チーム・ザウバー・ペトロナスは、12日、オーストリア ザルツブルグにあるレッドブルのハンガー7(第7格納庫)で新車C23の発表会を行った。
チームボスのペーター・ザウバーは、今季への意気込みについてこうコメントしている。
「2004年の我々の目標は、パフォーマンスの向上だ。この目標をどこまで達成できるかは、ウチの風洞での作業の成果をどれだけ早急に実戦に生かせるかにかかっている」
「自動車メーカー7社が参戦していることで、F1でのコンペティションはかつてないほどに激しくなっている。しかし我々はこの大変な仕事をやってのけるつもりだよ」
ザウバーのレギュラードライバーは、ジャンカルロ・フィジケラとフェリペ・マッサが務める。
今年ザウバーに新加入したフィジケラはこう語る。「明後日の水曜に、バレンシアで初めてニューマシンをドライブできるんだ。この日はちょうど僕の31歳の誕生日。縁起がいいよね」
フェラーリのテストドライバーを経て、再びザウバーに舞い戻ったマッサは、「フェラーリのテストドライバーとして過ごした1年間で、とても多くのことを学んだ。学んだことを実戦で生かすときがきたよ」と意気込みを語っている。
C23のデザインにあたり、テクニカル・ディレクターのウィリー・ランプは、グランプリにおける“ベストカー”のコンセプトを見習うという、実際的なアプローチを採ったという。ランプはこうコメントする。「この考え方によって、2003シーズンにC22のリヤを変え、いい方向に一歩踏み出せたので、C23に対しても同じアプローチでいくことにした」
開発で最も重きを置かれたのは、重量を上げることなくコンポーネンツの剛性を上げることだ。C23が軽量化を図れたのは、昨年よりも軽量となった新しいペトロナスエンジンに負うところが大きい。ザウバーは今季、初めてフェラーリと同じタイプのエンジンを使用することになる。今季からは1GP1基ルールに変更となるため、これは大きなアドバンテージになるだろう。さらにギヤボックスは、フェラーリの2003年型7速ギヤボックスを使用する。
フロントサスペンションについては、ツインキールコンセプトは採用せず、フロントロアウィッシュボーンがセンターのマウンティングポストにつながっている。アップライトとホイールハブはC22から引き継がれ、今後開発が行われる。新ルールにより、リヤウイングのエレメントが2枚に減り、エンドプレートは後方に100ミリ拡張した。
ザウバーは、新車発表に先駆け、今季新たなスポンサーとして、ソクナ・ポートとタイ・カン・ライフを迎えることを明らかにしている。