F1マレーシアGPは21日、セパン・サーキットで56周の決勝レースが行われ、ミハエル・シューマッハーポールポジションから2連勝。BARホンダのジェンソン・バトンが速さをみせ、3位表彰台を獲得している。
昨日の予選でノータイムとなった、ルノーのフェルナンド・アロンソとBARホンダの佐藤琢磨が決勝前にエンジンを交換した。琢磨のエンジンはシリンダーの一本に異物による傷が入っていたことが判明。アロンソ、琢磨は最後尾からのグリッド・スタートだが、同じくエンジン載せ替えを行ったジョーダンのジョルジョ・パンターノはピットスタートを選択している。
フォーメイションラップ・スタートの午後3時10分前、サーキットの一部に雨が来たが、グリッドは濡れてはいない。コンディションは曇り、気温34度・路面温度41度とセパンにしては涼しい状態だ。
各車フォーメイションラップに出ていく中、5位グリッドのキミ・ライコネンがスピン! ここではなんとか再走を果たしている。
そしてスタート! 予選2位スタートのマーク・ウエーバーがスタートに失敗、最後尾近くまで落ちる。そんな中、好スタートを切ったミハエル・シューマッハー、ルーベンス・バリチェロのフェラーリ勢ががワン・ツー体制を築く。しかし2周目、バリチェロが再度降り出した雨でスピン! M.シューマッハー、ファン−パブロ・モントーヤ、ライコネン、バリチェロ、バトンというオーダーとなる。
スタートで失敗したウエーバーは4周目、他車と接触し右リヤがパンク。さらに最後尾スタートの琢磨もターン6でスピンし、18位に落ちる。ウエーバーはなんとかピットインを行い、11秒でピットアウト。
序盤、M.シューマッハーとモントーヤの差が4秒、ライコネンが6秒離される。そこにバリチェロが迫り、以下、ヤルノ・トゥルーリ、デイビッド・クルサード、フェルナンド・アロンソ、ラルフ・シューマッハー、フェリペ・マッサがトップ10で続く。
上位陣の1回目のピットストップは早く、9周目にM.シューマッハーがピットイン、さらに10周目、ライコネン、バリチェロ、トゥルーリがピットイン。トゥルーリはピットアウトで見事バリチェロの前に。バリチェロは10.1秒と時間がかかった。
13周目、オーダーはM.シューマッハー、モントーヤ、ライコネン、トゥルーリ、バトン、バリチェロ、佐藤琢磨、クルサード、アロンソ、ラルフの順となった。佐藤琢磨は14周を終えてピットイン。パンターノ以外では最後の1回目給油となった。琢磨は11位で復帰している。
モントーヤは17周過ぎ、M.シューマッハーとの差を3.6秒まで詰める。3位ライコネンにトゥルーリが迫り、クルサード、アロンソ、ラルフが7位争いを展開する。
最後尾から追い上げていたアロンソはクルサードを抜きあぐねていたが、24周目の1コーナーでパス、5位に浮上する。翌周、両者同時にピットインするが、クルサードは7.9秒、アロンソは13.3秒かかり逆転されてしまった。
26周を終えて首位M.シューマッハー、2位モントーヤ、3位ライコネン、4位バトンが同時にピットイン。ここでバトンはライコネンを逆転! 前に出た。
8位まで順位を上げていた琢磨は35周目にピットイン。どうやら佐藤琢磨は2回ストップを選択した模様だ。
バトンに抜かれたライコネンは40周目、ピットアウト直後に白煙を吐いてストップ、リタイアとなった。これで琢磨の8位入賞が濃厚になってきた。
なかなかペースの上がらないトヨタ勢はさらに46周目、11位を走っていたオリビエ・パニスが4回目のピットインを行う。しかしパニスはピットロードをドライブスルーしてしまう。これはピットとの連絡ミスか? しかもその翌周、そのパニスにドライブスルーのペナルティ。ピットロード速度違反。
首位をひた走るミハエル・シューマッハーは、50周目にはモントーヤとの差を10秒まで広げる。3位バトンをバリチェロが追い上げるが7秒差で残り6周。以下、トゥルーリ、クルサード、アロンソ、佐藤琢磨と続く。琢磨とアロンソの差は7.2秒だ。しかし53周目、8位で入賞目前の佐藤琢磨がエンジンから白煙を上げて無念のリタイア! これでマッサが8位に上がる。
そして56周のチェッカー! ミハエル・シューマッハーが開幕2連勝を達成。バトンは初の表彰台を獲得した。BARホンダの表彰台は2001年以来だ。