F速

  • 会員登録
  • ログイン

レッドブル&HRC密着:初日から改善を実感も不安が残った予選。苦戦の末のポール獲得は「本当に格別」とフェルスタッペン

2024年5月19日

 F1第7戦エミリア・ロマーニャGPの初日に7番手と8番手に低迷したレッドブルは、金曜日の夜、走行データを分析し、セットアップを大きく見直した。そのため、土曜日のフリー走行3回目は珍しく2台そろってセッション開始早々から周回を重ねていた。


 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がクラッシュして赤旗が出されたセッション中盤の時点でのレッドブル2台のポジションはマックス・フェルスタッペンが3番手で、セルジオ・ペレスが5番手。このときワン・ツー体制を築いていたフェラーリ勢はソフトタイヤで、レッドブルの2台はミディアムタイヤだったことを考えると、マシンの競争力は金曜日から向上しているように見えた。


 ところが、マシンの仕上がりは期待していたほど高くなかったことが、残りのセッションで判明する。ソフトタイヤを履いて、タイムアタック合戦がスタートしたセッション終盤にペレスがバリアンテ・アルタの出口となるターン15を曲がりきれずにタイヤバリアにクラッシュしてしまった。

セルジオ・ペレス(レッドブル)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPフリー走行3回目 クラッシュしたセルジオ・ペレス(レッドブル)


 マシンが抱えている問題は、ソフトタイヤを履いてプッシュしたときに露呈することが多い。実際、フェルスタッペンもこう語る。


「土曜日になって、かなり改善されたけど、ペースもマシンバランスもまだ完璧というわけではなかった」


 さらにノーズからタイヤバリアに突っ込んだペレスのマシンを修復するため、予選前のレッドブルのガレージは慌ただしい時間を過ごすことになった。


 またペレスのクラッシュによって赤旗が出された関係で、フェルスタッペンはソフトタイヤを履いたアタックをできないままフリー走行3回目を終了したことも、予選に向けて不安要素を残す結果となった。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPフリー走行3回目 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


 しかし、この日のレッドブルとフェルスタッペンには、ポールポジション獲得をあきらめるわけにはいかない理由があった。それは、このエミリア・ロマーニャGPの予選では、フェルスタッペンにふたつの記録に並ぶ可能性があったからだ。


 ひとつは開幕からの連続ポールポジションだ。この記録保持者はアラン・プロストで、1993年に開幕戦から7連続で(第1戦南アフリカGP〜第7戦カナダGP)ポールポジションを獲得した。


 ふたつ目の記録はシーズンをまたいでの連続ポールポジション獲得記録。この記録保持者はアイルトン・セナで、1988年の第14戦スペインGPから1989年第5戦アメリカGPまで、8戦連続でポールポジションを獲得した。


 そのセナが命を落としたイモラでセナの記録に並ぶことは、F1ドライバーに特別なこと。そのため、チームはファクトリーと連携し、セットアップの見直しを懸命に行った。クリスチャン・ホーナー代表はこう語る。

レッドブル&HRC密着
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル/写真右)


「セバスチャン・ブエミ、ジェイク・デニス、そしてミルトン・キーンズのスタッフたちが夜遅くまでシミュレーターに取り組んでくれた。さらにそのデータを元に現場でセットアップ変更を行うレースチーム全員が、今回イモラでマックスがポールポジションを獲得することが、どんな意味を持つのかわかっていた」


 そのチームメンバーたちの努力にフェルスタッペンは走りで応えた。Q1、Q2をトップで通過したフェルスタッペンは、Q3でも集中力を切らさず、1分14秒746をマークして、自身通算39回目のポールポジションを獲得し、プロストとセナの持つ偉大な記録に肩を並べた。


「厳しい週末を過ごしていただけに、今日のポールポジションは本当に格別だ。レースを始めたころに夢中でF1を見ていたときの歴史ある素晴らしいサーキットで8戦連続でポールを獲得できたことは特別なことだし、誇りに思う」


 音速の貴公子と呼ばれ、予選で圧倒的なパフォーマンスを披露したセナも、きっと今日のフェルスタッペンの走りを天国からほくそ笑みながら、見ていたことだろう。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP 通算39回目のポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)



(Masahiro Owari)


レース

10/25(土) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
10/26(日) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
10/27(月) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※メキシコシティGP終了時点
1位ランド・ノリス357
2位オスカー・ピアストリ356
3位マックス・フェルスタッペン321
4位ジョージ・ラッセル258
5位シャルル・ルクレール210
6位ルイス・ハミルトン146
7位アンドレア・キミ・アントネッリ97
8位アレクサンダー・アルボン73
9位ニコ・ヒュルケンベルグ41
10位アイザック・ハジャー39

チームランキング

※メキシコシティGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム713
2位スクーデリア・フェラーリHP356
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム355
4位オラクル・レッドブル・レーシング346
5位ウイリアムズ・レーシング111
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム72
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム69
8位マネーグラム・ハースF1チーム62
9位ステークF1チーム・キック・ザウバー60
10位BWTアルピーヌF1チーム20

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第19戦アメリカGP 10/19
第20戦メキシコシティGP 10/26
第21戦サンパウロGP 11/9
第22戦ラスベガスGP 11/22
第23戦カタールGP 11/30
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年10月号 Vol.4 後半戦展望号