F速

  • 会員登録
  • ログイン

【F1第2戦予選の要点】難コースで見せた初参戦ベアマンの進化。フェラーリに新たな歴史を刻む史上最年少ペア誕生

2024年3月9日

 F1第2戦サウジアラビアのジェッダ市街地コースで行われた初日フリー走行を終えた時点で、カルロス・サインツが虫垂炎のためレースを欠場。フェラーリは同じ週末のFIA F2に参戦していたリザーブドライバー、オリバー・ベアマンの抜擢を決めた。本人がF1デビューを告げられたのは、翌土曜日の朝。F2のレース1、フィーチャーレースをポールポジションから出場する直前だった。


 イギリス出身のベアマンは、現在18歳。イタリアF4、FIA F3などを経て、昨年からFIA F2に参戦。去年終盤のメキシコ、アブダビGPでは、ハースからFP1に出走。アブダビテストにもハースから参加し、年明けには2022年型フェラーリF1-75を走らせるなど、F1マシンの経験は少なくない。


 とはいえフェラーリの新車SF-24の運転は、もちろん初めてだ。それでも予選直前のFP3では慎重に周回を重ねながらも、総合10番手につけた。2番手タイムだったチームメイトのシャルル・ルクレールからコンマ7秒落ちのタイムは、まずまずと言えた。ただし、コース序盤のセクター1だけでコンマ5秒遅い。F2マシンとは異次元に速い高速S字での切り返しに、手こずっているのは明らかだった。


 夜になって路面温度が7℃近く下がった予選。Q1最初のアタックは1分30秒136。ルクレールには1秒1の大差をつけられた。セクター1のコンマ5秒のギャップもそのままだ。しかし、2回目のアタックでは自己ベストを1秒以上更新する1分28秒984を叩き出し、総合9番手でQ2に進んだ。


 Q2では最初のアタックをニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)の赤旗で中断される事態にも遭遇した。2セット目のタイヤでのアタックも、鬼門のセクター1でタイムロス。2回目のプッシュラップで1分28秒642をマークしたものの、10番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)に100分の36秒及ばずQ2落ちを喫した。


 一方で、総合2番手につけたルクレールとの差はコンマ6秒まで縮まった。セクター1だけでも0.215秒差まで短縮。少しのミスが大事故に直結する超高速市街地サーキットという厳しい条件下で、ベアマンはこれだけの進化を見せたことになる。


 すでに去年のメキシコGPでのはハースでの初F1走行の際、小松礼雄現チーム代表は、「非の打ちどころがない」と、ベアマンをベタ褒めしていた。「大きなミスはないし、とにかく落ち着いている」。「うまくいかないラップがあっても、原因を自分自身で把握し、次のラップで適応する能力を持っている」


 自分にも他人にも厳しく、忖度おかまいなしの小松エンジニアがここまでドライバーを高く評価するのは非常に珍しいが、その評価通りの行動を今回の予選でも発揮したということだろう。


 26歳のルクレール、18歳のベアマンのラインアップは、フェラーリ史上最年少のペアだ。さらに、フェラーリアカデミー出身ドライバーコンビとしても、初めてのレースでもある。第2戦サウジアラビアGPはフェラーリに新たな歴史を刻む日となりそうだ。

サインツの代役でF1初参戦となったオリバー・ベアマン(フェラーリ)
FIA F2ではポールポジションを獲得しながら、不参加となりF1に初参戦したベアマン(フェラーリ)



(Kunio Shibata)


レース

9/19(金) フリー走行1回目 17:30〜18:30
フリー走行2回目 21:00〜22:00
9/20(土) フリー走行3回目 17:30〜18:30
予選 21:00〜
9/21(日) 決勝 20:00〜


ドライバーズランキング

※イタリアGP終了時点
1位オスカー・ピアストリ324
2位ランド・ノリス293
3位マックス・フェルスタッペン230
4位ジョージ・ラッセル194
5位シャルル・ルクレール163
6位ルイス・ハミルトン117
7位アレクサンダー・アルボン70
8位アンドレア・キミ・アントネッリ66
9位アイザック・ハジャー38
10位ニコ・ヒュルケンベルグ37

チームランキング

※イタリアGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム617
2位スクーデリア・フェラーリHP280
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム260
4位オラクル・レッドブル・レーシング239
5位ウイリアムズ・レーシング86
6位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム62
7位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム61
8位ステークF1チーム・キック・ザウバー55
9位マネーグラム・ハースF1チーム44
10位BWTアルピーヌF1チーム20

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第17戦アゼルバイジャンGP 9/21
第18戦シンガポールGP 10/5
第19戦アメリカGP 10/19
第20戦メキシコシティGP 10/26
第21戦サンパウロGP 11/9
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年10月号 Vol.4 後半戦展望号