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【角田裕毅F1第10戦密着】前半は無理な追い抜きを仕掛けずタイヤを温存。ピットストップで順位を上げ、入賞をもぎ取る
2021年7月19日
2021年F1第10戦イギリスGPが開催されているシルバーストンのパドックで、レッドブル育成システムを統括するヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)に、2022年のドライバーラインアップについて、筆者が質問した。すると、マルコはこう答えた。
「夏休み後までは決定しない。発表は早くてもベルギーGPだ。もしかするとイタリアGPかもしれない。したがって、角田はこのイギリスGPを含む、今後のすべてのレースでのパフォーマンスが重要になる。ポイント獲得が求められることは言うまでもない」
しかし、シルバーストンはオーバーテイクが難しいコースとして有名だ。スプリント予選を16番手で終えた角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)にとって、日曜日のレースでポイント獲得することは簡単ではない。そこで、角田とチームはある戦略を採った。それは、コース上で抜くのではなく、ピットストップのタイミングをずらしてポジションを上げるという作戦だ。
スプリント予選が導入された今回のイギリスGPは、全員がスタートタイヤを自由に選択できる。シルバーストンはタイヤに厳しく、かつスタート直後のグリップ力も欲しい。ピットレーンスタートのセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)を除く19台がミディアムタイヤを選択した。こうなると、全車が似たようなペースになり、DRSトレイン状態となって、オーバーテイクは一層難しくなる。
そこで角田は、DRSトレイン状態のときは、あえて無理なオーバーテイクを仕掛けない作戦にした。
「そうですね、前半は前にほかのクルマがいるときは、スタート時に履いたミディアム(のグリップ力)を温存することにしました」
するとDRSトレイン状態でバトルをしていた前方のマシンが18周目から続々とピットインしていき、角田の前が開けた。
「クリーンエアになったので、それからはフルプッシュしました」という角田は、ピットストップを誰よりも遅い30周目まで引っ張って、そこまで全開で走った。
「それがうまくいって(ピットストップの後に)何台か抜けました」
前半15番手を走行していた角田は、ピットストップ後に13番手でレース後半に突入した。たったふたつだけだが、このポジションアップがレース終盤に大きな意味を持った。
46周目に9番手を走行していたチームメートのピエール・ガスリーが、他車が撒き散らした砂利を踏んでリヤタイヤをパンクさせ、緊急ピットイン。これで角田は12番手に。
さらに同じ46周目のクラブ・コーナーで直前を走行していたキミ・ライコネン(アルファロメオ)とセルジオ・ペレスが接触し、ライコネンがスピンアウト。これで角田は11番手へ。
そして、48周目に10番手を走行していたペレスが、チームの判断によって、10位の座を捨てても、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がその時点まで持っていたファステストラップによる1点を剥奪しようと、タイヤ交換するためにピットイン。これで角田は10番手へ上がった。残り4周のことだった。
「シルバーストンでは昨年、レース終盤にタイヤトラブルがあったので、何が起こるかわからないと思って、最後まで油断せず集中して走っていました」(角田)
自力でもぎ取ったポイントではないが、実力がなければ、10位にはなれない。
苦しみながらも、いま自分ができるすべてを出し切ってもぎ取った1点を、角田は「うれしいです」と素直に喜んだ。
今シーズン4度目の入賞はこれまでの3回とは違い、トップ10に入る速さがないにもかかわらず、手繰り寄せた1点だったと言っていいだろう。
(Masahiro Owari)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 194 |
2位 | シャルル・ルクレール | 138 |
3位 | ランド・ノリス | 131 |
4位 | カルロス・サインツ | 108 |
5位 | セルジオ・ペレス | 107 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 81 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 69 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 55 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
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1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 301 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 252 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 212 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 124 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 28 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 5 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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