現在好調のＢ･Ａ･Ｒホンダのドライバー、ジェンソンバトンは２戦連続表彰台獲得というすばらしい走りを披露し、チームメイトである佐藤琢磨もとても完成度の高い走りで、表彰台まであと一歩の所まで来ている。そこで今回注目したいのは3人目のＢ･Ａ･Ｒドライバー、テストドライバーのアンソニー・デビットソンだ。彼はすばらしい開発能力と速さをもち、最近のテストではリザルトのＴＯＰ３に名前がある事もそう珍しくなくなってきた。

　実は琢磨とデビットソンにはイギリスＦ３時代に、カーリンモータースポーツでチームメイトだったという経緯がある。
　琢磨は日本でＳＲＳ―Ｆ(鈴鹿レーシングスクールフォーミュラー)を主席で卒業後、武者修行のため単身イギリスに渡り、その後２０００年にイギリスＦ３にステップアップ。初年度はランキング３位だったが、翌２００１年には年間勝利数でアイルトン・セナに並ぶ記録を打ちたて日本人として初めてイギリスＦ３チャンピオンを獲得。その他各国のＦ３ドライバーが一堂に会し競い合う国際Ｆ３のマルボーロマスターズとマカオＦ３での優勝も成し遂げ、名実共に２００１年のナンバー・ワン・Ｆ３ドライバーとなった。

　一方デビットソンは２０００年フォーミュラフォードに参戦。シリーズ３位に輝き、マクラーレン・オートスポーツ・ヤングドライバーズアワードを獲得。２００１年にイギリスＦ３に参戦、琢磨のチームメイトとして最後までチャンピオン争いをし、結果ランキング２位に終わる。２００２年はＢＡＲの若手育成プログラムに参加し、第１４戦ハンガリーＧＰで成績不振のユーンに代わってミナルディからデビューを飾った。
デビットソンはレギュラーの２人よりもＢＡＲに在籍している年数が長く、チームとの呼吸も合っている。その彼の影の活躍が連日トップタイムをマーク出来る車を仕上げてる言ってもいいだろう。
　テスト以外にも、各レースウィークの金曜日に行なわれるフリー走行はデビットソンの出番であり、レースにおいて必要不可欠な情報を集めるという非常に重要な役目を担っている。

　バーレーンＧＰ終了時点でコンストラクターズ３位タイという素晴らしいシーズンの滑り出しを見せているＢ･Ａ･Ｒホンダ。過去琢磨とライバル関係にあったデビッドソンの影の活躍が少なからず貢献していることは確かだ。正ドライバーの影に隠れがちなテストドライバーという仕事だが、今週末のサンマリノＧＰでは金曜フリー走行で走るデビットソンに是非注目してみよう。

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