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【角田裕毅F1第8戦分析】課題のスタートは改善。普段とは異なる“状況に応じたペース配分の変更”をやり遂げ8位入賞

2024年5月27日

 抜きどころがないモンテカルロ市街地サーキットでのレース。モナコGPでの最高位グリッドとなる8番手からスタートする角田裕毅(RB)にとって、初入賞するために重要なのがスタートだった。


「ここ数戦うまく行かなかったことの反省を元に、チームがこのモナコGPに向けて、かなり改善してくれて、前戦イモラから一段ステップアップしたスタートができました。チームとして、取り組んだことが結果となって現れてよかったです」


 8番手からミディアムタイヤを履いてスタートした角田は、ポジションをキープして1コーナーに進入。イン側からスタートした9番手のアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)に並びかけられるが、1コーナーの立ち上がりでポジションを守り切り、8番手のままボー・リバージュの坂を駆け上がっていった。

【角田裕毅F1第8戦分析】
2024年F1第8戦モナコGP 角田裕毅(RB)はミディアムタイヤを履いて8番手からスタート


 その直後、角田の後方からスタートしたセルジオ・ペレス(レッドブル)とケビン・マグヌッセン(ハース)の接触に端を発した多重クラッシュが発生。レースは1周目に赤旗が出され、角田はほかのドライバーたちと同様、ピットレーンに帰還してマシンを降りた。


 ここでチームは角田のタイヤをミディアムからハードに変更する。F1では赤旗中断中に自由にタイヤを交換できるルールがあり、その場合でもピット義務を消化できることになっているからだ。


 モナコGPは1ストップ作戦が主流なため、この赤旗中断を利用してピット義務を消化するのが、最も効率がよかった。そのため、角田だけでなく、ほかの多くのドライバーもまた、スタート時に履いたタイヤとは異なるコンパウンドのタイヤを装着して、再スタートした。


 ただし、このとき角田が履いたタイヤは、新品のハードタイヤではなく、ユーズドだった。それで77周先のチェッカーフラッグまで走り切る予定だったのか。角田はこう明かす。


「(タイヤのマネージメントは)簡単でした。というのも、戦略を優先させるために、今回のレースではペースを結構抑えなくてはならなかったので、タイヤを労るのはそんなに難しくなかったです」


 さらにこのとき履いたハードタイヤは角田によれば、何周も走行したユーズドタイヤではなく、金曜日にレース用に1周だけ転がしてタイヤの表面に熱を入れたスクラブ(皮剥き)したものだった。

【角田裕毅F1第8戦分析】
2024年F1第8戦モナコGP ハードタイヤを装着する角田裕毅(RB)


 スクラブしたことによる利点はさまざま言われているが、代表的なのが新品よりもタイヤの持ちがよくなることだ。おそらく、チームはモナコではミディアムとハードの1ストップのレースになり、1周目にアクシデントが発生することを考慮して、ハードタイヤをスクラブして1周でも多く走ることができるように金曜日から準備していたのだと考えられる。


 タイヤのマネージメントは私たちが考えているほど難しくなかったと言う角田だが、決して楽なレースではなかった。


「この日のレースで難しかったのはセーフティカーが入ったときにアンダーカットやオーバーカットされないように、エンジニアからの指示でペース配分を変えて走らなければならなかったことです。ほかのグランプリではほとんどやらないことだったので、それがいつもと違っていました」


 後方で誰かがアンダーカットをした場合、角田はペースを上げなければならない。そのためには、前車とのギャップも作る必要がある。スタート直後に前を走るルイス・ハミルトン(メルセデス)についていきながら、途中からギャップが広がったのはそのためだった。

【角田裕毅F1第8戦分析】
2024年F1第8戦モナコGP レース再開後もルイス・ハミルトン(メルセデス)についていく角田裕毅(RB)


 ペースをコントロールしていたため、周回遅れになったものの、大切なことはスタートポジションを守って、少しでも多くのポイントを持ち帰ること。その仕事をきっちりとやり遂げた角田。8位フィニッシュは、モナコGPでの自身初入賞でもあった。


「デビューイヤーの2021年が(フリー走行でクラッシュするなど)あまりよくなくて、さらにその後の2年間は(チャンスがあったのにポイントを)獲れなかったので、そこから成長できたのはよかったです」


 4点を加点した角田は、ドライバーズ選手権で11位のランス・ストロール(アストンマーティン)との差を8点に広げ、9位のフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)との差を14点に縮めた。



(Masahiro Owari)


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