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あっという間の50戦。節目のお祝いはレッドブルから「何かやりたい」と呼びかけ/ホンダF1山本MDインタビュー(2)

2021年9月3日

 2021年F1第12戦ベルギーGPは、ホンダとレッドブル・レーシングが組んで50戦目のレースだった。悪天候によりきちんとしたレースはできなかったものの、予選でポールポジションを獲得していたマックス・フェルスタッペンが今季6勝目を挙げ、記念すべきレースで結果を残した。


 ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは、レッドブルやアルファタウリとはエンジニアやメカニックだけでなく、マーケティングや広報のスタッフらも良好な関係を築いていると話し、今回の50戦記念に関するお祝いはそのスタッフたちの発案であることを明かした。


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──今回のベルギーGPは、ホンダがレッドブルと組んでレースをした記念すべき50戦目でした。この2年半、振り返ってあっという間でしたか?


山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):レッドブルと50戦、あっという間でした。


──3年前に今の状況は想像できていましたか?


山本MD:スーパーGTもそうなのですが、何をやっても3年はかかるんです。1年目にベースを作って、2年目にいろいろ新しいことをトライして、ようやく3年目に勝負できる。私は本田技術研究所が長く、そこでいろいろなプロジェクトをやってきましたが、何かを成し遂げるのに1年でできることはなくて、最低でも2年から3年はかかる。そういった意味では2019年に初優勝して、3年目にチャンピオンシップ争いというのはその通りです。


──50戦はマクラーレン時代にも迎えていたわけですが(2017年のイギリスGPがマクラーレン・ホンダの50戦目)、そこで何かセレモニーをしたという記憶があまりありません。でも、昨年のイタリアGPではアルファタウリがトロロッソ時代を含めて50戦目を祝ってくれ、今回はレッドブルが祝ってくれました。


山本MD:昨年はフランツ(・トスト/アルファタウリ・ホンダ代表)が50戦目ということで何かやろうと提案してきて、マシンにステッカーを貼ることになりました。今回もレッドブルから50戦記念に何かやりたいので、話し合おうと言ってきて、いろんなことをやりました。お互い、いいハーモニーでやれているのはうれしいですね。

2020年F1第8戦イタリアGP アルファタウリAT01にホンダとの50戦目を記念するロゴ
2020年F1第8戦イタリアGP アルファタウリAT01にホンダとの50戦目を記念するロゴ


──少なくとも前のチームの50戦目と今のチームとの50戦目は、同じ50戦でも密度も違うということですね。関係が密だから、50戦でもお祝いしましょう、と。


山本MD:その通りで、アルファタウリもそうだし、レッドブルとの50戦も関係が良好なこともあるし、密になっているということの表れだと思います。


──純粋にレースでいい成績をあげるためには何をすべきかを考え、そのほかの政治的な話で足の引っ張り合いはしないという点がアルファタウリとレッドブルの共通点ですね。


山本MD:そう。それはクルマを走らせるエンジニアやメカニックたちだけでなく、ほかのスタッフたちも同じです。マーケティングや広報たちの関係も良好です。今回の50戦記念も、クリスチャン(・ホーナー/レッドブル・ホンダ代表)が指示してきたことではなく、マーケティングや広報のスタッフ同士で進められたこと。それが一番うれしいです。

ホンダF1山本MDインタビュー(2)
『50 RACES』とペイントされたシビック・タイプR

ホンダF1山本MDインタビュー(2)
木曜日にはオー・ルージュに『50 RACES』とペイントされたシビック・タイプR2台を並べて、ドライバーふたりとともに記念撮影を行っていた

ホンダF1山本MDインタビュー(2)
オー・ルージュには2台のシビック・タイプRが並べられた


──チームのリリースのやりとりなどもスムーズそうですね。


山本MD:その辺りは広報の鈴木(悠介)くんがしっかりやっています。彼はホンダ内だけでなく、レッドブルやアルファタウリのマーケティングや広報と本当によくコミュニケーションをとっている。そうやって外部の人間とコミュニケーションをとったうえで、ホンダにとっていいと思うことは私や田辺(豊治/ホンダF1テクニカルディレクター)にしっかり意見してくれる。本当によくやっています。今回、ふたりのドライバーのレーシングスーツの左胸に『50戦記念』というロゴが入っているけど、それは広報の鈴木くんが進めた仕事でした。


──レースが中断していたとき、山本さんがガレージでフェルスタッペンと写真撮影をしていたのは、それだったのですね。そういう節目のレースが終わりました。いまの率直な感想は?


山本MD:レース自体がきっちり走りきれなかったということに関しては、ファンのみなさんに申し訳ない気持ちはありますが、レッドブルとの50戦目、節目としてレッドブルと一緒に優勝を飾ることができたのはよかったと思います。昨年のアルファタウリの50戦目もガスリーが優勝してくれた。これで50戦目のレースは2連覇です。

『50戦記念』のロゴを胸に優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とホンダF1 山本雅史マネージングディレクター
『50戦記念』のロゴを胸に優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とホンダF1 山本雅史マネージングディレクター



(Masahiro Owari)


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