フェラーリのベテラン・テストドライバー、ルカ・バドエルが今年、ザウバー・ペトロナスC23に乗る場面を見られるかもしれない。フェラーリ監督のジャン・トッドが、GPレース前の金曜のテストドライバーとしてザウバーがバドエルを使用することを認めるかもしれないのだ。
ザウバーは、昨年のコンストラクターズ選手権で総合5位以下だったためフライデーテストでサードカーを走らせることができるわけだが、チーム監督のペーター・ザウバーは先ごろ、同テストに参加できそうもないことを明かした。単純に資金不足のためだ。
しかし現在ザウバーはほとんどフェラーリのジュニアチームといった形になっており、両チームの関係が密接になっているために、フェラーリはザウバーにサードカーを走らせる資金を提供する代わりに情報を共有する、という可能性が出てきた。そうすることで両チーム共、テスト走行の距離をより稼ぐことができ、貴重なブリヂストンタイヤのデータ収集もできるからだ。
フェラーリのライバル勢は果たしてどう取るだろうか。マクラーレンもウイリアムズも、レギュレーションの精神に反してみえるこうした動きを決して歓迎しないことは確かだ。だが、規則に触れていないといわれればそれまでであり、フェラーリがこうした選択肢を採る可能性は十分にある。
トッドは月曜に開かれた新車F2004の発表会の場で、ロイター通信の取材に肯定的なコメントを残している。
「ルカが総合5位から10位までのチームでサードカーのテストをすることは可能だ。我々がそうするかどうかはまだ決定していないが、しようと思えば、それは可能なことなのだ」
昨年フェラーリのテストを行ったザウバーのフェリペ・マッサは、今年も本業のザウバーの仕事を妨げない範囲でフェラーリのテストを続けていく予定。チームメイトのジャンカルロ・フィジケラも、状況によってはフェラーリのテストをするかもしれない。ザウバーはもちろん今年もフェラーリからエンジン供給を受け、1997年以来の関係を継続していく。
バドエルは、GP出場は通算49戦だが最後にレースに出たのは1999年にさかのぼり、幸い“過去2年間に6レース以上に出たドライバー”に該当しないことから、フライデーテストの参加権を有している。