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【2022 F1新時代元年の敗者の理由(3)】トップクラスの直線スピードを生かせなかったアルファタウリ、脆すぎたアルピーヌ
2022年12月30日
2022年、F1技術レギュレーションが一新されるにあたり、各チームの序列がリセットされ、新たな戦いが見られることが期待された。結果的にトップグループではレッドブルが独走し、フェラーリとメルセデスは大差で敗れることになった。なぜ彼らは大敗したのか。また、中団以下のチームは、なぜ上位争いに挑むチャンスをつかめなかったのか。その背景を、F1ジャーナリスト、サム・コリンズ氏が分析した(全3回)。「第1回フェラーリ:過去最大級のパワートレインの飛躍とリスク」 、「第2回メルセデス:テスト制限が大きな足枷に “信頼性が高すぎる”PUは深刻な懸念材料」 に続く今回は、コンストラクターズ選手権4位以下のチームに焦点を当てた。
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■アルファタウリAT03
ベルギーGP決勝最終ラップ、上り坂のケメルストレートの頂上で、角田裕毅のアルファタウリAT03は360km/hを記録した。2022年F1シーズン全体で見ても最高レベルのスピードだ。ホンダのパワーユニット(PU)を搭載したアルファタウリのポテンシャルを示す記録といえよう。ストレートでの速さを見ると、2022年に最速だったのはレッドブルRB18で、ほとんどのサーキットでAT03は最速のグループに入り、時折アルピーヌA522がそこに加わるといった状況だった。
アルファタウリは直線スピードではそれほど優れていたにもかかわらず、それを生かしてライバルたちとの戦いに勝つことはできなかった。カレンダー中、最速サーキットのひとつであるスパで、AT03は9位と13位。モンツァでは8位と14位にとどまった。アルファタウリが、ドラッグとダウンフォースのバランスをうまく取ることができなかったことは明らかであり、そのことにシーズンを通して苦しんだ。
■アストンマーティンAMR22
アルファタウリ以外にもマシンコンセプトにおいて大きな誤りを犯したチームはある。たとえばアストンマーティンはマシンデザインで完全に間違った方向に進み、そのことにプレシーズンテストで気付いた。そこで完全に新しいコンセプトで開発することを決めて、スペインGPでアップデート版を導入した。レッドブルをコピーしたという非難を受けた、例のデザインだ。新しいマシンには改善が見られたものの、それでもパフォーマンスは相変わらず不足していた。アストンマーティンは、アルファタウリとは正反対の問題で苦しんでいた。つまり、ドラッグが大きすぎ、ストレートラインスピードが非常に遅かったのだ。搭載しているメルセデス製パワーユニットのストレートでのパフォーマンスが不十分だったことも明らかだった。
■マクラーレンMCL36
メルセデスユーザーのマクラーレンは、アストンマーティンと同じようにストレートで苦労していたが、同時にダウンフォースが不足していた(アストンマーティンの場合は、ダウンフォースが大きすぎた)。2022年序盤、ほとんどのチームとは異なり、マクラーレンはポーパシングに悩まされることはなかった。ただし、彼らには速さはなかった。シーズンが進むにつれて、ペースは向上。だが序盤、あまりにもダウンフォースが足りない状態で苦戦していたことで、目標はコンストラクターズ選手権4位に置くしかなく、しかもその戦いに敗れた。
■ウイリアムズFW44
同じくメルセデスPUを搭載したウイリアムズの場合、ワークスチームと同じ革新的なインタークーラーも使用していた。一方で創造性に富んだサイドポッドの方は実戦に導入することはなかった。そのデザインはシーズン開始前の時点で、密かに使用禁止を言い渡されたのだといわれている。なお、シーズン前、2022年に導入される18インチタイヤのテストが実施されたが、ウイリアムズのみがこれに参加しなかった。2022年型ホイール&タイヤのテストを事前に行わなかったことで、その最適化という面で他チームに遅れを取ったウイリアムズは、ついに追いつけないままにシーズンを終えた。
■アルファロメオC42
フェラーリPUを積むアルファロメオとハースは、066/7のトラブルに何度も見舞われたという点では同じだったが、マシンのデザインは大きく異なっている。アルファロメオはシーズンをスタートする時点では最低重量を下回っている唯一のマシンだった。それがアドバンテージになるはずだったが、規則で最低重量が引き上げられたことと、信頼性のトラブルが相次いだことで、期待どおりのリザルトを記録し続けることができなかった。ザウバー・モータースポーツは、久々に自社でギヤボックスを設計・製造することを決めたものの、この年は高い信頼性を達成することができなかった。
■ハースVF-22
可能な限りフェラーリのメカニカルパーツを使用するハースは、シーズンスタート時点では、空力コンセプト面での進化においてはトップレベルだった。実際、開幕戦でケビン・マグヌッセンが5位を獲得している。しかしそのパフォーマンス上のアドバンテージは、シーズンが進むなかであっという間に消え失せた。後半戦には、フェラーリに大きく影響されたアップグレードを入れたものの、パフォーマンス向上は見られず。シーズン初めには技術面で最もエキサイティングなマシンのひとつを持ちながら、ハースは最終的にコンストラクターズ選手権8位と、非常に期待外れの結果に終わった。
■アルピーヌA522
アルピーヌA522は非常に不可解で、時に腹立たしいマシンでありながら、時に非常に魅力的だった。デビュー当初には、とてもよく設計されたマシンに思えた。ただ、あまりにも脆かった。バルセロナでのプレシーズンテストの際、アルピーヌのチームメンバーの多くは、うんざりし、落ち込んでいるように見えた。マシンの全体的なコンセプトに大きな誤りがあったからではない。マシンが壊れ続けたからだ。シーズン前半は、ボディパネルが吹き飛んだり破損したりということが何度も繰り返された。コースに出てすぐに壊れることが多かったため、スペアパーツの確保に苦労することもあった。さらに、パフォーマンスの面では、セットアップ変更にマシンが予想どおりの反応をしない場合がしばしばあった。
しかしシーズンが経過するに従い、この脆弱な特性は解決された。オースティンでランス・ストロールが2023年にチームメイトになるフェルナンド・アロンソを約300km/hで走行中にウォールに向かって突き飛ばしたアクシデントがあった。アロンソのアルピーヌが空中を飛んで着地するという大きな事故に発展したのだが、その後、アロンソはピットに戻り、簡単な修理だけでコースに復帰、7位でフィニッシュしている。A522はずいぶんと頑丈になったものだ!
シーズン後半、アルピーヌにとって最大の問題だったのはパワーユニットだ。信頼性が極めて低く、何度も何度も故障した。ルノー・スポールは2022年シーズンに向けてパワーユニットを完全に再設計し、初めてスプリットターボ方式を取り入れ、燃焼室を一新した。新しいパワーユニットは一貫した信頼性を示すことがなかったため、2023年に向けてルノーは改善を図る必要があるだろう。
(Sam Collins)
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4/4(金) | フリー走行1回目 | 11:30〜12:30 |
フリー走行2回目 | 15:00〜16:00 | |
4/5(土) | フリー走行3回目 | 11:30〜12:30 |
予選 | 15:00〜 | |
4/6(日) | 決勝 | 14:00〜 |


1位 | ランド・ノリス | 44 |
2位 | マックス・フェルスタッペン | 36 |
3位 | ジョージ・ラッセル | 35 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 34 |
5位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 22 |
6位 | アレクサンダー・アルボン | 16 |
7位 | エステバン・オコン | 10 |
8位 | ランス・ストロール | 10 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 9 |
10位 | シャルル・ルクレール | 8 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 78 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 57 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 36 |
4位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
5位 | スクーデリア・フェラーリHP | 17 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 14 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 10 |
8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |
9位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 3 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |

