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【F1第5戦無線レビュー】苦戦予想を覆し、2位表彰台を獲得したノリス「結局は最高のレースをしたってことだ」

2024年4月26日

 2024年F1第5戦中国GP。5年ぶりの開催となった中国GPでは、前戦日本GPで結果を残した角田裕毅が苦戦し、レースでは接触によるリタイアを強いられた。また角田だけでなく、ダニエル・リカルドも接触によるダメージを受けてレースを断念しなければならず、RBはダブルリタイアに終わった。中国GPを無線とともに振り返る。


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 F1第5戦中国GP決勝レースは、スタート前の予報では降水確率10%。しかしグリッドに向かうレコノサンスラップの時点で、すでに雨粒が落ち始めていた。


マックス・フェルスタッペン:少しポツポツ来てるよ


 予選Q1落ちを喫し、18番グリッドからのスタートとなったルイス・ハミルトン(メルセデス)は、ソフトタイヤでスタートダッシュを狙う。ところが先行車を抜くどころか後方の角田裕毅(RB)に抜かれて19番手に後退してしまう。


2周目
ハミルトン:このタイヤ、全然前に進まないよ


 一方の角田は、一気に16番手まで順位を上げ、マシンのフィーリングも悪くないようだった。


7周目
角田:ダーティエアだとアンダーステアが出るけど、クリアエアなら大丈夫だ

角田裕毅(RB)
2024年F1第5戦中国GP 角田裕毅(RB)


 文句たらたらのハミルトンは11周目にミディアムに交換。しかしこれにも満足できない。


11周目
ハミルトン:最悪のタイヤだよ


17周目
ハミルトン:彼(エステバン・オコン)を捕まえられない。このクルマ、遅すぎるよ

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2024年F1第5戦中国GP ルイス・ハミルトン(メルセデス)


 6番グリッドから4番手まで順位を上げたシャルル・ルクレール(フェラーリ)に、担当エンジニアのシャビエル・マルコス・パドロスがタイヤをできるだけ持たせる1ストップ作戦を提案した。


17周目
パドロス:プランDはどうだ?
ルクレール:このペースでいいんだったら、OKだよ

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2024年F1第5戦中国GP シャルル・ルクレール(フェラーリ)


 この時点で3番手を走るランド・ノリス(マクラーレン)としては、なんとしても表彰台を死守したい。担当エンジニアのウィル・ジョゼフが、このレースで倒すべき相手であるフェラーリの情報を伝える。


18周目
ジョゼフ(→ノリス):ルクレールとサインツは長く走ろうとしている。ルクレールは1ストップかも


 21周目。バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)がエンジントラブルでストップ。黄旗からバーチャルセーフティカー(VSC)、最終的にセーフティカー(SC)導入となった。


21周目
ボッタス:エンジンがいってしまった
アレックス・チャン:了解した


 このタイミングで多くのドライバーはピットに向かい、ハードタイヤに履き替える。ただしハードを使い果たしたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)だけは、ソフトに交換した。


 ハミルトンの愚痴は、いっこうに止まらない。


24周目
ハミルトン:そこら中で滑りまくってる。どこかが壊れてるみたいだ。


26周目
ジョゼフ(→ノリス):全員が最後まで走りきるつもりだ。ソフトのアロンソ以外はね


 レース再開直後、アロンソがブレーキロックさせたのをきっかけに後続が詰まり、ランス・ストロール(アストンマーティン)がダニエル・リカル(RB)に追突してしまう。


27周目
ストロール:馬鹿な奴がブレーキテストしやがった。ウイングのダメージをチェックしてくれ

ランス・ストロール(アストンマーティン)にヒットされたダニエル・リカルド(RB)
2024年F1第5戦中国GP ランス・ストロール(アストンマーティン)にヒットされたダニエル・リカルド(RB)


 その後方ではケビン・マグヌッセン(ハース)にぶつけられた角田が、右リヤホイールに深刻なダメージを負いリタイアとなった。


角田:ああ。XXX! アウトだ


 とはいえ放送禁止用語こそ発しているが、口調は実に穏やか。今季の角田は中国でも、しっかり自分を抑えていた。


マグヌッセン:ダメージはあるかい
マーク・スレード:大丈夫だ


 そんな混乱をよそに、首位を独走するフェルスタッペンだけは余裕のクルージング。黄旗表示をネタに、担当エンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼと盛り上がっていた。


31周目
フェルスタッペン:コース上に何も誰も見えないんだけど
ランビアーゼ:ターン14と16の間でダブルイエローが振られている。デブリが落ちてる恐れがある
フェルスタッペン:タイヤかすとデブリが、一緒くたになってるだけじゃないの(笑)


 ストロールに追突されたリカルドはマシンのダメージがひどく、入賞圏内の9番手を走行しながら、リタイアせざるを得なかった。


33周目
リカルド:コーナー出口で全然グリップがないよ
ピエール・アムラン:ボックス。リタイアだ


アムラン:何も言う言葉がないよ。SCまでは、本当に力強いレースができていたのに

ダニエル・リカルド(RB)がリタイア
2024年F1第5戦中国GP ダニエル・リカルド(RB)がリタイア


 一時は表彰台圏内の3番手を走行していたルクレールだったが、セルジオ・ペレス(レッドブル)にかわされ4番手に後退してしまう。


40周目
ルクレール:(1ストップの)プランDで行けるのか? タイヤ、全然よくないんだけど
パドロス:他もみんな、プランDのはずだ


 対照的に絶好調だったのがアロンソだった。


43周目
アロンソ:プランBで行くんだよね?

フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
2024年F1第5戦中国GP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)


 そう言った後のアロンソは新品のミディアムタイヤに履き替えると最速タイムを叩き出し、さらに前のクルマを次々に抜いて、12番手から7位まで順位を上げてチェッカーを受けた。


チェッカー後
ランビアーゼ:よくやった、マックス。言うことない仕事ぶりだった
フェルスタッペン:最高だね。ノリノリだったよ! クルマも申し分なかったし、ピット作業も完璧だった。この週末を通じてね


ジョゼフ:P2だ。努力が報われたね
ノリス:だから言っただろう。フェラーリに抜かれるだろうって
ジョゼフ:ハハハ
ノリス:結局は最高のレースをしたってことだね。よくわからないけど、素晴らしい結果だ。みんな本当にありがとう。


 上海インターナショナル・サーキットのコース特性はマクラーレンに不利で、好結果は望めないとずっと言い続けていたノリス。「よくわからないけど、素晴らしい結果」という言葉に、思わぬ2位表彰台を射止めたノリスの実感がよく出ていた。


ジョゼフ:いや、ほんと。きみと賭けていたら、僕が大勝ちしてたのにね
ノリス:そうそう、これを言わなきゃ。ママ、誕生日おめでとう。昨日だったけど。この2位は、ママに捧げるよ!


 そんなおしゃべりに夢中になりすぎたのか、ノリスはグリッドにマシンを止めるのを忘れてしまった。


ノリス:あれ、ピットレーンに入っちゃいけないんだっけ? なんかみんな、グリッドに行ってるんだけど。早く言ってよ〜
ジョゼフ:悪かった。FIAのガレージ前に止めて、歩いてグリッドに行ってくれ。


周冠宇:最高のイベントだった。ここで走るのが、子供の時からの夢だった。中国のすべてのファンに感謝だよ。


 14位完走の周だったが、特別にグリッド上にマシンを止めることが許された。コクピットから降りた周は、感極まって両手で顔を覆っていた。

周冠宇(キック・ザウバー)
2024年F1第5戦中国GP レース後、コース上で感極まった様子を見せた周冠宇(キック・ザウバー)



(取材・まとめ 柴田久仁夫)


レース

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フリー走行2回目 結果 / レポート
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予選 結果 / レポート
11/24(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※ラスベガスGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン403
2位ランド・ノリス340
3位シャルル・ルクレール319
4位オスカー・ピアストリ268
5位カルロス・サインツ259
6位ジョージ・ラッセル217
7位ルイス・ハミルトン208
8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ63
10位ニコ・ヒュルケンベルグ35

チームランキング

※ラスベガスGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム608
2位スクーデリア・フェラーリ584
3位オラクル・レッドブル・レーシング555
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム425
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム86
6位マネーグラム・ハースF1チーム50
7位BWTアルピーヌF1チーム49
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム46
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

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第21戦サンパウロGP 11/3
第22戦ラスベガスGP 11/23
第23戦カタールGP 12/1
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