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F1技術解説:第5戦(2)新ウイングの導入を中止しつつ最高速向上を図ったフェラーリ

2022年5月17日

 2022年F1第5戦マイアミGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回「アップデートなしでフェラーリに勝利。レッドブルRB18が持つふたつのアドバンテージ」に続く第2回では、用意してきた新リヤウイングを使用しなかったフェラーリの、レッドブルへの対抗策について語る。


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 レッドブルのトップスピードに対抗するため、フェラーリはマイアミGPに低ドラッグ仕様のリヤウイングを導入することを計画していた。しかしそれは、直前に中止された。イタリアの日刊紙『コリエレ・デラ・セラ』に、マッティア・ビノット代表はこう語っている。


「マイアミに到着して、路面舗装の状態を実際に見て、これが正しい選択ではないことがわかった。直線での速さより、タイヤマネージメントに集中するべきだとね」


 初開催のマイアミサーキットの路面舗装は研磨剤の入った特殊なもので、予想以上にタイヤのデグラデーションが大きいことがわかった。しっかりダウンフォースを付ける必要があると、ビノット代表は判断したのだった。


 とはいえ少しでも最高速は上げたい。そのためフェラーリのエンジニアたちはサウジアラビアGPと同じようにリヤウイングからガーニーフラップを外し、ストレートエンドで時速数キロメートルを稼ぐことに成功した。

2022年F1第5戦マイアミGP フェラーリF1-75のリヤウイング(ガーニーフラップなしのバージョンとついたバージョン)
2022年F1第5戦マイアミGP フェラーリF1-75のリヤウイング(ガーニーフラップなしのバージョンとついたバージョン)


 F1-75は加速に優れ、ギヤの変速比も異なるため、ストレートの立ち上がりは速い。それでもストレート区間の終わりでは、そのアドバンテージはなくなっていた。予選ではカルロス・サインツとシャルル・ルクレールは中間計測ポイントで最速だったが(レッドブル最速223.9km/h、フェラーリの最速225.8km/h)、ストレートエンドでは10km/hほど遅くなっていた。


 1周のタイムだけでいえば、予選Q3のルクレールはマックス・フェルスタッペンよりコンマ2秒速かった。しかし最高速での失速は、大きなハンデキャップだった。さらにイモラとマイアミでのタイヤダメージを見る限り、フェラーリはレースよりも予選を重視していると言わざるをえない。


 とはいえフェラーリの開発部門が、手をこまねいているわけではない。エアロダイナミクス担当者はステアリングロッドのフェアリング形状に変更を加え、マイアミに投入した(黄色矢印参照)。次戦スペインGPでは、さらに重要な新機能が搭載される予定だ。

フェラーリF1-75 トラックロッドのエアロフェアリング比較
フェラーリF1-75 トラックロッドのエアロフェアリング比較



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)


レース

4/18(金) フリー走行1回目 22:30〜23:30
フリー走行2回目 26:00〜27:00
4/19(土) フリー走行3回目 22:30〜23:30
予選 26:00〜
4/20(日) 決勝 26:00〜


ドライバーズランキング

※バーレーンGP終了時点
1位ランド・ノリス77
2位オスカー・ピアストリ74
3位マックス・フェルスタッペン69
4位ジョージ・ラッセル63
5位シャルル・ルクレール32
6位アンドレア・キミ・アントネッリ30
7位ルイス・ハミルトン25
8位アレクサンダー・アルボン18
9位エステバン・オコン14
10位ランス・ストロール10

チームランキング

※バーレーンGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム151
2位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム93
3位オラクル・レッドブル・レーシング71
4位スクーデリア・フェラーリHP57
5位マネーグラム・ハースF1チーム20
6位ウイリアムズ・レーシング19
7位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム10
8位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム7
9位BWTアルピーヌF1チーム6
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー6

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