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「チームの総合力が結果になった」接戦を覚悟もポールの優位性を活かして優勝を掴む/ホンダF1山本MDインタビュー

2021年9月1日

 2021年シーズン後半戦の初戦となったF1第12戦ベルギーGP。決勝日は断続的に雨が降り続き、決勝レースのスタートは何度も延期された。その後約3時間の中断を経てセーフティカー先導で走り出すも、3周を終えたところで赤旗に。レースはこのまま終了となり、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がポール・トゥ・ウインで今季6勝目を記録した。


 ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは今回のレースに関して、ハーフポイントになったとはいえ、メルセデスとの接戦を覚悟していたベルギーで勝てたことを嬉しく思っているという。また角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)についても、落ち着いて3日間を過ごし、成長の兆しが見えたと語った。


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──近年稀に見る天候と結果になりました。


山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):ファンの人たちに、最後までこの雨のなか残ってもらえたことに対して、本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいです。ファンの方々にとっては厳しい状況でした。ホンダにとっては後半戦、結果的にフォーメーション(ラップの順位のまま)で終了しレースは成立、半分のポイントになりましたけど優勝できたことは非常によかったと思っています。レッドブル・ホンダとしては金曜日から流れは悪くなかったので、後半もいろいろな意味で戦っていけるかなというのが見えたレースでした。


 金曜日からいい方向で進んでいたと実感しているので、天気以外はいいスパでした。前半戦の終盤のイギリスでメルセデスがアップデートを持ち込んでちょっと速さを見せつけられたので、そのようななかで後半のスパは拮抗すると思っていたし、メルセデスもそんなにここは不得意ではないので、かなり手こずるのではないかとも思っていました。ですが金曜日のドライの状況もそんなに悪くなかったので、流れ的にはハーフポイントとはいえ優勝という形でスパを後にできるということをうれしく思っています。


──今回のハーフポイントは今後チャンピオンシップ争いに向けて、ホンダとっては痛いと思うのか、ハーフポイントとはいえレースが成立してポールポジションの優位性をきちんとポイントにしたととらえているのか、どちらですか?


山本MD:私が考えているのは後者です。メルセデスとは厳しいかなと個人的に思っていたので、そういった意味では優勝し、ポイント数は半分でドライバーチャンピオンシップは逆転していませんが、その差を詰めたという点でチームの総合力が結果となり、いい雰囲気で後半戦のスタートが切れた。流れとしては悪くないと思っています。

2021年F1第12戦ベルギーGP 優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第12戦ベルギーGP 優勝したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


──次はマックス・フェルスタッペンのホームレースです。ホンダとしてはどういう戦いをしたいですか?


山本MD:マックスの母国でポール・トゥ・ウイン、いい形でマックスがレースをできればなと思っているので、ホンダもいままで以上に、普段もエンジニアたちがきちんと仕事をしていますが、来週のオランダに向けていい戦いができるようきっちり準備をしたいです。


──2年前のオーストリアGPでホンダが復帰後、初優勝したときには、オレンジ軍団がホームストレートに押し寄せてホンダ・コールをして勝利を讃えていたのを覚えています。そのオレンジ軍団の地元で直接、勝利を届けたいですね。


山本MD:今度はマックス・コールでしょうね。オランダGPは1985年以来なので、オランダのファンのためにもマックス・デーにしてあげたいです。


──2年前のオーストリアGPではフェルスタッペンは左胸の『H』マークを指さして、ホンダを讃えていました。今度はホンダがフェルスタッペンの母国で後押しする番ですね。


山本MD:あれは本当に印象的でした。マックスがホンダに敬意を示してくれたということで、オランダのファンたちがホンダ・コールをしてくれたと思うし、今度はマックスにいいレースをしてもらってマックス自身がヒーローになるためにホンダもしっかりやり切りたいです。

2019年F1第9戦オーストリアGPで優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン
2019年F1第9戦オーストリアGPで優勝を飾ったマックス・フェルスタッペン


──角田選手ですが、前半戦の課題だった無用なクラッシュがなかったという点ではよかったですが、今回は少しペースがなかったように見えます。山本さんはどういうふうに評価していますか。


山本MD:僕は全然心配していなくて、夏休みにトレーニングもしっかりしていて、休み明けに彼と前半の反省を含め、今後についていろいろと話し合いました。そのなかで彼の意見がいい感じで一致していた。そのような状況でスタートしたベルギーGPでは金曜日から流れも含めて大きなアクシデントはなく、落ち着いた3日間だったかなと思います。


 今回は雨という状況でクルマのセットアップが自分のものになりきらなかっただけだと思っています。前半戦に「もう少し考えようよ」と言ったことが、いまは考えられているので、私はそんなに心配していません。むしろ、後半戦に入って考え方がすごく整理されてきたなというのが、この3日間でのやりとりの印象です。今回は結果としては予選でQ1を突破できませんでしたが、すごくよくなる兆しが見られたので心配していません。


──F1での雨の経験がほとんどないという状況で、いきなり予選というのはルーキーにとっては難しかったでしょうね。Q1落ちで満足はしてはいけないのでしょうけど、結果ほど悲惨な状況ではないということですね。


山本MD:ベテランたちに混じってのあのタイムは、果てしなく遅いわけではない。セッティングがはまらなかった人たちのなかでは十分走りきっているので、あまり気にしてなくていいと思います。それよりも金土日の3日間の流れをどう作っていくかをすごく考えているので、そういった意味では次のオランダは、晴れのセッションが3日続けばいい方向にいくと思います。特にスパの雨は難しいですよ。FIA-F3の岩佐(歩夢)を見ていてもセクター2は大変そうだった。1周が長いのと、アップダウンを含めてクルマのセットアップが幅広く難しいなかで、それよりも速いマシンのF1をコントロールするというのは簡単ではないです。雨のなかで少し足りなかったけど、3日間通していえば、次への期待値も含めて悪くない。次に期待したいです。

2021年F1第12戦ベルギーGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第12戦ベルギーGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第12戦ベルギーGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

山本雅史(ホンダF1 マネージングディレクター)
2021年F1第12戦ベルギーGP ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター



(Masahiro Owari)


レース

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2位スクーデリア・フェラーリ652
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6位BWTアルピーヌF1チーム65
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