トヨタのオリビエ・パニスは先週末のバーレーンGPをマーク・ウエーバーから2秒遅れの9位でフィニッシュし、惜しくも今季初ポイントの獲得を逃した。そのパニスがバーレーンでのレースについて、そして4月25日に開催される第4戦サンマリノGPに向けての展望を語った。
Q:バーレーン・インターナショナル・サーキットを走ってみて、どんな感想を持ちましたか?
オリビエ・パニス(以下OP):バーレーン・インターナショナル・サーキットはとてもテクニカルだが、典型的な新世代のF1サーキットだ。ハードブレーキング、ヘアピン、そして全開加速の繰り返しという意味でね。もう少しスリリングで、オーバーテイクのチャンスが豊富にあれば、僕としては文句なしだよ。おそらく中国もこれと似たタイプのコースになるのだろうし、多くの点でマレーシアともそっくりだ。いくつかのコーナーは自分の行く先がよく見えない。たとえば、予選ではターン10でミスをして、0.3秒くらいロスしてしまった。たまたま結果的にはグリッド位置を下げずにすんだけどね。予選中に誰かがコースに立っているパイロンをなぎ倒してしまったんだけど、それは僕がいつもブレーキングの目印に使っていたパイロンだったんだ! だから、そのコーナーへ飛び込んだとき、僕はパイロンが見えなくてブレーキが遅れてしまった。それから、このコースではいつも以上の集中を強いられる。ラインを外れると路面がとても滑りやすいからだ。
Q:週末全体を通じての感想を聞かせてください。
OP:全体としてバーレーンでは、オーストラリアからマレーシアまでの改善と比べてまた一段の進歩が見られた。車はこのコースに合っていて、ミシュランタイヤの競争力も高かったので、僕らは攻撃的なレース戦略を立てた。週末を通じてマシンはトラブルフリーで、僕としてはこのパッケージから最良のパフォーマンスを引き出せたと思う。現場でもケルンの本拠でも、チームはきわめて高いレベルの仕事をしている。それは僕にとってたいへん心強いことだ。
Q:バーレーンでポイントを取れなかったのは不運だったと思いますか?
OP:バーレーンのレースでもずっと110%のプッシュを続けたが、結果的には2秒にも満たない差で選手権ポイントを逃した。僕らは攻撃的なレース戦略を採り、予選も僕が8位、クリスチアーノ(ダ・マッタ)が9位と、2台揃ってトップ10で通過した。僕は6周目に誰よりも早くピットに入って2つほど順位を落とし、さらにフェルナンド・アロンソにはまったく抵抗できずに抜かれてしまった。彼は予選でミスをして、後方からものすごい勢いで追い上げていたんだ。今回はどのチームもすばらしい信頼性の高さを発揮した。新しいサーキットにもかかわらず、20台中17台が完走したんだからね。最後はマーク・ウエーバーと最後の1ポイントを賭けたバトルになったが、結局どうしても彼をパスすることはできなかった。
Q:最初の3レースを終えた時点でのチームの雰囲気はどうですか?
OP:どちらかと言えば厳しい序盤戦を過ごしてきたが、チームの雰囲気はとてもいい。この車のことはもうよくわかっているし、新しい開発部品が手に入るまでは、この車の実力を100%引き出しながら戦う必要がある。シャシー担当のテクニカルディレクターとしてマイク・ガスコインが加入したのはグッドニュースだし、彼と共に僕らがこれからも進歩を続けることは間違いない。
Q:昨年はミシュランタイヤの性能を十分に引き出せないことが問題でした。その点は改善されていますか?
OP:昨年と比べて車のリヤエンドが大幅に改善されている。今年の車の方がはるかに剛性が高くて、タイヤにも優しいんだ。正直言って、その点はずいぶん良くなったよ。ただ、まだやるべきことが残っているのは空力面だね。多くのチームがこの領域で大きく進歩してきた。でも、そのことはトヨタのスタッフの全員が承知していて、全力で風洞実験を続けているところだ。こういう作業にはどうしてもある程度の時間がかかるが、僕たちは進むべき方向へまっすぐに進んでいるし、何を達成する必要があるかを正確に理解している。
Q:4月25日のイモラに向けてどんな改良が用意されていますか?
OP:もちろん、サンマリノのレースに向けたパフォーマンスの向上に期待を賭けたい。ただ、あまり期待をしすぎないようにしている。昨年のイモラでは縁石を踏んだときの挙動が良くなかったからね。いま取り組んでいるのは、重量を削って重心位置を下げるという車のパッケージングの見直しだ。これにいくつかの新しい空力パーツを加えれば、必ず何らかの進歩があるだろう。とりあえず、今週はヨーロッパラウンドの序盤戦に備えたバルセロナでのテストに参加する。いいテストになることを期待しているよ。