集めたほどだった。この空力を実現させたひとつに、ホンダ・レーシング(HRC)の協力があった。

レッドブル&HRC密着
2024年F1バーレーンテスト レッドブルRB20

レッドブル&HRC密着
レッドブルRB20の冷却用の開口部は極端に小さかった


 レッドブルが空力を優先して攻めた冷却システムを採用したのは昨年からで、HRCもその要求に応えるべく、努力を重ねた。具体的には、パワーユニットの冷却には信頼性を担保するためのマージンをさまざまな領域でとっているのだが、そのマージンをチームと話し合いながら、走らせ方を変えたり、冷却システムの仕様を変えることで、必要のない領域をつぶしていくことができる。それによって、信頼性を担保したまま、レッドブル側が空力をアグレッシブにデザインできたのだ。


 これにより、レッドブル・ホンダRBPTはマックス・フェルスタッペンが開幕2連勝を飾った。レッドブル・ホンダRBPTにとって前半戦のハイライトとなったグランプリは、今年から春開催となった日本GP。フェルスタッペンがファステストラップを刻んで優勝するとチームメイトのセルジオ・ペレスも2位でフィニッシュ。HRCの折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)も次のように語る。

レッドブル&HRC密着
HRCの折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャー(左からふたり目)


「HRCとしてのベストレースは、母国グランプリの鈴鹿。レッドブルはワン・ツーフィニッシュで、RBは(角田)裕毅が鈴鹿で初入賞したからです」


 しかし、レッドブル・ホンダRBPTにとって、この日本GPでのワン・ツーフィニッシュが前半戦での最後のワン・ツーとなり、このあと徐々にRB20に潜んでいた弱点が露わになる。その弱点とは空力効率を追求した低く、硬いサスペンションシステムだった。


 じつはこの弱点は昨年も抱えており、バンピーな路面であるシンガポールGPでの敗戦の原因となっていた。ところが、チームはこの問題を根本的に解決しないままRB20を開発。昨年はライバル勢の不振で目立たなかったシンガポールGP以外のバンピーな路面であるオーストラリアGPや縁石が高いサーキットであるカナダGPで、今年は苦戦を強いられた。


 また空力効率を優先したエアロダイナミクスにも課題があることが判明。空力効率を優先する必要性が少ないハンガリーGPでは、フェルスタッペンが前半戦まで使用していた空力とはまったく異なる仕様を走らせた。

レッドブル&HRC密着
2024年F1ハンガリーGPに持ち込まれたフェルスタッペンのRB20。それ以前のレースとは空力の仕様が異なっている


 さらに昨年まで高い信頼性を誇っていたホンダのパワーユニットにも予期せぬトラブルが起きた。そのなかで最も大きかったのが第9戦カナダGPのフェルスタッペンのパワーユニットに起きた高電圧系トラブルだった。


「カナダGPのフリー走行でマックスのパワーユニットにトラブルを出したことは前半戦の大きな反省点です。あれで走行時間を失っただけでく、エンジンを1基失いました」


 この問題の原因はすでに解明されており、対策も済んでいる。またプールに入っているほかのエンジンも特殊な方法で調査した結果、カナダGPと同じトラブルが起きないことが確認されており、フェルスタッペンが同様のトラブルに見舞われることはないと考えられる。


 ただし、その代償は大きかった。1基失ったフェルスタッペンとレッドブルは後半戦に向けて、ベルギーGPでペナルティを取って、5基目のICEを投入する決断を下した。昨年もフェルスタッペンはベルギーGPでエンジン交換による10グリッド降格をもらっており、そのときは逆転優勝を飾った。


 しかし、今年のベルギーGPでは4位にとどまった。それは、昨年前半は不振だったライバル勢であるメルセデス、フェラーリ、マクラーレンの3チームが昨年の後半から息を吹き返し、今年は前半戦から本来の調子を取り戻していることだ。そのことは、シーズン前半だけで7人の勝者が誕生する混戦模様のシーズンとなっていることでもわかる。


 昨年はシーズンを通して3人、2022年も年間で5人しか優勝していなかったが、今年は前半だけで7人の勝者を生んでいる。1年で7人以上の勝者が誕生したシーズンは最近では2012年の8人で、この年チャンピオンシップ争いは最終戦までもつれた。


 フェルスタッペンがドライバーズ選手権を4連覇するためには、昨年苦しんだシンガポールGP、カタールGP、ラスベガスGPで少しでも多くのポイントを重ねること。さらに、パワーユニットだけでなく、車体関連でも致命的なトラブルを発生させてはならない。


 レッドブル・ホンダRBPTがコンストラクターズ選手権を防衛するには、フェルスタッペンとチームメイトによるポイント獲得が絶対条件。レッドブルはベルギーGP後に会議を開いて、ペレスの続投を決断した。後半戦はその判断の成否が問われることになるだろう。

セルジオ・ペレス(レッドブル)
2024年F1第14戦ベルギーGP セルジオ・ペレス(レッドブル)

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2024年F1第14戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)



(Masahiro Owari)


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