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【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第17回後編】“復活の1年目”は目標達成も「もうちょっとやれた」過渡期ならではの苦労も
2022年12月27日
2022年シーズンで7年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニアリングディレクター。今年はチームにとって“復活の1年目”となったシーズンだったが、見事にハースはシーズン開幕前に立てた目標を達成し、コンストラクターズ選手権を8位で終えた。しかし小松エンジニアは、「クルマの実力とは合っていない成績」と物足りなさを感じたと言う。開幕戦での5位入賞や、ブラジルでのポールポジション獲得など、随所で光るパフォーマンスを発揮したチームとしては、やはりもう少し上の順位が見えていたようだが、その一方でまだまだ過渡期にあるチームならではの苦労経験した。そんな2022年シーズンを小松エンジニアが振り返ります。
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■コンストラクターズ選手権
ハースF1チーム 8位(37ポイント)
■ドライバーズ選手権
#20 ケビン・マグヌッセン 13位(25ポイント)
#47 ミック・シューマッハー 16位(12ポイント)
2022年は“復活の1年目”という位置付けのシーズンでした。振り返ってみると、もうちょっといけたかな、という感想です。シーズン序盤にライバルチームが苦戦していたことを考えると、このクルマで37ポイントしか獲れなかったというのは痛い結果です。最後は9位(アルファタウリ)と2ポイント差でしたし、残念ながらクルマの実力を出し切れたとは言えない成績です。
シーズンが始まる前に立てた目標は『ほかの1、2チームと戦ってコンストラクターズ選手権で8位になる』だったので、当初の目標は達成しました。それ自体はどん底からの復活ということでよかったと思います。しかし実際に2回のプレシーズンテストでクルマを走らせた時に、VF-22にかなりの競争力があるとわかったので、この成績では能力を出しきれていないと言わざるを得ません。最後までアルファロメオとアストンマーティンと戦えて然るべきでした。
アルファロメオはお金をかけてクルマを開発していて、前半戦のカナダGPまでに51ポイントを獲得していました。でも最終的な獲得ポイントは55ですよね。ウチだって開幕戦で5位に入賞できたので、これくらいのポイントを獲れていないとダメだったということです。
その反対がアストンマーティンで、序盤は全然クルマがよくなかったようで、ニコも「ポーパシングがひどかった」と言っていました。彼がハンガリーでタイヤテストを行った時にはそれも解消されて違うクルマになったようだったと言っていましけど、アストンマーティンはかなりアップデートを行っていて、最後の方それがはうまくいってあれだけポイントを獲得したわけです。
ハースがどうだったかというと、開幕戦はセーフティカーが出た際にミックをピットに入れていれば、ミックは10位に入れてチームとしてダブル入賞も可能だったはずです。サウジアラビアではケビンが首を痛めて予選を思うように走れず、決勝ではミックのクラッシュもあって2ポイントしか獲れなかった。オーストラリアはクルマが遅くてタイヤもうまく使えず、ポイントを獲れなくても仕方なかったです。
痛かったのはマイアミです。絶対にダブル入賞ができたはずですし、スペインではケビンが予選でいい位置につけたにもかかわらず、スタート直後のターン4で7番手を走行中にルイス・ハミルトン(メルセデス)と接触してしまいました。こうしてウチがポイントをとりこぼしている間に、アルファロメオは着々と獲っていたんです。
その後はモナコ、アゼルバイジャンと続けてケビンのPUが壊れ、カナダではまたケビンがハミルトンと接触。そういうことがあって、イギリスとオーストリアでやっとダブル入賞にこぎつけました。ここまででこれしかポイントが獲れていないというのがすごく響きました。フランス以降を見るとアルファロメオが4ポイント、ウチも3ポイントしか獲れていないので大して変わらないんです。やはりVF-22レベルのクルマがあったら、少なくとも彼らと最後まで戦えてないといけないシーズンでした。
噛み合わなかったり、チームの戦略が悪かったレースもありますが、それでもポジティブな雰囲気で2022年シーズンを終えることができたと思っています。アブダビGP後のブリーフィングの時も、開幕戦の5位、オーストリアでのダブル入賞やブラジルでのポールポジションなどポジティブなことに焦点を当てて、先にも書きましたが最低限の目標は達成したとチームには伝えました。このクルマで選手権6位を争っていなければいけなかったと考えられるのはいいことだと思うので、今後も一歩一歩やるしかありません。
それから、チーム力もついてきたと感じています。それが一番よく現れたのがブラジルの予選で、当時のコラムにも書きましたが、アゼルバイジャンの時と比べたら天と地の差です。開幕前の話で言えば、VF-22のシェイクダウンの時にはポーパシングがひどかったものの、早急に対処することができたのもよかったと思います。
チームに関して言うと、僕は2023年も引き続きエンジニアリングディレクターを務めることになります。現場では僕たちレースチームが最終的にクルマを組み立てて走らせますが、物の到着が遅れたり質が低かったり、シミュレーションのデータがおかしかったりすると、それらを担当しているグループに対して僕がフィードバックをしないといけないのですが、そういうグループもどんどん改善していっています。理想を言えば、完璧なタイミングで質のいいデータ・部品が来れば僕たちはそれを受け取って走らせるだけでいいのですが、もちろんそうはならないので、これからも現場とファクトリーの距離を縮めてうまく共同作業の質を高めていかなければなりません。
また2022年はチームにとっての過渡期でもあるので、新しくグループを作ったりもしています。たとえば、元フェラーリの経験豊富な人をトップにしてタイヤ関係のグループを新たに作りました。今までは富塚(裕)さんが現場でひとりでやっていたことを、そのグループでやるようにしたのです。これまで僕が富塚さんに何かを質問すると、彼ひとりで考えて僕に返事をするという流れだったので機動力はありました。しかし、今度は富塚さんを含むそのグループ内で話し合ってから返事が返ってくるようになったので、答えが出るまでに時間がかかるようになりました。
グループで何かをやるようになるとそのやり方を変えなければいけないので、一見すると効率が悪くなったように見えますよね。でも、グループ内の全員が関わらないと全員が成長することはできないし、今後は富塚さんがひとりでやっていた時よりも効率や精度の質を上げなければいけません。今年はすでに質が上がったかというとそうではありませんが、成果が現れるのは2023年以降のことなので、そこに向けて一番大変な過渡期を経験しているところです。
その2023年は、個人的はコンストラクターズ選手権6位が目標です。そしてニコには物事に柔軟に適応していってほしいです。アブダビテストを見た感じでは大丈夫だと思いますが、コラム前編でも書いたとおり、どのサーキットでも週末の早い段階でクルマの限界やレファレンスを示してほしいんです。そしてそれがあれば、ケビンもロマンと組んでいた時のように、予選までにはそのラインに到達できると思うので、理想としてはふたりには予選でもレースでも五分五分くらいの成績を残してほしいですね。
来年は技術規則の面でもいくつか変更がありますが、一番気になるのは、ポーパシング対策でフロアのエッジが高くなったことにより空力特性が変わることです。ハースとしては悪いことではないと思いますが、この規則変更にどれくらいうまく対処できるかが問われることになります。新しいレギュレーションにうまく対応していると思っていても、見逃しているものがあるかもしれないので、そのあたりは蓋を開けてみないとわかりません。ただ今年の大きな技術規則の変更にもうまく対処できたと思っていますし、この変更にも今のところはよくやれているのではないかと判断しています。
最後になりましたが、今年も1シーズンお付き合いいただきありがとうございました。ほんとに開幕当初の速さを考えるともっと中団で暴れられたんじゃないかと思います。とは言え、復活の手応えは十分に感じられたシーズンでした。もう2023年のクルマの準備で忙しいですが、VF-23を2月に走らせるのが今から楽しみです。復活2年目を迎えるチームはすでに1年前とは大違いで、新しいクルマと経験豊富なドライバーラインアップでもっともっと中団をかき回して、少しでもトップとの差を縮めたいと思っているので、これからもどうぞ応援よろしくお願いいたします。いつも鈴鹿ではチーム全員が、ひいてはF1のパドックで働くすべての人たちがファンの皆様から元気をいっぱいもらっています。改めて感謝します。それでは、よいクリスマスとお正月をお迎え下さい。
(Ayao Komatsu)
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4/4(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
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予選 | 結果 / レポート | |
4/6(日) | 決勝 | 14:00〜 |


1位 | ランド・ノリス | 44 |
2位 | マックス・フェルスタッペン | 36 |
3位 | ジョージ・ラッセル | 35 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 34 |
5位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 22 |
6位 | アレクサンダー・アルボン | 16 |
7位 | エステバン・オコン | 10 |
8位 | ランス・ストロール | 10 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 9 |
10位 | シャルル・ルクレール | 8 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 78 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 57 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 36 |
4位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
5位 | スクーデリア・フェラーリHP | 17 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 14 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 10 |
8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |
9位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 3 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |

