ミナルディF1チームは11日、ミナルディ・チーム・アジアの体制発表をおこなった。これはユーラシア・モータースポーツとの提携によるもので、2004年シーズンに同新チームからフォーミュラ・BMWアジアとアジアンF3シリーズにそれぞれアジア出身ドライバーを輩出するという。
これによりミナルディの名は今季F1だけでなく、中国、マレーシア、韓国、タイ、日本、フィリピンの主要地域のレースイベントに登場することになる。
香港に拠点を置くユーラシア・モータースポーツは、2004年フォーミュラ・BMWアジア・シリーズで4台を走らせ、アジアンF3シリーズでは1台をエントリーする予定。全車とも黒/白/赤のミナルディ・カラーにペイントされる。
ピアース・ハニセット、マーク・ゴダード、マーチン・クイックといずれも国際モータースポーツに経験豊かな3名が所有・運営する同チームは、アジアのレースシーンに深い理解がある。競争力はもちろん、キャリア向上のための「はしご役」という明確な定義付けの下に、アジアの主要地域から才能ある若きドライバーと技術者らを輩出していくことだろう。
「アジアのモータースポーツ普及にF1チームが貢献するという話しだけはよく聞くが、今まで具体的な成果は何もなかった」と話すのはミナルディ・チーム代表のポール・ストッダート。「チームとしてミナルディは近年、多くのアジア企業と共に仕事をしてきて、世界の中でもこのエリアでのモータースポーツの発展を支援したいと常々言ってきた」
「ミナルディ・チーム・アジアのこの始めの一歩が、必ずやアジアのレース人口を上げ、このプログラムを通じて、才能とF1への強い意志のある若きドライバーが発掘されることだろう」
「商業的な見通しとしてはこのベンチャー事業は、F1スポンサー企業にとって、世界的にも重要な市場となる地域レベルでのミナルディの活動に乗じるチャンスになる。また、アジア企業をモータースポーツに導き、スポンサーシップによる利益を求める活動の一助になれると思う」
ピアース・ハニセットはユーラシア・モータースポーツを代表してこうコメントする。「何カ月にもわたってこのプロジェクトについてポールと話してきたので、こうしてミナルディ・チーム・アジアの体制発表ができて非常にうれしい。アジアにおけるモータースポーツへの関心はここ数年で急速に高まっているが、F1カレンダーにマレーシアGPが加わったおかげであることは間違いない」
「また、中国とバーレーンが初めて世界選手権のスケジュールに組み込まれることになり、アジアンモータースポーツの扉が開かれた。世界のこの地域でも観客が地元のヒーロー達に歓声をあげるようになり、ミナルディF1チームとのつながりが若いドライバー達のキャリアアップの助力となることが間違いない一方で、モータースポーツの新たなスポンサー企業を励ます利益ももたらされるはずだ」
ハニセットは、マレーシアの有望株であるアレックス・ユーンがレースデビューした1994年以来、アジアのモータースポーツと関わっている。ユーンは同年、中国初のシングルシーターレースで優勝という記録を残した。偶然にもその7年後、ユーンがミナルディと契約を結びマレーシア初のF1ドライバーとなって再び歴史に名を残している。
ミナルディ・チーム・アジアの2004年ドライバーラインナップは近日中に発表の予定。