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バリチェロ「サトウをピットに戻すべきだった」

2004年5月25日

 モナコGP序盤で起こったデイビッド・クルサードとジャンカルロ・フィジケラのアクシデントについて、何人かのドライバーが事故の状況についてコメントしている。
 スタートし2周目に入る以前から、佐藤琢磨のBARにはエンジントラブルが生じ、マシン後部からスモークが出始め、3周目になってついに派手に白煙を噴き出すに至った。4位走行中だったサトウの後ろについていたキミ・ライコネンや2台のフェラーリは無事に避けることができたが、デイビッド・クルサードとジャンカルロ・フィジケラは彼らほどツイていなかった。視界が悪い中でスローダウンしたクルサードに、直後を走行中だったフィジケラがぶつかり、マクラーレンの上を飛んで、バリアに激突した。フィジケラのザウバーはさかさまに着地したが、幸いドライバーは無事だった。
「フィジケラのマシンが僕のマシンの上に飛んできて、さかさまに着地したんで、すごく心配した」とクルサード。「これぐらいで済んで本当にラッキーだったよ。サトウのエンジンがブローして、スモークで前が何も見えなくなってしまったんだ。フィジケラはスピードを出しすぎていたのかもしれないけど、はっきりとは分からないね。サトウのマシンからはパレードラップの時から煙が出ていたんだよね。エンジニアたちにはテレメトリーを見て、そのうちエンジンがブローするってことは分かっていたはずだ」


 バリチェロもクルサードに同意見で、サトウはピットに呼び戻されるべきだったと考えている。「正直言って、(アクシデントが起こる前に)彼にフラッグを出すべきだったと思う。エンジンだかギヤボックスだかから煙を噴き出すまで3周も走ったんだよ。何かトラブルがあったのは確かだ。僕はラッキーだった。ガードレールにぶつかる直前にマシンをコントロールできた」
 アクシデントの当事者、フィジケラは、その時スモークで何も見えなかったと認めている。
「スタートが決まって、タイヤを温存しながら慎重にドライブしていた時に、サトウのエンジンがブローしたんだ。2回目のスタートからスモークを確認していたけど、あんなふうにブローするなんて誰にも予想できなかったよね」
「何にも見えなかった。バリチェロとモントーヤが前方にいて、そこに突然マクラーレンが現れたんだ。どうしてそこにいたのか分からないけど、その後すごい音が聞こえて、僕はひっくり返っていた。マシンは衝撃を吸収してくれたよ。まだ何かあるといけないので僕は周りが静かになるまでコクピットでじっとして、それから自分でマシンから出たんだ。僕は大丈夫だよ。でもすごく悔しい」


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