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F1 Topic:スタート失敗に危機感を持つRB。“5年前の経験”をもとに、HRCはエンジン側から解決を支援

2024年5月24日

「自分としてはスタート自体はそんなに悪くはなかったんですけど、周りと比べるとよくない。今シーズンはスタートがよかったり、よくなかったり安定していないので、それは改善していかないといけないですね。同じパワーユニットを搭載しているレッドブルはもっと安定したスタートができているので、もう少しハードワークが必要だと思います。スタートはパワーユニットだけでなく、車体の制御も大きく関係してくるので、独立したチームとして自分たちでしっかりと戦略を立てて、改善していきたい。スタートは何かひとつだけで改善するわけではないので、いろんなことを見直す必要があります」


 F1第7戦エミリア・ロマーニャGPのレース後、角田裕毅(RB)は、7番手から9番手に脱落したスタートについて、そう語った。

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2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP 角田裕毅(RB)


 チームメイトのダニエル・リカルドもこう振り返る。


「スタートのつまずきが、レース全体を台無しにしてしまった。まだ正確に何が起きたのかはわからないけど、正直、僕が何かをやらかしたわけではないんだ。クラッチをうまく繋げなかった場合は、すぐに自分のミスだってわかるけど、今回はそうじゃない。いずれにしても、チームとして解決しなきゃならない。この部分で一貫性が欠けているのが問題で、それがポイント圏外に落ちる原因になっているからね」

ダニエル・リカルド(RB)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP ダニエル・リカルド(RB)


 レース後、ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)は、スタートについてこう語った。


「チーム側も非常に危機感を持っています。なんとかしないといけないという話し合いをいままさに行っていて、チームもホンダもスタートが課題であることを共有しています。ホンダとして、サポートできることがあれば、行っていきたい」


 具体的には何を行うのか?


「チーム側の要求に対して、必要なトルクを供給するということです。こういうスタートをしたいという要求にエンジン側でどう答えていくかという感じです」


 同じホンダRBPTのパワーユニットを搭載するレッドブルは、エミリア・ロマーニャGPで問題はなかった。つまり、スタートの良し悪しはチームによって異なる。

2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP スタート


 折原GMは、レッドブルはすでに2019年からスタートの改善に取り掛かっていたと言う。


「ホンダが初めてレッドブルと組んだ2019年は、いままでとは違って一段高い要求がマックスから来ました。そのひとつがスタートで、初優勝したオーストリアGPで大きく出遅れた後、浅木(泰昭)さん直轄でHRC(当時HRD) Sakuraのなかに5〜6人のローンチプロジェクトができました。スタートとは何かを一回ホンダのなかで整理して、プレローンチからどうすればいいスタートが切れるかを分析しました。プレローンチとは、スタート直前に赤いシグナルが順番に5つ点灯して、それに合わせてドライバーがアクセルペダルを踏み込んでいく瞬間のことです」


 スタートの制御はエンジンのトルクによって行われるのだが、そのトルクを調整するために使用されるのが、エンジン回転数を示すステアリング上のインジケータだ。ドライバーはシグナル点灯とともにインジケータを見ながらアクセルペダルを調整し、スタート時に理想のトルクがでるようにしている。ところが当時のホンダのエンジンはペダルを一定にしても、エンジン回転数が不安定となることがあったため、スタートの直前に理想とする回転数にドライバーが合わせるのが難しかった。


「原因として気温などの環境の変化に敏感だったことが考えられたので、環境が変わってもある程度、安定してエンジン回転数を再現性が維持できるようマップを見直しました。これをロバスト(再現)性を高めると言います。これはローンチだけでなく、ドライバビリティの向上につながり、その後のホンダエンジンのパフォーマンスの向上に大きく貢献しました」


 したがって、現在はスタート時に必要なトルクをドライバーは調整して出せていると考えられる。RBのスタートの問題は、そのトルクの要求がライバルチームに対して、若干甘いことがあるのかもしれない。次戦モナコGPはイモラ以上に抜けないサーキット。スタートの失敗はもう許されないだけに、早期の対策が望まれる。

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ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)



(Masahiro Owari)




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