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F1第6戦木曜会見:注目集まるニューウェイの去就。フェラーリ加入を望むハミルトンと、チームに不安はないと主張するペレス
2024年5月3日
2024年F1第6戦マイアミGPの開催直前、エイドリアン・ニューウェイがレッドブルに辞表を提出したという大ニュースが報じられた。では来季以降、ニューウェイはどうするのか。定例会見に出席したドライバーたちにとっても興味津々のトピックだったのは言うまでもない。
特に来年フェラーリに移籍するルイス・ハミルトン(メルセデス)には、質問が集中した。
Q:ルイス、ニューウェイは来年の今頃、レッドブルから完全に解放されます。2025年に彼がフェラーリに加わることを、どのくらい望んでいますか?
ハミルトン:ものすごく、だね。
Q:もしフェラーリに来たら、何をもたらすと思いますか?
ハミルトン:エイドリアンには、素晴らしい歴史と実績がある。そして今も、信じられないほどすごい仕事を続けている。なのでフェラーリにとって最高の補強になることは間違いない。エイドリアンと一緒に仕事ができたら、光栄と言うしかないだろうね。
Q:ジョン・エルカーンCEOとのフェラーリ入りの交渉について教えてください。エルカーンからは、「欲しいもの、欲しい人リストはあるだろうか?」といった類の質問はあったのでしょうか。そのリストに、ニューウェイは入っていましたか? 来季以降、ニューウェイと一緒に働ける可能性はどれぐらいでしょう?
ハミルトン:すべてプライベートな会話だから、言うまでもなく詳細を語ることはできない。ただ一緒に仕事をしたい人のリストを作るとしたら、間違いなくエイドリアンはいちばん上に来るね。
Q:可能性はありますか?
ハミルトン:全然わからないよ。
Q:あなたのキャリアを通じて、ニューウェイはずっとライバルチームのエンジニアでした。 彼がどれほどタフな相手だったかを話してもらえますか。そしてもう一点、ニューウェイがレッドブルを離れることで現在の状況、チーム間の力関係は変わると思いますか?
ハミルトン:僕がマクラーレンからF1デビューした時のマシンは、実はエイドリアンの設計したマシンの進化形だったんだ。彼がレッドブルへと去った直後のタイミングで、僕はF1に上がったからね。彼が取り組んだものに触れる機会があったことは、とても光栄に感じたよ。その後の僕は、レッドブルと頻繁に戦うことになる。それは本当に大きな挑戦だった。ただ強調したいのは、F1チームというのはひとりでは成り立たないということだ。多くの人がそれぞれの仕事をこなし、重要な人物もひとりではない。F1チームは、まさにチームワークで成立するんだ。一方でエイドリアンはチームに素晴らしい経験をもたらした。なので彼がたとえ去ったとしても、一緒に働いてきた人たちがそれを引き継いで成果を出し続けることは十分に可能だと思うね。
とはいえ今のレッドブルは、内部にいろいろ問題を抱えている。ニューウェイの離脱も、それが原因だという説もある。レッドブルにとってニューウェイがいなくなることは、大きなダメージにならないのだろうか。ニューウェイとは「非常に親しい関係」だというセルジオ・ペレス(レッドブル)に、いくつかの質問が飛んだ。
Q:ニューウェイがチームに満足していないことをいつ知りましたか? また彼がチームを離れることをいつ知りましたか?
ペレス:詳細は言えないが、(離脱についての)話し合いが行われていたことは知っているよ。一連の話が公になるずっと前からね。そしてクリスチャン(・ホーナー/チーム代表)とチーム全体は、その日が来る前にいろいろな準備をしてきたと思う。つまり、ひとりの貴重な人材を失うことは確かだけど、同時にレッドブルは巨大な組織だということだ。
Q:しかしニューウェイの離脱をきっかけに、空力部門、あるいは他部門の技術者、そしてマックス・フェルスタッペンもチームを離れるという噂が流れています。不安はないですか。
ペレス:そうはならないと思っている。チーム全員が対応に取り組んでいるからね。もちろん何人かのスタッフに動きがあるのは普通のことだ。でも組織は依然として強力だし、これ以上の変化はないはずだよ。
Q:もしニューウェイがトップチームに加わったら、即座にどれだけの影響を与えると思いますか?
ペレス:エイドリアンは明らかに、レッドブルの哲学に多大な貢献をしてきた。 だからどこに行っても何をしても、すぐに影響を与えると思うよ。 とても賢い男だし、とても働き者だ。 そして単なるデザイナー以上の存在なんだ。 戦略やマシンセットアップにも影響を与えることができる。 だからレース週末に彼がそばにいるのは、とても心強いことだよ。もちろんその前提として、強力なスタッフが周りを固める必要があるけどね。
ニューウェイの移籍先候補には、アストンマーティンも挙がっている。しかしランス・ストロールのコメントは、実にそっけないものだった。
Q:ランス、父親のローレンス・ストロールがチームの今後についてどんな考えなのか、知っていると思います。 はたしてニューウェイは、彼の物語の一部なのでしょうか?
ストロール:時が経てばわかることだよ。
ニューウェイの話題に隠れた形だが、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)のキック・ザウバーへの移籍も実は大きなニュースだった。結果的に周冠宇、バルテリ・ボッタスのどちらかが、弾かれることになる。
Q:バルテリ、ヒュルケンベルグが2025年のザウバーのドライバーのひとりとして確定しました。そのニュースを聞いたとき、どう思いましたか?
ボッタス:タイミングとしてはかなり早いので、少し驚いた。でもドライバー市場は明らかに動き始めているわけで、だからある意味理にかなった発表だったと思う。ニコはドイツ人で、アウディはドイツ人ドライバーが欲しいとはっきりと表明しているしね。でも大丈夫だ。 次に何が起こるか見てみようじゃないか。
Q:次に何が起こるのでしょう?
ボッタス:わからない。僕自身、いろいろな交渉を進めているしね。
ザウバーはマイアミGPの直前に突然、ボッタスのレースエンジニアを交代させた。事前にボッタスに相談なしの人事で、彼は明らかに不満そうだった。ボッタスを取り巻くチーム内の状況は、あまり良好とは言えないようだ。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 131 |
2位 | ランド・ノリス | 115 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 99 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 93 |
5位 | シャルル・ルクレール | 53 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 48 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 41 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 30 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 14 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 246 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 141 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 105 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 94 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 37 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 14 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 8 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 7 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

