F1界の総帥、バーニー・エクレストンは再びイギリスGPの開催に言及し、サーキットが新たにピットとバドックなどの施設改良を行わない限り、イギリスでのGP開催は今年が最後になるだろうと語った。
テレグラフ紙の報道によれば、今週アメリカ企業インターパブリック社からイギリスGPの興行権を獲得したエクレストンだが、イギリスGPを特別視せず、このままではシルバーストンはカレンダーから外さざるをえないと伝えている。
「前向きな新しいプロモーターは歓迎だ。もちろんイギリスGPがシルバーストンで開催されるのであれば喜ばしい事だと思っている」とエクレストンは語っている。
「今のところシルバーストンはこの国で唯一開催の可能性があるサーキットではあるが、現状ではラインナップから外さざるを得ない。我々はバーレーンでのレースを見たわけだが、そこと同様の施設であるべきだ。スタンダードはこういった新しい会場ができるにしたがって上昇していくのだから、シルバーストンは一線から落ちていかざるを得ない。BRDC(英国レーシングドライバーズクラブ)は地主でありいまだインターパブリック社から賃貸料を受け取る立場だ。それを利用してサーキット改修に必要な金を上乗せすればいいと思う。私もかなりの私費を投じているが、新しい車のテーマパークとなることを期待してのものだ。彼らは非常に素晴らしいが我々は新しいピットとバドックの複合施設を必要としている。もしBRDCが改修工事を行わないのであれば、2005年にイギリスでグランプリは行われないだろう。決してそうならないとは言わないが、自分がイギリスGPのプロモーターであるという認識は無い」エクレストンはタイムズ誌にそう語っている。
「誰でも私のところに来て興行権を得る契約に関して交渉することができるのだ。多くのアイデアを持った積極的なプロモーターであれば金を稼げると思う。他の人間はどうか知らないが、私はイギリスだからというだけでイギリスGPを特別扱いをするつもりはない。インターパブリック社はこのビジネスから早く抜け出たいと思っている。彼らは興行権を得るために支払った額があまりにも大きかったし、また我々が他のヨーロッパ諸国で負担している以上の額を支払い続けていたのだ。私はイギリスGPに何かをする計画は持ち合わせていない。このことは私の仕事ではないし、政府の仕事でもない。もちろんBRDCに対して財政支援をするつもりも無い。私は、地主であるBRDCへ話を持ち込む人間であれば誰とでも興行権の契約に署名する用意はある。BRDCがプロモーターになることを考えてもいいと思うんだがね」
BRDCの会長、サー・ジャッキー・スチュワートは、自分達が再びイベントを催す若干の可能性を考慮に入れてはいる。
「我々はインターパブリック社の撤退に伴う問題に直面しているが、我々は現実的な解決方法を見出せていない」とスチュワートはコメントしている。「世界中のサーキットが政府など外部からの支援を得ていることをバーニーはわかっているんだ。そしてシルバーストンも決して違いがある訳ではないとね」