F1は今週末、鈴鹿で開催される今年最後のイベントを迎える。チーム・マクラーレン・メルセデスのドライバー、キミ・ライコネンがタイトルを獲るには、彼がレースを制し、且つライバルのミハエル・シューマッハーが0ポイントであることが条件だ。
鈴鹿で50戦目のGPを迎えるライコネンは、現在ポイントスタンディングトップのミハエルと9ポイント差の83ポイントで2位につけている。
ライコネンは次のように語る。「アメリカGPは、僕にとってもチームにとっても複雑な心境だった。できるだけプッシュしてみたし、戦略も素晴らしかったが、天気にチャンスを阻まれた。とはいえ、ドライバーズタイトルを獲るチャンスはまだある。インディで優勝するぐらい簡単なことではないだろうけれど、楽しんで挑戦してみるよ! 僕に失うものはない。やらなくてはならないことは分かっている。ミハエルの動向を気にすることなく、ただ自分のしなくてはならないことに集中するだけだ。チームは、できる限りのことをしてくれるだろう」
「ワクワクするようなレース展開になることを期待している。どのようなことになるのか、当日が楽しみだ。鈴鹿はタフでテクニカルなサーキットだ。他のコースに比べて距離が長いし、レイアウトも8の字で独特だ。鈴鹿にはバラエティーに富んだコーナーがある。有名な130Rとか超高速の左ロングカーブとかスプーンカーブとかね。鈴鹿のグリップは低く、ダウンフォースはミディアムハイのセットアップでいく。一番のオーバーテイクのチャンスは、最終シケインだ。ブレーキについては、鈴鹿は減りの少ないコース。コーナーはぜんぶで17あるけれど、そのほとんどが超高速コーナーなので、アクセル全開で抜けていける。しかも、モンツァのようにブレーキを思い切りかけるのではなく、アクセルを少し戻すか、ブレーキを軽く踏むかしてコーナーに入っていけるからね」
僚友のデイビッド・クルサードは、今週末の鈴鹿でマクラーレン加入以来132回目のレースとなり、チーム最長在籍記録となる。ポイントスタンディングでは、現在45ポイントで7位につけている。
「鈴鹿を楽しみにしている。とてもチャレンジングでドライブが楽しいコースなので、ドライバーの中でも人気があるサーキットだ。中高速コーナーに高速ストレート、坂道、R130のようなコーナーがある。路面はザラザラしているので、タイヤの摩耗はかなり激しい。コース上いちばん重要なセクションは、S字カーブだね。スピードを保ち、数々のコーナーを周り、いいラップタイムを刻んでいくには、バランスのとれたセットアップが必要だ」
「ドライバーズタイトルがまだ決まっていないので、面白いGPになるだろうね。キミに幸運の女神が微笑むといいね。日本GPが終わったら、2週間ほど休みをとるつもりでいる。その後で、僕にとって10年目のシーズンとなる2004年に向けて準備を始める予定だ」