オランダのIT企業トラストが、ミナルディ・チームとのパートナーシップを解消した。今後トラストは、ヨス・フェルスタッペンの来季のレギュラーシート獲得に結びつく契約を目指すものと見られている。
トラストの発表は、先日イタリア人ドライバーのジャンマリア・ブルーニを来季のドライバーとして発表したミナルディが、今度はハンガリー人のゾイト・バウムガルトナーにセカンドシートのオファーを出したことを明かし、フェルスタッペンも2003年の彼の同僚ジャスティン・ウイルソンもミナルディ入りの可能性が絶望的となった直後のことだった。
トラストの発表した声明によると、ミナルディのボスのポール・ストッダートとチームの将来について“念入りに”話し合ったものの、フェルスタッペンが来季、ミナルディでドライブすることはなくなったという。
声明は次の通り。「ヨス・フェルスタッペンが2004年シーズン、ミナルディF1チームからグリッド上に姿を現わすことはないだろう。ポール・ストッダート、トラスト、そしてヨスのマネージャーが、ミナルディF1チームとの共同開発、並びにチームの将来について多岐に渡る入念な話し合いを行った結果、ミナルディF1チームとの来年以降のパートナーシップを解消するという結論に至った」
「ヨスがミナルディでドライブできる可能性について洗いざらい話し合い、精査してみた。今回の結論に至った一番の要因は、トラスト、ヨス・フェルスタッペン、およびヨスのマネージャーがミナルディ・チームについて今後の技術的発展が望めないと考えたためだ。我々だけでなくチーム側も、F1マシンの向上についてあまり多くを望めないと評価している」
「そのため、トラストは科学技術製品のメーカーとして、技術的発展と向上の低いチームとパートナーシップを続けるのは不適切だと考えた。とはいえ、これまでミナルディのスポンサーになることでとても大きな宣伝効果の恩恵に預かれた。ポール・ストッダートの多大な協力に対し、お礼を述べたい」
ミナルディがバウムガルトナーに正式なオファーを出している現在、いまだ決まっていない2004年のレギュラーシートは、バウムガルトナーが在籍していたジョーダンのシート1つとなった。
フェルスタッペンは来季もレギュラードライバーを続けたいと考えているが、残り1つとなったシートを巡ってライバルが数人いる。しかもそのうちの3人は、ジョーダンのメインスポンサーであるベンソン&ヘッジズ社が好みそうなイギリス人ドライバーだ。しかし、トラストを始め、フェルスタッペンのスポンサー企業は、彼のレギュラーシート獲得を目指してエディー・ジョーダンと話し合いを始めるものと見られている。ジョーダンのファーストドライバー、ニック・ハイドフェルドも現在、チームとの契約事項に基づいて、開幕までに十分な資金を準備すべくスポンサー確保に勤しんでいる。
ジョーダンのドライバー候補としては、ウイルソン、アラン・マクニッシュ、2003年のジョーダンのドライバー、ラルフ・ファーマンらの名前が挙がっている。また先日、ジョーダンのクリスマス前のテストに参加したチェコの若手ドライバー、ヤロスラフ・ヤニスも候補の1人と考えられる。