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平川亮が驚いたF1マシンの速さとブレーキ。マクラーレンでのテストにはWECやSFの経験が活きる部分も
2024年4月27日
2024年シーズンはWEC世界耐久選手権への参戦と並行し、マクラーレンF1チームのリザーブドライバーを務める平川亮。WECとスケジュールが重ならないグランプリウイークは基本的にF1の現場に帯同しており、先日鈴鹿サーキットで行われたF1第4戦日本GPのパドックにも姿をみせていた。
リザーブドライバーである平川の主な役割は、レギュラードライバーであるランド・ノリス、オスカー・ピアストリに万が一のことがあった場合に代役を務めることであり、2023年10月にはスペイン・バルセロナで2021年型のMCL35Mをテスト。さらに2024年に入って2月にフランスのポール・リカール、3月にはイタリアのイモラで2022年型のMCL36の実車テストに臨んでいるほか、ファクトリーではシミュレーターにも何度か搭乗し、準備を進めている。
平川はWECをはじめ、スーパーGT GT500クラスや全日本スーパーフォーミュラ選手権といったさまざまなカテゴリーでのレース経験があるが、やはりF1ドライブとなると話は別。覚えなければいけないことや慣れる必要があることもたくさんあるという。そんな彼に、F1マシンをドライブする難しさを聞いた。
■レースドライバーを想定してテストを重ねる
「やはり速いですね」と、F1マシンをドライブした感想を開口一番に語った平川。
「何回乗っても、1周目とかピットから出てすぐのところは『速いな』と感じます。前回イモラで乗りましたけど、コース幅が狭くてグラベルも多いので、余計に『飛び出したら終わり』というオールドコースのような感じなので、余計に速く感じました」
その辺については、合計で3回テストをやってきたことで慣れてきている様子。「慣れてしまうと、そこまで問題ではなくて、実際にいいタイムを出せていますし、そこはチームからも良い評価をもらっています」と、実車テストの結果も上々のようだ。
そのなかで平川は「レースドライバーには『いかに早く適用できるか』とか『いろいろなコースに行って練習走行が限られ、少ない周回数でいかにやれるか』というのが大事なのですけど、その辺りはもうちょっと詰められるかなという気がしています」と、マクラーレンF1のリザーブドライバーとして、しっかりと課題に向き合っている姿勢も垣間見えた。
とはいえ、初めてのF1マシンドライブでは他のカテゴリーでは経験できない部分もあり、そこに対しては慣れが必要。難しさを感じる部分もあると平川は語る。
「もちろんパワーが凄いので、簡単に全開にできないという感じです。そこは走っていくなかで慣れるという感じ。すごく丁寧にスロットル操作をしないと、すぐホイールスピンしてしまうし、タイヤもすぐオーバーヒートして傷んでしまうので、そこはかなりシビアかなとは思います」
なかでも一番難しかった点について平川は「一番は……ブレーキですかね」と答えた。
「すごく止まるというか『止まっちゃう!』という感じ。そこを合わせるのがチャレンジングでした。今はだいぶ慣れましたけど、最初は正直ビビりました」
「たとえば鈴鹿とかだと、セクター1とかは走ると慣れるんですけど、シケインみたいに“キュッ”と止まるところから低速コーナーでダウンフォースもないのでグリップが急になくなってしまいます。そこに合わせていくのがすごく難しいです」
■WECやSFの経験が活きた部分も
F1といえば、ステアリングについている膨大な数のスイッチ類を操作しながらドライブするというのが最近の流れ。2019年日本GPにおいて金曜フリー走行1回目(FP1)に出走した山本尚貴(トロロッソ・ホンダ)も、マシンをドライブするために数十ページのマニュアルを読み込んだというが、平川にとってはWECで同じような経験をしていることもあり、スイッチ操作で混乱することはなかったようだ。
「WECと比べると、ちょっとシンプルな感じはしていて、(スイッチやダイヤルを)変える頻度とかもあまり変わらない感じですが、もしかするとWECの方が変える頻度が多いかもしれないです」と平川。
「ただ、(F1の方が)スピードが速いので、前回イモラで乗りましたけど(操作をしていると)ストレートが短く感じます。変えるときも『おっとっと』という感じでしたけど、そこがトリッキーなくらいで、そんなに難しくないです。そこは(WECでのスイッチ操作で)慣れている部分もあるのが大きいと思います」
2023年はシーズン途中にリアム・ローソンがダニエル・リカルドの代役としてアルファタウリよりF1に参戦したほか、先日の日本GPでは岩佐歩夢がRBでFP1に初出走するなど、昨今スーパーフォーミュラで活躍したドライバーがF1をドライブするケースが増えている。
最近では“F1に次ぐ速さを持つマシン”として注目を集めているスーパーフォーミュラ。その辺は両カテゴリーのマシンをドライブした平川はどう感じているのだろうか。
「(スーパーフォーミュラと)似ているとすれば、真冬の鈴鹿テストの時の感じですね。寒い状況のなかで、すごくグリップしてダウンフォースもある……(F1の場合は)ダウンフォースがさらに多いですけども、それに近い部分はあります」と、スーパーフォーミュラの経験は少なからず活きているようだ。
「そこは『ダウンフォースが多い』というのを脳が覚えているので対応できますが、(F1は)それ以上のダウンフォースがあるので、より行かないといけないところはありますが、今のWECのマシンとかはそこまで(の速さ)はないですし、SFをずっとやってきて体が覚えてる部分があると思います」と平川。
2024年は日本のカテゴリーには参戦しないシーズンとなっているものの、スーパーフォーミュラやスーパーGTの動向はチェックしている様子。3月のスーパーフォーミュラ開幕戦も、一部ではあるがレース映像をチェックしていたそうだ。
「(ヨーロッパの時間では)けっこう早い時間だったので『見られないな』と思っていたんですけど、確かスタートが遅れた(JSB1000の赤旗中断により20分ディレイでスタートした)こともあって、後半あたりは少し見ることができました」と平川。
「客観的な意見で言うと……『インパルが苦戦しているな』と思いながら見ていましたけど(苦笑)。やはり20号車(今季はテオ・プルシェールが搭乗)を見ると、いまだに『あれは自分のクルマじゃないか?』という思うことはありますね」
また、今季のスーパーGTでは自身が参戦していたときと同じ“KeePerカラーのマシン”が復活したことに注目していた。
「今年スーパーGTで38号車がKeePerのカラーリングになったのも正直言うと違和感で……一瞬『あれは(自身が乗っていたころの)37号車じゃないのか?』と思ったりしちゃいます。石浦(宏明)さんがKeePerのレーシングスーツを着ているし、大湯(都史樹)や(福住)仁嶺がトヨタにきて……そこがまだ頭のなかで整理できていないですね」と外から見た国内レースの感想なども話してくれた。
(Tomohiro Yoshita)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 131 |
2位 | ランド・ノリス | 115 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 99 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 93 |
5位 | シャルル・ルクレール | 53 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 48 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 41 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 30 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 14 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 246 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 141 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 105 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 94 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 37 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 14 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 8 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 7 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

