パナソニック・トヨタ・レーシングは今年、F1コンストラクターズ選手権で16ポイントを得、8位に入った。6位のザウバー・ペトロナスとはわずか3ポイント差だ。ケルンを拠点にF1で2年目のシーズンを戦い終えた同チームのボス、オベ・アンダーソンが、ドライバー、レギュレーション、学んだ多くのことなどについて語り、また2004年の展望を明かした。
Q:今年のチームの進展具合について評価を聞かせてください。
オベ・アンダーソン(以下OA):一般的には今シーズンは十分喜ぶべき結果を出せたと言われているが、私の描いていた大望からすればもっといけるはずだった。確かにこのチームはまだグランプリ参戦歴が33レースしかないから、まだまだ多くを学んでいるところだし、コンストラクターズ選手権での8位も恐らく2年目としては相応しい出来なのだろう。要するに、生産的で、成功裡に運んだ、特に特徴を打ち出せた年だったといえる。
Q:今季のオリビエ(パニス)の走りは満足いくものでしたか?
OA:今年のオリビエの働きには満足以上のものがあった。この12カ月というもの彼はチームと車の開発に大いに助けになってくれた。彼の技術的能力は立派なもので、迅速に問題点をピンポイントで指摘でき、さらに重要なことにはその解決策を考え出せる。オリビエにもクリスチアーノ(ダ・マッタ)にも彼らの才能に見合う車を用意できたとは思えないが、これこそ2004年にはぜひ改善したいところだ。オリビエの――もちろんクリスチアーノも――チームに対する責任感と献身ぶりは高く評価しているし、彼はレーストラックでもケルンにいても本当に意欲をかきたててくれる存在だ。
Q:オリビエとクリスチアーノはチームでの初年度にどう馴染んでいったのでしょうか。
OA:私が思うに、オリビエとクリスチアーノは共にとても良く働き、チームの大切な財産になっている。性格もやり方もまったく違うタイプの二人だが、そのコンビネーションはばっちりだ。彼らのドライビング能力に疑問を感じたことは一度もないし、時には私の期待を超えてくれることもあった。チームとして彼らにもっといい道具を与えることができていれば、もっといいリザルトだっただろうに。
Q:今シーズン特に印象に残ったレースはありますか?
OA:正直にいって、本当に心に残ったレースはいくつかある。モナコでのクリスチアーノの予選ラップは、あの難しいサーキットで、しかも彼には初めて走る場所だったことを考えれば、すごいことだったと思う。オリビエはハンガリーで、他に0.8秒差もの差をつけて最速タイムを出したセッションがあった。レースでは、ホッケンハイムでの5位&6位が見事だった。それと鈴鹿の予選では、セッション終盤の雨に助けられたこともあり両者ともよかったね。
Q:来年の現実的な目標を教えてください。
OA:新車TF104が完成してテストをしてみるまでは、本当の意味での自分たちのポジションは分からない。まだ経験の足りないチームだが、それは時が解決するしかないと思う。車は、いろいろなタイプのサーキットで走ってみてどう機能するか理解でき、なかなかの性能だ。各地のトラックはどこも天候と、金土日の日ごとに異なった表情を見せる。それぞれに対応してどう車を仕上げるか決めるためにはこうしたコンディションを把握しなければならない。そしてこれは経験こそが大いにものをいうところだ。来シーズンはまず予選ポジションのアップを図りたい。トップ6〜8番手を定位置に目指しレース結果に反映させるという、2003年にできなかった部分だ。今シーズンのコンストラクターズ選手権では5位に比較的近かったから、2004年の射程範囲には入ると思う。
Q:今年のあなたにとって最高なできごとと最低なできごとを挙げるとすれば?
OA:私としてはホッケンハイム(の5位&6位)のリザルトが最高だったが、シルバーストンでトヨタが17ラップをリードしたこともすばらしい思い出だ。夢見たことさえもない思いがけないことだった。
Q:F1の最活性化に新ルールは役立ちましたか、それとも他の要因でしょうか?
OA:これがそうだと一つに特定できることではないと思う。新レギュレーションがグリッド順位に変動を与えたのは確かだが、今年はまたすばらしい競い合いだった。すべてが一つになって成功したシーズンになったんだろう。鈴鹿の予選を例に挙げると、ウエットの天候のせいで選手権のトップ争いをする連中にとって予選結果は散々だったが、我々にとってはグリッド2列目を押さえることができ、結局それが観客には面白い見せ物になったんだ!
Q:冬季はどういう予定になっていますか? TF104の進歩のほどは?
OA:2002年末と同様の冬季プログラムを進めているところだ。TF103Bで11月終盤からテストを始める。中身はTF103で新しいエンジンとギヤボックスを積んだ車だ。2004年向けに技術レギュレーションが改訂されたおかげで、レースウィークエンドの間ずっと持ちこたえる1基のエンジンを作らなければならなくなった。我々が目指すのはエンジンの耐久性と操縦性だ。あとは、オーストラリアの開幕戦を可能な限りベストな状態で迎えるために、空力からタイヤまであらゆる面でメカニカルな評価出しのためテストを重ねて行く。
Q:来年の新しいレースウイークエンドの日程と全18戦の暫定カレンダーについてはどうお考えですか?
OA:来シーズンのレースウイークエンド日程については多くの話し合いが持たれ、結局はチーム代表たちだけでは決定を下せずに、スポンサー企業やレースプロモーターまで巻き込んだ。観客のためになるレースウイークエンドを考えるのはレースプロモーターの仕事だから、私としては、各チームはこの件では強く言える立場にはない。総じて、モータースポーツ最高峰としてのF1のステータスを維持するには、レギュレーションを継続的に再評価していくことが不可欠だと私はまだ思っている。世界中のファンにとって常に新鮮でエキサイティングなスポーツであると同時に、参戦チームにとってもチャレンジングであり続ける必要がある。
スパは歴史ある場所でレースをするにはとてもチャレンジングなサーキットだから、来年のカレンダーに戻ってくれるなら私としてはとてもうれしい。場所も我々のケルンのファクトリーのすぐ近くだから、輸送面でも便利だしね。
トヨタにとってとても重要な市場なため、暫定カレンダーにカナダが復活したこともとてもうれしい。カナダGPはファンの熱狂振りを感じられるシーズン中有数のレースで、モントリオールの街全体がまるでストリートフェスティバルといった雰囲気に変容する。北米はF1が弱い地域だし、これからイメージを作っていく必要がある。カレンダー上ではまだ暫定だけれども、来シーズンにはぜひ復活してほしい。