マクラーレン・メルセデスでのドライブが今年で最後となるデイビッド・クルサードが、2005年以降の移籍先として、トヨタかウイリアムズを希望していることを明らかにした。
クルサードは英サン紙に対して次のように語った。「もしも僕が今年、コンペティティブな走りを見せれば、2005年は素晴らしいチームに移籍できると思う」
「トヨタは上向いてきているし、優勝できるドライバーを欲しがっている。それに、彼らは長期契約を結びたがる。ウイリアムズもぜひドライブしてみたいチームだ。2005年に最高のチームでレースをするためにも、今年は僕がまだやれるということを示さなければならない」
「グリッド後方のチームに移ることは事実上考えていない」
「チームとの協力体制で僕に勝るのはミハエル・シューマッハーただ1人だ。平均獲得ポイントについても、今年のドライバーの中では僕がミハエルについて2番手だ。とにかく、背伸びせずに楽しんで仕事をしていくよ」
クルサードはさらにこう続けた。「僕は、去年の7月にモントーヤがマクラーレンを訪れたのを知っていた。電撃訪問などと言っている人もいるけれど、僕はそう思わなかった。女房の浮気を見つけちゃったみたいな感じではないんだ。僕はマクラーレンと結婚しているわけではない。あれから9年も経っているのだから、移籍する時期がきたというだけのことだ」
「F1は僕の情熱であるが、マクラーレンやロン・デニスに情熱を燃やしているわけではない。GPで優勝することは夢に見るけど、マクラーレンやロン・デニスを夢に見ているわけではない。マクラーレンに対して、僕は人が考えるような感情を抱いてはいない。F1ドライバーは生涯続けられるものではないので、いつかはチームを去るものだと常々思ってきた」
「マクラーレンはまじめな会社だ。ゲームのルールは僕も知っている。新しい活動の場を探すいいチャンスなのだから、何としてでもチームにしがみつく理由などない」
「自分の思い通りに行かなくなったとき、ナイジェル・マンセルのように、僕が柵の向こう側にステアリングを放り投げたり、シューマッハーの胸ぐらをつかんだりするのを見たがったりしている人もいるけれど、そんなことはやりたくないからしないよ。困難から逃げると言っているのではない。ただ、そのようなことを自分からしたいとは思わないだけだ」
「トラック上で1番になりたがらないとか他のドライバーに道を譲るといった習慣は僕にはない。そうしたことは、F1人生を通じて僕につきまとってきた根も葉もないウワサの1つさ。尊敬を得るために、マシンの外で粗暴な振る舞いをする必要はない。マシンに乗って自分の力を示せばいい」
「かつて僕はシューマッハーに向かって“クソ食らえ”といった態度を示したときがあったけれど、あれは正当な理由があってのことだ。最近、僕がレース中にそんな態度をとったことがあるかい? みんなは僕に何を望んでいるんだい? 他のマシンのタイヤにクギでも打ち込んでほしいのかい?」
「キャリアの中で一度もタイトルが獲れなければ、自分に満足できないはずだけれど、しかし、残りの人生、タイトルが獲れなかったことを恥じてずっと暗い人生を送っていくことはないだろう。僕のキャリア通算成績は、タイトルを獲得した多くのドライバーより上だからね」