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F1第8戦木曜会見:「2位や3位になっても興奮できない」母国で勝利がほしいルクレール。予選ではポール候補だと自信

2024年5月24日

 会見の始まる直前、ステージ上では角田裕毅(RB)が身振り手振りを交えて、何かを熱く語っていた。隣に座るジョージ・ラッセル(メルセデス)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が、笑顔を浮かべながらその話に耳を傾ける。現役ドライバーたちの和やかな関係性が垣間見える光景だった。


 現役唯一のモナコ人ドライバーであるルクレールは、まだ一度も母国グランプリを制することができずにいる。


Q:ポールポジションを2回獲っていますが、レースでの最高位は4位です。今週末はせめて表彰台を獲得したいのでは?
ルクレール:あまり意味はないね。2位や3位になっても、興奮できない。目指しているのは勝利だけだから。ここ数レースは、レッドブル、マクラーレン、そして僕たちが予選でかなり接近しているのを見てきた。モナコは、予選の重要性が他とは比べ物にならない。もしポールポジションを獲れたら、望んでいた結果を引き寄せられるかもしれないね。


Q:その可能性は、どれくらい?
ルクレール:モナコではいつも想定外のことが起きる。でも少なくとも、僕らがポール獲得の有力候補に入っていることは間違いないと思っているよ。


 ただしフェラーリは前戦エミリア・ロマーニャGPで、回生エネルギーのデプロイの問題により予選は4、5番手に沈んだ。


Q:モナコは、パワーサーキットではありません。しかしイモラでのエネルギー回生の問題を思うと、ここでも懸念事項になるのでは?
ルクレール:いや、特に心配していないよ。確かにイモラではその問題が起きたし、ジェッダも同様だった。でもそれはあくまで使い方の問題でね。短期的な変更ができないような、固定されたものじゃない。イモラではレッドブルとマクラーレンがいい方向に向かっていたけど、モナコはそこまで大きな違いが(パワーユニットで)生じるとは思ってない。

アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)&シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2024年F1第8戦モナコGP FIA会見 アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)&シャルル・ルクレール(フェラーリ)


 対照的に、前戦イモラで苦戦を強いられたフェルスタッペンは、今週末のモナコに対してもあまり楽観視していない。


Q:イモラでは素晴らしい勝利を果たしましたが、必ずしもスムーズな週末ではありませんでした。今週末も、同様の問題が発生するのではないかかという懸念は?
フェルスタッペン:コースレイアウト的には、おそらくベストとはいえないだろう。僕たちのクルマはこのところ、段差や縁石を乗り越えるのに少し苦労しているからね。その弱点克服のために少しずつ取り組んでいて、去年に比べればほとんどのサーキットで、低速区間でのパフォーマンスは少し改善されたと思う。でもモナコは特別だ。たとえ最高のクルマを持っていても、モナコは決して簡単じゃない。すべてをうまく機能させ、タイヤをしっかり機能させるのが、とても難しいコースなんだ。そこに赤旗とかの不確定要素も絡んでくるしね。いつも多くの混乱がある。


Q:ルクレールはポール争いに加わることができると考えています。フェラーリとマクラーレンがあなたに接戦を挑んでくる可能性は?
フェルスタッペン:ここ数年、フェラーリはモナコでとても強かった。そしてマクラーレンは、直近2レースのパフォーマンスが大幅に向上している。さらに去年は、エステバン(・オコン/アルピーヌ)も予選で素晴らしい速さを見せた(注:4番グリッドを獲得)。自信たっぷりで、気分よく走れるドライバーが思いがけない結果を出す。それがモナコなんだ。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2024年F1第8戦モナコGP FIA会見 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 コンスタントにポイントを獲得し続ける角田に対しては、海外メディアも来季の動向に注目している。


Q:ユウキ、あなたとRBとの契約は、今年末で切れます。あなた自身は、残留を望んでいますか。あるいは他の選択肢を検討していますか? 将来に関するニュースは、いつ聞けるのでしょう?
角田:今のチームにはとても満足しています。上位勢を相手に、時には7位や8位争いができていますからね。でももちろん、他の選択肢もあります。ただトップチームはほとんど塞がっています。なので現実的には、中団での最強チームの可能性を探ることになります。一方で僕はレッドブルドライバーだし、レッドブルを目指したい気持ちを当然持っています。でも彼らが僕を望んでいないのなら、そしてRB以上の魅力あるオファーがあったら……考える余地は十分にあります。今の僕があるのは、何よりもレッドブルとホンダのおかげです。なのでレッドブル以外の選択肢は、アストンマーティンということになります。でも少なくとも今の僕は、RBに満足しています。

角田裕毅(RB)
2024年F1第8戦モナコGP FIA会見 角田裕毅(RB)


 かなり率直に、今の心境を語っているように感じた角田のコメントだった。ところが彼自身は、これでもう出番はないと思ってしまったようだ。


 会見は終盤になり、話題はル・マン24時間レースに切り替わった。


Q:エステバン、F1が最優先なのはもちろんでしょうが、アルピーヌのスポーツカーもテストしてみたいですか?
オコン:今は適切な時期ではないと思うけど、いつかル・マンでレースする機会があれば、ぜひ運転してみたいね。


Q:ユウキは? ル・マンについては?
角田:え? ル・マン?


Q:そう、ル・マンです。
角田:すみません、質問を聞いていませんでした。 来年はル・マンに乗るかって?


Q:WECはフォローしていない? ル・マンでレースをしてみたくないですか?
角田:いつかは。……申し訳ない。完全に耳を閉じてました。他のドライバーに質問してください!
(一同笑)
フェルスタッペン:僕ならユウキを(ル・マンの)チームメイトに指名するね。とても軽いから、ぶっ飛んで行ける。僕の重さを補えるじゃないか!


 コース上のパフォーマンスへの評価だけでなく、角田はこんな天然なボケも仲間たちに愛されているようだ。

2024年F1第8戦モナコGP FIA会見
2024年F1第8戦モナコGP FIA会見 エステバン・オコン(アルピーヌ)、角田裕毅(RB)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)



(取材・まとめ 柴田久仁夫)


レース

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ドライバーズランキング

※アブダビGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン437
2位ランド・ノリス374
3位シャルル・ルクレール356
4位オスカー・ピアストリ292
5位カルロス・サインツ290
6位ジョージ・ラッセル245
7位ルイス・ハミルトン223
8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ70
10位ピエール・ガスリー42

チームランキング

※アブダビGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム666
2位スクーデリア・フェラーリ652
3位オラクル・レッドブル・レーシング589
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム94
6位BWTアルピーヌF1チーム65
7位マネーグラム・ハースF1チーム58
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム46
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー4

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