ゾイト・バウムガルトナーは果たしてGPレギュラードライバーの座に昇格できるのか疑問視されているが、ハンガリーの人々の心持ち次第では実現できるかもしれない。
ハンガリーのF1ウェブサイト、f1hirek.huによると、バウムガルトナーにミナルディのシートをもたらしたかに見えたスポンサーとの交渉が頓挫してしまったことから、同国では初のハンガリアンF1ドライバーを輩出すべく、声援だけでなく資金援助をしようという動きが高まっているという。
石油会社MOLコーポレーションとバウムガルトナー側の最後の話し合いは決裂した。資金援助が確約されるには、ある条件が満たされなければならないとMOL社が主張したのだ。バウムガルトナー側の話によれば、ミナルディで走る2004年シーズン中、出走したすべてのGPで最後まで走らなければならない(!)という新たな条件の追加を求められたが、さすがにそれを受け入れることはできなかったという。
この決裂によりバウムガルトナーのF1昇格は棚上げになったかに思われたが、ハンガリーの人々は、一丸となって支援しようという報道に反応したようだ。バウムガルトナーの事務所には、ミナルディのシート確保のための援助金をどこに送ればいいのかという問い合わせの電話が殺到し、また、彼のファンクラブが援助金を集めるための口座を開設するとあっという間に4、500万フォリント(約215,000ドル、約2,300万円)が集まる結果となった。注目すべきことに寄付金はハンガリー国内からだけでなく、アメリカやドイツ、オーストリアなどからも寄せられている。
ミナルディはこれを受け、どうやらジャンマリア・ブルーニの新たな僚友探しを始める前に、バウムガルトナーに1週間の猶予を与え、契約を押さえるだけの資金集めを促しているらしい。