フォーミュラBMWアジアの初代チャンピオンに対するご褒美として行われたスペインでのウイリアムズBMWのテストドライブも無事終了し、同シリーズは早くも次なる若き才能の発掘に向けて動き始めた。
ヘレスのテストに参加した中国のトゥン・ホーピンは、合計42周を走行して1分22秒082のベストタイムをマークし、その実力を人々に印象付けた。彼の生まれて初めてのF1カードライブにあたっては、先輩のファン−パブロ・モントーヤやマルク・ジェネのアドバイスを受けるという恩恵に浴することもできた。
「チームはとても落ち着いた雰囲気で、僕があまりナーバスにならないように気を遣ってくれた」とトゥン・ホーピン。「ファン−パブロとマルクもとても親切で、車に乗る前に僕の質問にすべて答えてくれた。車のパフォーマンスにはドギモを抜かれたね。本当にめまいがしそうだった……。でも、セッションを終えても体力的にはまったく問題なくて、これには我ながら驚いたよ」
まだ最初のシーズンを終えたばかりとはいえ、こうしてトゥンが見事にテストをこなしたことにより、フォーミュラBMWアジアは将来のアジア人F1スター育成の場として十分に機能することが確かめられた。
フォーミュラBMWアジアは、2004年シーズンに向けて4人のドライバーにスカラシップを授与することになっており、トゥンがF1テストドライブを果たした直後とあって、多くの応募者が殺到しそうだ。
このスカラシッププログラムには、1982年から88年の間に生まれて、アジア地域に居住する者なら誰でも応募できる。ただし、これまでに国際レースの経験がないことが条件だ。スカラシップ授与者には2004年FBMWアジアシリーズの参戦費用として3万5千ドルが与えられるほか、高いスキルを持った若いシングルシータードライバーを育てるための教育プログラムにも参加できる。このプログラムは、体力トレーニング、メディアトレーニング、ドライビングテクニックの指導などが含まれ、講師には国際モータースポーツの各領域の専門家たちが招かれる。
スカラシップの資格を得るための第一段階となるライセンストレーニングコースは、2004年2月13〜15日の日程で、スペインのアルバセテにあるBMWレーシングセンターで開催される。参加希望者はシリーズオーガナイザーのモータースポーツ・アジア・リミテッド(+603 2026 1680)またはインターネットウエブサイト www.bmw-motorsport.com まで。