2002年シーズンにCART選手権で活躍した後、今年F1デビューを飾ったクリスチアーノ・ダ・マッタが、パナソニック・トヨタ・レーシング・チームでのF1初年度を振り返り、イギリスGPでレースをリードしたことなどさまざまなことを語った。
Q:2003年シーズンを終えて、トヨタTF103の強味と弱点について評価してください。
クリスチアーノ・ダ・マッタ(以下CDM):今年一番の難問は安定性だった。至るところで、これといった理由もなく十分な力が発揮できずに、何故なのか理由付けることもできなかった。良かった点といえばエンジンで、シーズンを通してずっと安定していた。総括すると、来季に向けて成熟した車を造るのにとてもいいベースになるだろう。
Q:車は思ったとおりの結果を出せましたか? それとももっと好結果を期待していた?
CDM:僕個人としては常により厳しいシーズンだった。予備知識のないサーキットばかりという新たなシリーズを闘っていたんだからね。大抵の場合、予選前に走れるのは、金曜午前中の1時間のフリープラクティスだけだった。大変だったが、走行経験のあるサーキットでのリザルトを見てもらえば僕の本当の能力を分かってもらえると思う。全体としてもっといいリザルトを望んではいたが、この一年で多くを学べたし、来年はきっととてもいい年になるはずだよ。
Q:イギリスGPでは17ラップをリードしましたが、車が特に好調だったのですか?
CDM:シルバーストンはTF103に本当に合うサーキットのひとつで、確かにシーズン中もっとも期待できる場所だった。レースの2〜3週間前にテストもしていたので、競争力をもって臨めることは分かっていた。レースではコース上でハプニングがあり、セーフティカーが出動したおかげでトップに立てた。もちろんレースをリードする経験は初めてではなかったが、ルーキーイヤーで初めてF1レースのトップを走るとなれば感慨もひとしおだった。
Q:F1にきて最も印象的だったことは何でしょう?
CDM:僕が一番驚いたのは、あらゆるものごとの展開する速さだ。車のタイヤからシャシー、空力まであらゆるパーツの開発ペースもそうだ。僕が今までに参戦してきたすべてのレースと比べても本当に驚くべきことだった。レースのたびに車には何か新しい試みが施されるんだ。それがF1なのだと分かったよ。車の開発により重きが置かれる。他のシリーズでは、その代わりにセットアップの面により手が加えられるんだ。F1では車そのものがより重大で、手をかける範囲もより広範だ。
Q:F1とCARTのドライビングの水準の違いについてどう思いますか?
CDM:F1の公正さはいいと思う。これはCARTでも大事にされていたことだ。何か馬鹿げたことをしてもF3000やF3のようではなかった。CARTでは皆ほぼ同様の車を走らせていたが、F1ではより良い車を持つ相手とは比較することもできないし、レベルを比較するのは難しいよ。だがF1にはたくさんのいいドライバーがいることは間違いない。
Q:シーズンを振り返って、個人的に良かったことと悪かったことは?
CDM:僕にとって良かったのは、いろいろなことに慣れてF1になじめてきたこと。シルバーストンで17ラップをリードできたのは最も喜ばしい瞬間だった。鈴鹿の予選も、トヨタのホームGPだったのでとても特別なものだね。雨が降り始める前にコースに出て、本当にスリリングな予選の結果、3番手につけた。予選終了後の記者会見は、初めてだっただけに心の準備ができていなかったよ。だけど、来年はこれにもぜひ慣れたいところだね!良くない思い出は、やっぱりブラジルで周回遅れになったことだ。雨はそれほど苦手ではないはずなのに、なにしろF1で初めてのホームレースだったから、うまくいかなかった。