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イギリス貴族院議員がFIA会長に対し人権問題などへの懸念を示した書簡を送るも、約1年にわたり返事がないことを批判
2023年1月29日
イギリス貴族院議員のポール・スクリブンは、FIA会長のモハメド・ビン・スライエムが人権問題に関する手紙に返信していないことについて、「無礼でプロ意識に欠ける」行動だと批判した。
FIAが、事前の承認なしにドライバーがレースウイーク中に「政治的、宗教的、個人的声明」を表明または掲示することを禁じたことについて、自由民主党議員のスクリブンは懸念を示す書簡をビン・スライエムに送っていた。この規則は、FIAの国際スポーツ法典に修正条項として追加されている。
スクリブンはまた、3月に90名の議員が連署でFIAに送付した書簡にビン・スライエムが返信していないことも批判した。書簡は、湾岸諸国におけるF1の存在感の高まりに疑問を呈し、欺瞞と考えられる行為に加担しているのではないかと問うものだった。
「この書簡をあなたが受け取ってほぼ1年が経ったが、我々はあなたからの返信を受け取っていない」とスクリブンは書いている。
「我々の深刻な懸念について答えないのは、非常に無礼でプロ意識に欠けている」
「なぜ国会議員たちを無視できると考えているのか? 人権とFIAの方針について示されている懸念は、精査に値しないということだろうか? 我々は公益のために懸念を示すべく書簡を送った。また、FIAには開示性と透明性を期待している」
「明確にするために、私は2022年3月16日付けの我々の書簡への返信を受け取ることを今も期待している。また、透明性と公共の利益のために、この書簡を公開書簡とする」
書簡では、最近FIAがドライバーの政治的発言を取り締まる決定を下したことにも焦点が当てられている。スクリブンはこの取り組みは特定の個人を対象としていると感じているという。
「政治的声明とみなされるF1ドライバーの声を抑えるというFIAの決定を知り、重大な懸念を抱いた。この方針は、F1開催国を不正行為の監視から守る役割を果たすだろう」
「この方針は、最も率直な発言を行っているドライバーのサー・ルイス・ハミルトンを標的にしていることは明らかだ。人権がひどく軽んじられている国々、特にバーレーンとサウジアラビアについての彼のコメントは、これらの腐敗した虐待的政権に受け入れられなかったことは間違いない」
F1とビン・スライエムとの間の緊張が高まっているなか、スクリブンの書簡は公開された。先週、ビン・スライエムはF1の法務部門から、F1の評価に関する彼のコメントを非難する抗議文を受け取った。サウジアラビアの政府系ファンドがF1に提示したとされる200億ドル(約2兆6000億円)のオファーについて、彼は「膨張しすぎた数字」と語っていた。
ビン・スライエムの発言は、先週発表された『Bloomberg』の記事が元になっており、FIAがF1の商業面に干渉したとみなされた。F1は、FIA会長の公での発言の結果としてF1の評価が打撃を受けた場合、FIAが法的責任を問われる可能性があると明確な声明を出した。
「これらのコメントがリバティ・メディア・コーポレーションの価値を損なうレベルであれば、FIAはその結果として責任を負うことになる可能性がある」とF1は述べている。
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(autosport web)
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