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レッドブル&HRC密着:2セッションを同様の仕様で走りデータ収集。フェラーリはリヤウイング変更で最高速を稼ぐ
2022年6月11日
アゼルバイジャンGPのセットアップは、ほかのグランプリとは少し異なるやり方で進められる。1周を速く走らせるためにマシンを最適にする調整を行うのが通常のセッティングだが、アゼルバイジャンGPでは直接のライバルとなるチームのダウンフォースレベルを見て、それに合わせた空力パッケージでいかにライバルよりも速く走るかが重要となる。
その理由はアゼルバイジャンGPの舞台となるバクー・シティ・サーキットには、セクター3に非常に長い全開区間があるからだ。ラップタイムだけを考えれば、セクター1とセクター2をいかに速く走るかが重要となるが、そのためにはある程度ダウンフォースをつけたほうが速く走ることができる。しかしセクター3の全開区間で簡単にオーバーテイクを許してしまい、レースでは戦いにならない。したがって、アゼルバイジャンGPではレースで直接のライバルとなるチームの空力仕様を観察しつつ、セッションごとに変更してくるチームが少なくない。
今年のアゼルバイジャンGPではフェラーリがそうだった。フリー走行1回目の最高速はシャルル・ルクレールとカルロス・サインツがともに時速320.0kmで15位と14位だった。
ところが、フェラーリとチャンピオンシップを争うレッドブルのセルジオ・ペレスが20人中トップとなる時速334.2kmをマークし、マックス・フェルスタッペンも時速334.1kmで2番手につけると、フェラーリは2回目のフリー走行に異なるダウンフォースレベルのリヤウイングを投入してきた。
すると2回目のフリー走行での最高速はルクレールが時速335.8kmと4番手に浮上。一方、チームメイトのサインツは時速328.1kmとルクレールから時速にして7km以上も遅い14番手のままだった。つまり、チームとして空力のセットアップが金曜日の時点で定まっていない様子だった。
これに対して、レッドブルはフリー走行2回目でもペレスが時速334.3kmで、フェルスタッペンも時速333.6kmと、2台そろってフリー走行1回目とほぼ同じダウンフォースレベルで走っていた。
アゼルバイジャンGP初日の総合トップには、フリー走行2回目に1分43秒224を記録したルクレールがついたが、2日目以降に向けたセットアップを煮詰めるという点では、2セッションとも同じ空力仕様で走らせたレッドブルのほうが有意義なデータが収集できたのではないか。
このようにアゼルバイジャンGPでの戦いは、単純にラップの速さだけを求めるものではなく、レースでオーバーテイクをする、あるいはオーバーテイクされないために全開区間でのダウンフォースを見据えた空力仕様の駆け引きにあることは間違いない。
2日目にレッドブルとフェラーリがどのダウンフォースレベルのリヤウイングを装着してくるのか注目したい。

(Masahiro Owari)
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| 1位 | ランド・ノリス | 357 |
| 2位 | オスカー・ピアストリ | 356 |
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 321 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 258 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 210 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 146 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 97 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 41 |
| 10位 | アイザック・ハジャー | 39 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 713 |
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 356 |
| 3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 355 |
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 346 |
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 111 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 72 |
| 7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 69 |
| 8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 62 |
| 9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 60 |
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 |
| 第19戦 | アメリカGP | 10/19 |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 |


