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【F1第11戦無線レビュー(1)】ライバルの違反を見逃さなかったピアストリ「ハミルトンがピット進入で白線を跨いだ」

2024年7月3日

 2024年F1第11戦オーストリアGP。決勝レースではスタート直後からバトルが展開されたが、中団ではハースが先の長いレースを見据えてタイヤマネージメントを選択。一方上位ではライバルのピットインを見ていたオスカー・ピアストリが違反を報告するなど、コース上での争い以外にも戦いがあった。オーストリアGP前半を無線とともに振り返る。


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 オーストリアGP決勝レースはそこかしこで濃密なバトルが繰り広げられ、最後の最後まで目の離せない展開となった。


 スタート直後には、10番グリッドのエステバン・オコン(アルピーヌ)がニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)をコース外に追いやり、9番手に上がる。


1周目
ヒュルケンベルグ:オコンがロケットみたいに、イン側に突っ込んできた!


 しかしこれは、単なるレーシングインシデントとみなされた。


 7周目には、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がセルジオ・ペレス(レッドブル)を抜く際に、2台が接触。ペレスはサイドポッドにダメージを負った。


7周目
ピアストリ:(ペレスが)押し出した。僕がエイペックスでは前にいたのに。
トム・スタラード:しっかり見ていたよ。

オスカー・ピアストリ(マクラーレン)&セルジオ・ペレス(レッドブル)
2024年F1第11戦オーストリアGP オスカー・ピアストリ(マクラーレン)&セルジオ・ペレス(レッドブル)


14周目
ペレス:ダメージはどうなんだ?
ヒュー・バード:サイドポッドが壊れている。


 ハースの2台は、直近のライバルであるアルピーヌとは逆に、第1スティントをかなり短くする作戦に出た。アンダーカットで、前に出る目論見だ。その分、第2スティントのハードタイヤは、しっかりマネージメントしないといけない。しかしすぐ前のヒュルケンベルグを抜きたいケビン・マグヌッセンは、その指示にあからさまな不満を漏らした。


15周目
マーク・スレード(→マグヌッセン):タイヤを持たせるんだ。わかったか。
マグヌッセン:僕だけ? ニコも同じ?
スレイド:2台ともタイヤを持たせる。まだ先は長いからね。
マグヌッセン:xxxx!


 一方ヒュルケンベルグは、ふたり一緒ならと、喜んで従った。


ギャリー・ギャノン:ニコ、タイヤを持たせていくぞ。アルピーヌはロングスティントで行く戦略だ。最後にタイヤがキツくなるはず。
ヒュルケンベルグ:ふたり揃って、ということだね?


 17番グリッドから、何とか11番手まで上がっていたランス・ストロール(アストンマーティン)。17周目の1コーナー立ち上がりでバランスを乱したが、まったく予測不能の挙動だったようだ。


17周目
ストロール:コーナー出口の、あのスナップは何だったんだ? あんな怖い目にあったのは初めてだ!


 21周目のターン3では、周冠宇(キック・ザウバー)がフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)に後ろから接触された。


周:あのXX、何やってる!! ダメージを受けた。ぶつかって来た。どれだけスペースを開けたら気が済むんだ!


 これでアロンソは、10秒ペナルティを科されてしまう。


22周目
ピアストリ:ハミルトンがピット進入で、白線を跨いだと思う。


 ピットに入ろうとしたルイス・ハミルトン(メルセデス)が、派手に4輪スライド。すぐ後ろのピアストリが、しっかり目撃していた。ハミルトンには5秒ペナルティの裁定が出た。


ピーター・ボニントン:5秒ペナルティを受けた。でも落ち着いていこう。
ハミルトン:申し訳なかった。
ボニントン:大丈夫だ。


 一方、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は3番手を維持。しかし首位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)との差は9秒、2番手ランド・ノリス(マクラーレン)との差も3秒まで広がっていた。


トト・ウォルフ代表(→ラッセル):まだノリスをやっつけられるぞ。


 突然、無線に割り込んできたウォルフ代表。3秒程度なら挽回の可能性があると、励ましたかったのだろう。しかしペースはマクラーレンの方が優れ、差はジリジリと広がるばかりだった。


 しかしシャルル・ルクレール(フェラーリ)に比べれば、ずっとマシだった。スタート直後のピアストリとの接触で緊急ピットインを強いられ、19番手に転落。30周目でも18番手と、その後もずっとペースが伸びなかった。しかし担当エンジニアのブライアン・ボッツィは、ルクレールを励まし続けた。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2024年F1第11戦オーストリアGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)はスタート直後にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)と接触し、緊急ピットインを強いられた


ボッツィ(ルクレールに):いい走りだ。このまま行けば、セフティカーなしでもポイントを獲れるぞ。


 最終的には11位まで上がったのだから、まったく根拠のない励ましではなかったか。


 この辺りから、アルピーヌのふたりがまたも揉め始めた。11番手のアロンソを抜きあぐねるオコンに、すぐ後ろにつけたピエール・ガスリーがプレッシャーをかけ始めた。


34周目
ガスリー:(オコンは)さっさとフェルナンドを抜かないと。タイムを失うばかりだ。


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F1第11戦無線レビュー(2)に続く



(取材・まとめ 柴田久仁夫)


レース

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ドライバーズランキング

※アブダビGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン437
2位ランド・ノリス374
3位シャルル・ルクレール356
4位オスカー・ピアストリ292
5位カルロス・サインツ290
6位ジョージ・ラッセル245
7位ルイス・ハミルトン223
8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ70
10位ピエール・ガスリー42

チームランキング

※アブダビGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム666
2位スクーデリア・フェラーリ652
3位オラクル・レッドブル・レーシング589
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム94
6位BWTアルピーヌF1チーム65
7位マネーグラム・ハースF1チーム58
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム46
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー4

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