ジャック・ビルヌーブの放出を決めたとされるBARホンダが、本日東京で記者会見を開き、来シーズンのラインナップを明らかにするようだ。
かなり前からウワサには上っていたとはいえ、先週末にビルヌーブのチーム離脱が報じられたばかりとあって、このタイミングでの記者会見はおそらく彼の離脱を正式に確認するものになるだろう。また、あえて東京で会見を開くのも、単に日曜日の日本GPを控えて多くの報道関係者が日本に集まっているという理由ばかりでなく、待ち望まれてきた佐藤琢磨の正ドライバーへのステップアップが正式に発表されるためと見られている。
佐藤の正ドライバー昇格はホンダサイドの強い要望によるものと言われ、ビルヌーブの放出が報じられた時点で、来季佐藤がジェンソン・バトンのパートナーになるのはほぼ確実と見られていた。BARでは先日ビョルン・ワルドハイムとタウンゼント・ベルの両名をテストに参加させたが、いずれもビルヌーブに代わる新たな才能としてチームに強い印象を与えるには至らなかった。
今日の記者会見で明らかにされる点がもうひとつあるとすれば、それは佐藤のBARでのデビューが今週末の彼の母国GPになるのか、あるいは来年3月のアルバートパークになるかということだけだ。
昨年ジョーダンをドライブした佐藤は、見事なポイントフィニッシュを飾って母国のファンを熱狂させているだけに、彼が鈴鹿でビルヌーブに代わってBARのステアリングを握るという説は以前からささやかれていた。ビルヌーブの離脱が決定的となった今、彼が2003年シーズンとBARでのキャリアに予定よりも1戦だけ早く幕を引く可能性は十分にある。
トップチームのシートがほぼ決まっている現在、ビルヌーブが来シーズンのシートを確保するチャンスはほとんどないと彼自身も認めている。空席が残っているのはジャガーとジョーダンだが、その一方でペーター・ザウバーも、すでにジャンカルロ・フィジケラとフェリペ・マッサにアプローチしてさえいなければ、ぜひ97年のワールドチャンピオンをチームに招きたかったと述べている。
実際には、マッサはまだザウバーのドライバーとして正式に発表されておらず、ビルヌーブにもまったくチャンスがないわけでもなさそうだ……。