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トゥルーリ、「あと一歩の男」からついに脱却

2004年5月25日

 優勝する能力があると多くの人から言われる一方で、決勝では予選ほどの速さを発揮できないとの声も上がっていたヤルノ・トゥルーリが、F1カレンダー中のハイライト、モナコGPで初優勝を飾り、「優勝まであと一歩の男」との評価を返上した。

 予選でポールを獲得したトゥルーリは、スタートからトップを守り続け、彼を「未来のチャンピオン」と言っていたドライバーからのプレッシャーを最後までかわし、見事ポールtoウインを飾った。
 スペインでルノーの驚くべきマシン能力を存分に生かし素晴らしいスタートを切ったトゥルーリだが、モナコでも好スタートを見せてトップに立つと、2回のピットストップ直後、僚友のフェルナンド・アロンソとミハエル・シューマッハーにトップを譲った以外、最後までレースを引っ張り続けた。
「素晴らしいスタートが切れた。その後、プッシュして後続を引き離しにかかった。(最初の)セーフティーカーの導入は僕にとってマイナスだった。2位以下を引き離せるペースだったからね。おかげで8ラップも無駄な時間を過ごした」
「フェルナンドとの差はわずか2秒ぐらいだった。プレッシャーをかけてくることもあったが、それを交わして、徐々に差をつけていった。しかし、道が混んでいてずいぶんタイムをロスしてしまった。僕が引き離しにかかると、彼はいつもその差を挽回してきた。スピードは僕の方があった。最後のピットストップを終え彼の前でコースに戻り、そのままゴールした。2回目のセーフティーカー導入時は事態が少し変わったが、スタートからゴールまで、ほぼレースを支配できた」
 レース中盤、アロンソのトンネル内でのクラッシュによって2度目のセーフティーカーが導入された時、トゥルーリはピットに入る。コースに戻ると、ピットインせずに周回を続けていたミハエルの後ろにつくが、すでに全てのピットストップを終えていたトゥルーリは、ピットインの残っているミハエルより有利にレースを展開していた。しかし、ミハエルもクラッシュしてリタイアとなり、労せずトップに返り咲く。これ以降、優勝争いはトゥルーリとジェンソン・バトンとの一騎打ちに。だが、バトンが後ろからプレッシャーをかけ続けても、サーキットの性質上、トゥルーリは圧倒的有利な立場に立ち続けた。
「ジェンソンは僕に食らいつこうとしていた。後ろからプレッシャーをかけ続けようと考えていたようだが、モナコのようなサーキットではオーバーテイクは不可能。実際、リスクを犯すことなく彼を抑えることができた。彼より速いタイムも出ていたしね。チームも僕が焦っていないことは分かっていた。僕はレースのすべてを支配していた。どんなリスクも犯したくなかった。過去において、色々とアンラッキーなことが起こったこともあったが、今回は1つのミスもなく初優勝を飾りたいと考えていた」
 確かに、トゥルーリは、不運のつきまとう「優勝まであと1歩の男」という評判どおりのドライバーだった。キャリアの中で通算61周トップを走行しているが、肝心のファイナルラップでトップを走ったことは一度もなかった。周囲からは自信が揺らぎやすい男だと見なされてきたが、本人は状況を打開しようとする気持ちと毅然たる態度をいつも持ち続けていた。


「できるといつも信じていることが大切だ。僕はいいマシンを手にしたと分かっていた。ルノーは本当に素晴らしい前進を続けている。ますます良くなっていっているが、今年はこれまでフェラーリの独壇場となってきた。常にできるという希望を持っていても、実際にはその日が来るまで分からない」
「事態が悪い方向へ行くと、希望を持つことは難しい。タフな状況を強いられるが、それでも強くあらねばならない。不屈の精神を持ち、自分を信じ、自分に賭けなければならない。僕はこれまでそうしてきた。そして、ついに実現できた。ポールポジションと優勝を初めて手にできたんだ」
「シーズンの初め、ポールポジションと優勝を目標としていた。そしていま、その2つを同時に手にした。特に、モナコで実現できたことは本当に素晴らしいと思う。僕は決してあきらめない人間だ。チームが進化し続けていることも分かっていた。開幕の頃、僕たちはハンドリングの問題を抱えていた。しかし、チームはこの問題に集中して対処してきた。その結果、サンマリノとスペインではずいぶん良くなった。これで、さらに自信がついた」
「その後、僕は優勝できると思い続けていた。そして、ついに実現した。週末はずっと優勝が可能だと思っていた。思っていてもダメなことはあるけれど、この週末は実現できた」
 アロンソがルノーに入り、フラビオ・ブリアトーレがマネージメントするマーク・ウエーバーも腕を上げている中、トゥルーリが今後もルノーでドライブを続けられるかどうかは分からないという見方が少なからず出ている。ルノー残留か、それともルノー以外のチームへ移籍となるのか定かではないものの、モナコでの優勝はF1でドライブを続けるのに大きなプラス材料となるはずだ。もっとも、当の本人はルノーでのドライブに幸せを感じている。
「優勝できてとても幸せに思っている。僕はチームのみんなと共にいつも一生懸命やってきた。フェルナンドともうまくやっている。フェルナンドは去年、初の優勝とポール獲得を果たした。僕の方は、状況が一向に良くならないので精神的にハードだった。しかし、あきらめることはなかった」
「ルノーに残留できればいいね。3年目に入った今も仲良くやっているんだから。エンジニアやメカニックをはじめ、全ての人とうまくいっている。力を合わせてかなりの成果を上げてきた。ここまで来られてとても満足している。ルノーに初めて入ったとき、チームの調子は良くなかったからね。僕はマシンの改良に一生懸命励んだ。一歩一歩、マシンの改良を進めてきた。フェラーリとの差も縮まってきた。これまでのハードワークは大きく実を結んでいる。今後もさらに成果が出続けるといいね」




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