2004年のタイトルを携えてマクラーレンを去りたいと考えていたデイビッド・クルサードだが、メルボルンでの不調によりこの希望は潰えたかもしれないと語った。
先週末の開幕戦オーストラリアGPでクルサードは8位という結果に沈み、優勝したミハエル・シューマッハーとすでに9ポイント差をつけられてしまった。フェラーリの新車F2004の十分な信頼性レベルを見せつけられ、挽回は厳しいと判断したようだ。
「それでもマクラーレンはF1の2強のうちの1チームだと思っている」。マレーシアに向かうまでの1週間のオフに入るクルサードは、英デイリーテレグラフ紙に語った。「だが、この週末にふいにしたポイントを挽回するのは至難の業になるだろう」
クルサードと僚友キミ・ライコネンにとって開幕戦の週末は散々で、ライコネンはニューシーズン初のリタイアとなり、クルサードもウイリアムズやルノー、BARにまで先を越される結果になった。
「難しいことじゃない。さらなるパワーと空力性能とメカニカルグリップが必要だということだ。車に十分な速さがないというだけのことなんだ!」
チームはきっと状況を好転できると自信をもって続けるクルサード。「方向修正できるだけのしっかりした基礎がある。早々に問題を解決できるだろう」。決勝日のMP4−19の不調ぶりは、タイヤ選択のミスだったとも言う。
「選択ミス。理由は簡単だ」と明かす彼。オーストラリアGPでは初日から決勝日までに急激に気温が下がったことが仇となった。「ブリヂストンもすばらしいタイヤを用意して、それでなくても強力な(フェラーリの)パッケージをさらに強化することになった」
マクラーレンのタイヤサプライヤー、ミシュランは、伝統的に高温のコンディション下でブリヂストンよりも強いといわれており、クルサードは次戦マレーシアとさらに続く新イベント、バーレーンGPで運気の流れが変わることを願っている。
同紙によれば、チーム監督のロン・デニスは技術スタッフのトップらに非常招集をかけ、第2戦に向け問題の洗い出しにかかっているという。