F1入りを目指す、ユーロボスシリーズのフロントランナー、サラ・カバナーが、ジャガー・レーシング・チームでグランプリへの道を切り開こうとしている。ただし、F3のシートを確保するためのスポンサーを見つけることがその条件だ。
アイルランド出身の女性ドライバーであるカバナーは、国内・国外の様々な選手権で、ハイパワーのシングルシーターをドライブして名を上げて以来、いくつかのチームで少なくともテストドライバーのシートを得るのではないかと見られてきた。しかし、常に資金不足が足かせとなっている。今回、彼女はジャガーから、彼らのドライバー育成プログラムに加わらないかという誘いの手紙を受け取った。その条件は、イギリスF3選手権のフロントランナーであるカーリン・モータースポーツと参戦契約を結ぶ、ということだけだ。
オペレーションズ・ディレクターのジョン・アリソンからのオファーには、次のように書かれている。「ジャガー・レーシングは、サラを育成ドライバーとして、2004年の公式なドライバー陣に加えたい。彼女はドライビングとプロモーション活動の双方について契約を結ぶことになる。この契約でジャガー・レーシングは、2004年から先の3年間について、彼女をF1ドライバーとして働かせるためのオプション権を有することになる」
「さらにジャガー・レーシングは、彼女をF3のトップチームに加入させ、ジャガーのスポンサードするドライバーとして、2004年を戦わせたいと考えている」
F3への参戦は、ジャガーが設定する主要な条件だ。また、ジャガーとしては、カバナーに現チャンピオンであるカーリン以外へは行ってもらいたくないらしい。
「私はトレバー・カーリンと話をしたが、これから2、3週間は、サラを2004年のドライバー・ラインナップに加えるための場所を開けておいてくれる、と言っていた。彼の判断では、サラには少なくともF1のテストドライバーを務められる程度まで成長するポテンシャルがあるということだ。トレバーは、彼女の進歩に関して毎月レポートを提供してくれるし、私たちももちろん、彼女の成績を見守り、折にふれて応援したいと思っている」
「シーズンの終わりに、彼女のパフォーマンスと進歩が認められれば、F1のテスト契約を延長したい。彼女が必要な基準を満たせば、わがチームのF1ドライバーに加わる見込みが現実的なものとなる」
この誘いの手紙は、カバナーに百万ユーロのスポンサー資金をチームに持ち込むように求めていた。それが、マーク・ウエーバー、クリスチャン・クリエン、ビヨルン・ウィルドハイムと共にドライバー陣に加わり、ドライビングとプロモーション活動に携わるための交換条件だ。彼女は、その役目を果たすことによって、サラリーを受け取ることになる。