1年間の雌伏の時を経て、ついに琢磨がグランプリに帰ってくる。7日、東京都内のホテルで行われた記者会見でBARホンダの2004年ドライバーラインナップが発表され、佐藤琢磨が来季レギュラードライバーとして正式に発表された。
今季BARホンダのリザーブドライバーを務めていた琢磨だが、去年12月にチームとかわした契約は3年契約であり、2004年、2005年はレースドライバーになれることがオプションとなっていた。その契約下において、琢磨は来季、念願のレギュラードライバーへの昇格を果たすことになった。チームメイトとなるのは来季でBAR2年目となるジェンソン・バトン。バトンがイギリスF3選手権で戦っていた頃、琢磨は同選手権のナショナルクラスに参戦しており、同じイギリスF3出身の若手ドライバーというラインナップでの参戦となる。また、来季のテストドライバーは、引き続きアンソニー・デイビッドソンが務める。
ムジェロテストを終え、イギリスから日本に向かう飛行機の中で今回の決定を知ったという琢磨は、次のように喜びを語っている。「来年Lucky Strike B・A・R HONDAのドライバーに決まったことは、大変光栄です。このことは、自分がこの一年間、目的を達成するために頑張ってきたことの成果だと思っています。そして今回のこの決定で、来年このチームで、再び自分自身を証明出来ることを楽しみにしています。レースをしないこの一年は僕にとってとても辛かったけれど、テストでこの一年間に僕たちが成し遂げたことは、とても価値あるものだったし、チームとも強力なパートナーシップが確立できたと確信しています。今年僕はこのチームで、たくさんの人たちと良い関係を築くことが出来たので、来年は一緒にうまくやっていけると、とてもポジティブに感じています。そして今、3月の開幕戦オーストラリアGPが待ち遠しいです」
先日BARからの放出が報じられ、ウイリアムズへの移籍など様々な噂が飛び交っているジャック・ビルヌーブにに関しては、正式に契約終了が発表され、デイビッド・リチャーズから感謝の言葉が述べられた。ビルヌーブにとっては今週末の日本GPが、5年間在籍したBARでの最後のレースとなる。
2001年にイギリスF3チャンピオンを獲得した佐藤琢磨は、東京出身の現在26歳。2001年にBARホンダのテストドライバーを務めた後、2002年オーストラリアGPでジョーダン・ホンダからF1デビュー。最終戦日本GPで5位入賞を果たしている。琢磨にとってのF1参戦2年目は、デビューと同じくホンダパワーを駆っての参戦ということになる。