ミハエル・シューマッハーは、記録的な6度目のF1ワールドタイトルを獲得したことで、今年も「ローレウス・スポーツ賞」の候補にノミネートされたが、モータースポーツ界からは、ほかにも有名な選手が何人かノミネートされている。
ワールド・スポーツマン・オブ・ザ・イヤー賞の候補者リストには、ミハエルのほかに、モトGPチャンピオンのバレンティーノ・ロッシの名も挙げられている。ロッシは今年、ヤマハをタイトル争いに引き戻すという大変な仕事に着手しようとしている。ホンダと長年の関係を続け、成功も収めてきたロッシだが、すでにヤマハに溶け込み、慣れないマシンで、冬季テストのベストタイムにほぼ匹敵するタイムを出している。
ミハエルと並んで、フェラーリも総合リストに挙げられている。2003年に、力をつけてきたライバルを相手に努力を重ね、ミハエルが記録破りの6度目のタイトルを獲得するのを助けると共に、マラネロにまたコンストラクターズタイトルをもたらした。今季、スクーデリアはすでに幸先のよいスタートを切り、メルボルンのストリートコースで、ミハエルとルーベンス・バリチェロは圧倒的な1−2フィニッシュを飾っている。
オーストラリアでフェラーリ勢に続いてゴールしたフェルナンド・アロンソも、今回、「ワールド・ニューカマー」部門でノミネートを受けている。彼は、モータースポーツ界ということでみれば、厳密にはニューカマーではない。カートとフォーミュラ・ニッサンの元チャンピオンであり、2001年にミナルディからF1デビューを果たしているからだ。しかしアロンソは、去年のハンガリーGPで初優勝してグランプリウイナーのリストに加わると共に、ルノーをトップチームに返り咲かせるために尽力している。
レース界からノミネートされている最後の人物は、アレックス・ザナルディだ。彼は負傷して、両足を切断し、引退に追い込まれるべきところから、見事なカムバックを果たした。彼のこれまでの軌跡は本当に素晴らしい。2001年に、ラウジッツリンクのチャンプカーレースでクラッシュして死の瀬戸際まで行きながら、レースに復帰し、昨年のヨーロッパ・ツーリングカー選手権の最終戦では、ポイントまで獲得したのだ。今年は、BMWチーム・イタリア−スペインから、シリーズにフル参戦することになっている。
これらの候補者は、それぞれのカテゴリーで、強力なライバルと戦うことになる。シューマッハーとロッシが対決するのは、ツール・ド・フランスで何度も優勝しているランス・アームストロングや、イングランドのラグビーユニオンの英雄、ジョニー・ウィルキンソン、ウィンブルドンテニスのチャンピオン、ロジャー・フェデラーたちだ。そして、水泳のマイケル・フェルプスを入れて6名となる。
フェラーリが対決するのは、ワールドカップで優勝したラグビーのイングランド代表、サッカーのACミランとドイツ女子チーム、ヨットのアメリカズカップで驚きの優勝を遂げたアリンギ、そして無敵のオーストラリア・クリケットチームだ。
アロンソの相手となるのは、全英オープンゴルフで優勝したベン・カーティス、テニス界に旋風を巻き起こしたマリア・シャラポワや、10代の天才ミシェール・ウィーのほか、サッカーや野球選手の代表たちだ。
またザナルディは、「カムバック賞」の部門で、やはり強力なライバルたちを相手に戦うことになる。スキーのヘルマン・マイヤーは、ザナルディと同様に、自動車との事故で重傷を負い、片足を失いかけた。道をはみ出してきた自動車のせいで、乗っていた自転車が押し出されたのだ。同じ部門には、ゴルフのフレッド・カップルズや、テニスのマルチナ・ナブラチロワもノミネートされている。
各部門の受賞者は、スポーツ界の重鎮43名からなるローレウス・スポーティング・アカデミーによって決定され、今年後半に発表される。