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【F1技術解説】なぜメルセデスはこれほど遅かったのか(1)“修正すべき欠陥”により5番目のチームに

2024年3月14日

 2024年F1第2戦サウジアラビアGPでメルセデスが苦戦した理由を、F1i.comの技術分野担当ニコラス・カルペンティエルが探り、マシン細部の画像も紹介する(全2回)。


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 サウジアラビアでのジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトンは、6位と9位が精一杯、5位と7位だった開幕戦バーレーン以上に苦しんだ。このパフォーマンスの悪さは、どう説明すればいいのだろう?

レッドブルRB20
レッドブルRB20比較

■サウジ決勝が単調な展開になった理由

 まずは、サウジアラビアGPのレース全体を振り返る。レースは単調な展開に終始したが、そこにはふたつの理由がある。まず、新型リヤウイングとビームウイングを投入したレッドブルRB20が、開幕戦以上の強さを発揮したこと。さらに、元々タイヤの劣化が少なく、1ストップ戦略が主流のジェッダサーキットで、早期にセ−フティカーが導入され、大部分のドライバーがタイヤ交換義務を果たしてしまい、その結果、違う戦略を取る選択肢がほとんどなくなったことだ。


 こうしてレースは長いトレインが続く展開となり、1-2を独占したレッドブにとっては公園を散歩するような楽なレースになった。チームはクリスチャン・ホーナーとヘルムート・マルコの権力闘争により混乱の時期を迎えているが、コース上では何の懸念もなく、マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスは、3位でレースを終えたシャルル・ルクレールのフェラーリを一度も脅威と感じることはなかった。


 レッドブルRB20は決勝レースでのタイヤの持ちの良さが、ライバルに対する大きなアドバンテージのひとつだ。しかしジェッダの路面舗装は滑らかで、タイヤの摩耗が少ない。開幕戦バーレーンでのフェルスタッペンがルクレールに39秒差をつけたのに対し、サウジでは、「わずか」19秒の優位にとどまったのは、おそらくそれが理由だった。

フェラーリSF-24
フェラーリSF-24 リヤウイング比較

■マクラーレン、アストンマーティンにも負けたメルセデス

 超高速市街地コースのジェッダだが、フェラーリSF-24はバーレーンに続いて「ミディアムダウンフォース」のリヤウイングを装着した。それに対し他のチームはすべて、ローダウンフォースのリヤウイングだった。このウイングが発生するドラッグは明らかに不利な要素のはずだったが、フェラーリはレッドブルに次ぐ二番目にパフォーマンスの良い車だった。4位に入ったマクラーレンのオスカー・ピアストリより、はるかに速かったのだ。


 一方でマクラーレンは、5位フェルナンド・アロンソのアストンマーティンより速く、そして6位のジョージ・ラッセルのメルセデスは、そのアストンマーティンにさえ全く太刀打ちできなかった。


 W15がバーレーン以上にジェッダで苦しんだ要因はなんだったのか。


「特に高速区間でのコーナリング性能が悪く、コーナーでクルマが跳ねまくっていた」と、メルセデスのトラックエンジニアリングディレクター、アンドリュー・ショブリンは分析する。


「予選一発の速さに苦しみ(注:ラッセル7番手、ハミルトン8番手)、レースでもアストンマーティンやマクラーレンと互角に戦えなかったのは、それが理由だった。(高速S字コーナーの連続する)最初のセクターで、予選でもレースでも大幅にタイムロスしてしまった」


「まだまだ修正が必要な欠陥があり、レース週末だけで適切なセッティングを見つけることはできなかった。次戦メルボルンはこことコース特性が似ているだけに、今からかなり努力しないと、同じような週末になる恐れがある」

メルセデスW15
2024年F1第2戦サウジアラビアGP メルセデスW15とライバルたち


(第2回に続く)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)


レース

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フリー走行2回目 結果 / レポート
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予選 結果 / レポート
11/24(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※ラスベガスGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン403
2位ランド・ノリス340
3位シャルル・ルクレール319
4位オスカー・ピアストリ268
5位カルロス・サインツ259
6位ジョージ・ラッセル217
7位ルイス・ハミルトン208
8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ63
10位ニコ・ヒュルケンベルグ35

チームランキング

※ラスベガスGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム608
2位スクーデリア・フェラーリ584
3位オラクル・レッドブル・レーシング555
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム425
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム86
6位マネーグラム・ハースF1チーム50
7位BWTアルピーヌF1チーム49
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム46
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

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