ヨーロピアン・ミナルディ・コスワースは、ゾイト・バウムガルトナーと2004年F1シーズンのドライバーとしての契約を結んだことを正式に発表した。
22歳のハンガリー人、F3000出身のバウムガルトナーは、イタリア・ファエンツァを拠点とする同チームでイタリア人ドライバーのジャンマリア・ブルーニと組むことになる。バウムガルトナーは2003年にジョーダンで負傷欠場したラルフ・ファーマンに替わりハンガリーとイタリアの2戦に出場した経験があるが、両ドライバー共に世界選手権フル参戦は初めてになる。チーム監督のポール・ストッダートはバウムガルトナーとの契約を前に、期限内に資金源を見つけなければ他のドライバーを探すと条件を出していたが、噂では、ハンガリー政府が財政支援の一助を担ったといわれている。
「本当に今年はクリスマスが早くきてしまった感じだよ」と微笑むバウムガルトナー。「今年は2レースに出させてもらったおかげで、どうしてもF1でやりたいという決意が一層固まった。やっとその夢が叶うことになったが、まだちょっと実感がわかないね」
「ここまでのレースキャリアでは大勢の人たちの支援があったが、特にトーマス・フランクの惜しみない協力に感謝し、またポール・ストッダートにはF1でのチャンスを与えてくれたことに感謝している。ヨーロピアン・ミナルディ・コスワースではできるだけ早く仕事を始めて、シーズン開幕までに十分な準備をしたい。とてつもないチャレンジだが、本当に楽しみだ」
ブルーニとバウムガルトナーの二人との契約を完了し、またもストッダートは若手ドライバーをF1へと引き上げる役割を果たした。しかし今後バウムガルトナーは、“金でシートを得たドライバー”というレッテルを振り払うことができるのかが注目される。
「ゾイトの契約をようやく完了できてとてもうれしい」とストッダート。「彼には相当な能力があると信じているし、近年才能ある若手をF1に多数送り出しているミナルディの好環境を活かして、前進し腕を磨きモーターレースの頂点で実力を証明できるよう頑張ってほしい」