バーニー・エクレストンが、今年のドライバーズタイトルを誰が勝ち取るかで賭けをするなら、マクラーレンのキミ・ライコネンに賭けると語った。しかし、同時に彼は、新チャンピオンの誕生がF1にとって必ずしもよいこととは限らないとも述べた。
オーストラリアのメディアが行った最近のインタビューで、エクレストンは次のように語っている。「私は新チャンピオンの誕生がF1にとって(必ずしも)いいこととは限らないと思う。近年のミハエル・シューマッハーの活躍は、私たちにはとてもありがたいことだった。どんなスポーツでもスーパースターの存在はプラスになる。人々はスーパースターを尊敬するからね。誰かがシューマッハーの名を口にすれば、みんながフォーミュラワンを連想するんだ。ただし、私は今年の選手権ではミハエルは苦戦するだろうと思っている。おそらく、史上まれに見る僅差の争いになるだろう。自分の財布から金を出して賭けるとすれば、私はキミ・ライコネンに賭けるね」
また、2004年のタイトル争いに加わりそうなドライバーは誰かという質問に対し、エクレストンは複数のドライバーの名を挙げて、誰かのひとり勝ちや2人の一騎打ちにはならないという考えを示した。
「間違いなく争いに加わってきそうなドライバーとしては、さっきも言ったようにキミがいる。誰がチャンピオンになるかということなら、私は自腹で彼に賭けるよ。そして、ミハエルもいる。彼が争いに絡んでくることも確実だ。モントーヤも、もう少し落ち着いたレース運びができるようになれば最有力候補になるだろうし、少なくともタイトル争いには加わって、もしかしたらチャンピオンにもなれるかもしれない。アロンソについても同じことが言える。とにかく能力のあるドライバーは大勢いるから、それぞれがチャンスに恵まれればきっと驚くべき展開になるだろう。まあ、それぞれが乗る車のパフォーマンスにもよるけれどもね。正直なところ、最近まで私はバトンのファンではなかったが、彼もいい仕事をしそうなドライバーに成長してきた。彼にも注目する必要があると思う」
オーストラリアのメディアが行ったインタビューということで、話題は当然地元出身のヒーロー、マーク・ウエーバーにも及んだ。
「まだ彼は本当の実力を発揮できていないと思う。あのレベルのマシンに乗っていると、彼のようなドライバーの力を見極めるのはとても難しい。たとえば、彼がフェラーリに乗ったとしたら、いったいどのくらいの成績を挙げられるだろう? 結局、F1で成功できるかどうかを決めるのはドライバーの能力だけではないんだよ。シューマッハーが優れているのは、彼自身がチームのモチベーションを高め、物事を正しく解決していく力が備わっているからだ。マークにそれと同じ能力があるかどうか、私たちにはまだわからない。彼はそうした力を発揮するチャンスを得たことが一度もないからね。ただ、個人的には、彼ならうまくやれるかもしれないとは思っている」