ミハエル・シューマッハーが、先日初開催されたバーレーンGPでの今季3勝目を振り返り、楽な勝利だったのではという周囲の声を打ち消した。
バーレーンGPでは、シューマッハーが、フェラーリの僚友ルーベンス・バリチェロを含むライバル勢に大きく差をつけ、独走する形となった。予定された3度のピットストップのうち2回で一時的にリードを許したのを除いて、シューマッハーは実質的には一度も首位を明け渡すことなく開幕3連勝のハットトリックを成し遂げ、ドライバーズ選手権ではバリチェロとの差を9ポイントに拡大した。フェラーリの両選手権制覇のために、バリチェロがサポート役を強いられるのも時間の問題だろう。
中近東で初開催のバーレーンGPにて優勝した喜びは隠さない彼だが、決して容易な闘いではなかったと主張する。
「外から見たらどんなに簡単なレースに見えたか想像はつくけれど、ブレーキとタイヤが限界にきていてかなり集中を迫られたんだ」と、バーレーンを発つ直前に語ったシューマッハー。
「正しいレースラインがここでは1本しかないんだが、それを維持するのも大変だった。ほんのわずかな、わずかなと言ったって本当に1cmほどの誤差で、大きくタイムロスし、マシンにかなり深刻な事態を招きかねなかった」
「こういう状況ではごく小さなミスがロスにつながるだけでなく、タイヤやブレーキにも予定外のストレスがかかる。結果から見れば、僕らがまた危機を制御する力を発揮しただけに見えるのだろうが、あの時は本当にきわどい状態だったことを知ってもらいたい」
2年前がそうだったように、フェラーリが独走状態になればこれを止めようと上からの圧力がかかるかもしれないとシューマッハーも承知しているはずだが、その目標は変わらないようだ。
「去年はカナダで僕らはリスクを負ったものだが、サキールでの勝利が楽なものだったとは言ってほしくない」
6度のチャンピオンである彼の今季3戦を終えての戦績は、3度のポールポジション、3勝、2度の最速ラップ(マレーシアのみモントーヤが記録)、計30ポイントだ。現在2位につけるバリチェロは計21ポイント、3位にはジェンソン・バトンが計15ポイントで続いている。