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F1マイアミGP技術解説:マクラーレンの勝利を支えた大型アップグレード(1)新フロントウイング&周囲の最適化

2024年5月14日

 2024年F1第6戦マイアミGPに、マクラーレンが大規模なアップグレードを持ち込んだ(フロントウイング、フロントサスペンション、フロントコーナー、フロアボディ、サイドポッド・インレット、コーク/エンジンカバー、クーリングルーバー、リヤサスペンション、リヤコーナー、ビームウイング)。F1i.comの技術分野担当ニコラス・カルペンティエルがこれを分析、マシン細部の画像も紹介する(全2回)。


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 ランド・ノリスがF1デビュー110戦目にして初勝利を収めた要因の一つが、マクラーレンMCL38に導入された大幅アップデートだった。一方でオーストラリアGPでのカルロス・サインツがマックス・フェルスタッペンのリタイアに助けられたように、ノリスには運命の女神の助けもあった。


 とはいえマクラーレンはすでに前戦中国GPで、スプリント予選でのトップ獲得、そして決勝レースでの表彰台と、確固たる戦闘力を披露していた。彼らはここまでの5戦で124ポイントを獲得し、同じメルセデス製パワーユニットを積むワークスチームを60ポイントも上回っているのだ。


 マイアミGPでのMCL38には、主に空力的な大幅アップデートが施されていた。というのも今季のマクラーレンは去年までと同様、低速区間、特に長く回り込む低速コーナーを苦手としていたからだ。これについては第2戦サウジアラビアで、アンドレア・ステラ代表がこう説明していた。


「ここジェッダの最初の区間、速くて流れるような高速コーナーでは、我々はかなり強力だった。ほんの少しステアリングできっかけを与えるだけで、車は非常に敏感に反応してくれる」


「ところが最終コーナーのような長い低速区間、ステアリングをずっと握り続けなければならないようなコーナーでは、途端に挙動が不安定になり、大幅なタイムロスが出てしまう」


 言い換えれば、マクラーレンのマシンは航空用語でいう「ヨー」のレベルが低いとき、つまり車が垂直軸の周りでほとんど回転しないときには、強大なダウンフォースを生み出せる。しかしゆっくりとした長時間の旋回中に気流が車体の表面を流れると、剥離などの問題が発生してしまうのだ。

マクラーレンMCL38
マクラーレンMCL38比較写真


 マイアミで導入された新たなパッケージが目指したのはこの動作の狭さ、特にフロントの食いつきの悪さの修正だった。今回はノリスのマシンに100%導入され、オスカー・ピアストリ側のアップデートは半分だけだった。


 改良版の目玉は、新しいフロントウイングだ。これまでのモデルは昨年型とほぼ同じだったが、今回は上の比較写真で明らかなように、メインプレートの中央セクションはより角ばっており (黄色の線参照) 、2枚目のプレート (青色の矢印) との隙間も、以前ほど大きくはない。ウイング自体の形状も変更されている(緑の線参照)。


 フロントウイングからの気流を受けるサスペンションアームのフェアリング(赤矢印)とブレーキダクト(3、4枚目の写真青矢印参照)も変更された。


 いわゆる「アンダーカット」として知られる重要なゾーンの空気の通り道をマシン下方に確保するために、アップデートされた開口部はより横長に広くなった (緑色の矢印参照)。この解決法を見る限り、マクラーレンの空力エンジニアたちは去年のレッドブルの空力哲学に、大きな影響を受けてきたといえる。


 ちなみにレッドブルは空気取り入れ口のサイズを数回にわたって縮小してきたが、この部分の変更は公式には冷却効率の向上が主目的であり、そのため風洞の稼働時間制限を受けない。最も開発時間を少なく制限されたレッドブルとしては、ここに開発を集中せざるを得なかったという事情もあるということだ。


 エアインテークは横長になったと同時に、上下方向の幅は狭くなった。この変更に伴って、左右ミラーもより長くなっている。


(第2回に続く)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)


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